中国のウクライナ安全保障 核威嚇で侵攻の露と板挟み
(2022年3月2日)

先週、北京の人民大会堂で行われた調印式で、中国の習近平国家主席と握手するウクライナのヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領。ヤヌコビッチ氏の訪問は、打撃を受けたウクライナ経済への中国の支援を得ることを目的としている。同国の経済停滞は、キエフで進行中の抗議デモを助長している。(ASSOCIATED PRESS)
ロシアのプーチン大統領は、 核戦力部隊に警戒態勢の強化を命じ、ウクライナへの核兵器の使用をちらつかせている。ところが、ウクライナ侵攻でロシア寄りの姿勢を取る中国は2013年に、核の脅威に対して安全を保障するという合意をウクライナと交わしており、今後プーチン氏が核による軍事圧力を強化すれば、中国は難しい立場に立たされることになりそうだ。
中国共産党の習近平総書記とウクライナのヤヌコビッチ大統領(当時)は13年12月5日、両国を「戦略的パートナー」とし、中国の核戦力で核の脅威からウクライナを守ることを約束する合意を交わした。
両国は声明で「中国は核を持たないウクライナに対し、核兵器を使用せず、核兵器による威嚇もしないことを約束する。さらに中国は、ウクライナが核兵器を伴う侵攻に直面、または、核による侵攻の脅威にさらされた場合、ウクライナに核の安全を保障する」としている。
約20年前、世界第3位の核大国だったウクライナは、旧ソ連から受け継いだ核兵器を放棄して非核保有国となり、核拡散防止条約(NPT)に加盟した。
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