中国 宗教団体のネット活動制限、来年3月から 国外からの影響懸念か

(2021年12月24日)

2018年11月15日(木)、中国・北京で、インターネットを通じて「不正で違法な動画をたくみに拡散している」と警告する桂林電子科技大学の流出したオンライン投稿をコンピューター画面に表示したもの。(AP写真/Ng Han Guan)

By Mark A. Kellner – The Washington Times – Wednesday, December 22, 2021

 中国政府は、宗教団体のネット上の活動を2022年3月から制限することを明らかにした。これによって、国の認可を受けていないネット上の宗教活動のほぼすべてが事実上、禁止される。

 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報が21日に報じたところによると、「国外の組織、個人が、中国領内でネット上で宗教情報サービスを行うことが禁止」され、「ネットで宗教情報サービスを行う中国の組織、個人はすべて、地域の宗教問題担当機関に届け出なければならなくなる」という。

 この新規則は、国家宗教問題局、サイバー空間局、国家安全省などが作成したもので、環球時報は、「オンライン宗教情報サービスを統一し、市民の信教の自由を保障する」ためのものとしている。

 さらにオンライン説教は「インターネット宗教情報局の許可を得た宗教団体、寺、教会、宗教学校」が実施し、「信徒らを愛国、順法へと導くもの」でなければならないとしている。

 また、「宗教儀式」の記録、ネットでの公開を禁止、「ネット上での宗教の名の下での資金集め」も禁止される。

 ネット上でハンドルネームを使用することも禁止されており、これは、実名使用を義務付けることで当局が、治安の脅威とみなした人物を追跡しやすくするための措置だ。

 米メリーランド州の人権団体「国際キリスト教人権監視機構(ICC)」の東南アジア担当マネジャーのジナ・ゴー氏は、「(中国政府は)キリスト教など、西側からの影響を恐れている。普遍的な人権の原則、民主主義の概念を持ち込む可能性があるからだ。そのため、このような形での情報交換を非常に恐れている」と指摘、新規則は「外国の影響力を締め出すための包括的な取り組み」との見方を示した。

 ゴー氏によると、すでにインターネット情報検閲システム「防火長城(グレートファイアウオール)」によって、中国国内からの外国宗教団体へのアクセスは制限されている。

 中国共産党による宗教への取り締まりは、習近平体制の下で一貫して進められており、教会が破壊され、信徒会も解散させられるなどしている。また、国外の宗教団体のサイトを運用した個人は、警察で尋問を受けるなどしており、運用するサーバーを中国国外に移すキリスト教団体もあるという。

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