ホワイトハウス、キーストーンXLパイプライン再開の予定はない
By Jeff Mordock – The Washington Times – Wednesday, March 9, 2022
ジェン・サキ大統領報道官は9日、バイデン政権は「キーストーンXL」パイプラインの建設を再開しないと述べた。
「建設再開の計画はない。再開しても、現在抱えている問題には何ら対処できないだろう」
このパイプラインは、カナダから米国に日量70万バレルの石油を供給するものだった。共和党と一部のカナダ政府関係者は、米国は石油の供給量を増やそうとし、ガソリン価格は5ドルに向かって上昇していており、中止されたパイプラインの建設を再開すべきだと主張している。
バイデン大統領が8日にロシアの石油輸入禁止を発表して以来、こうした声は高まっている。
サキ氏は、パイプラインは単なる輸送手段であり、米国の石油供給量を増やすことには何の役にも立たないと述べた。
「パイプラインは油田ではない。そのため供給量を増やすことはできない」
オバマ政権は2015年、気候や衛生への懸念を理由に、このプロジェクトへの支援を取りやめた。トランプ前大統領が2017年にパイプラインを復活させ、2020年に着工した。
バイデン氏は就任初日に、パイプラインの許可を取り消す大統領令を出した。その建設を請け負うTCエナジー社は、2021年6月に90億ドルのプロジェクトを断念した。その時点で、パイプラインの10%以下しか建設されていなかった。
カナダのアルバータ州の首相は、パイプラインの建設再開を要求した一人だ。
ジェイソン・ケニー首相は今週の記者会見で、「米国が本気なら、戻ってきてキーストーンXLの建設を手伝ってくれるかもしれない。バイデン大統領が反対していなければ、今年中に完成していたはずだ。84万バレルの民主的エネルギーが、ウクライナ人の血で満たされた60万バレル以上のロシア製紛争石油に代わることができたはずだ」と述べた。
パイプラインの建設を再開する代わりに、米国は失われたロシアの石油輸入を補うために、ベネズエラ、イラン、サウジアラビアに石油の供給を求めている。