中国空軍にロシア人教官 最新鋭機のパイロット養成か
By Bill Gertz – The Washington Times – Monday, April 25, 2022
中国空軍の練習機が墜落、流出した動画から、脱出したパイロットの1人はロシア人とみられており、中国空軍の最新鋭戦闘機のパイロットがロシア人教官から飛行訓練を受けている可能性が指摘されている。
墜落したのは複座のジェット練習機、教練10(JL10)で、ロシアの高等ジェット練習機ヤク130をベースに中国が独自に開発し、2019年に配備したばかり。西部の河南省商丘市で23日、墜落現場に集まった地元住民が2人の搭乗員を撮影し、SNSに投稿したことからロシア人とみられる教官の存在が明らかになった。
動画は、負傷した中国人パイロットが住民に対して「そっちは教官だ。写真を撮るな」というところで終わっている。
ロシア人パイロットが、中国でロシア製航空機の操縦訓練を施すことはあるが、アナリストらによると、中国軍は外国からの操縦訓練を受けていないと主張していることから、外国人教官の存在は軍事機密とみなされている。
在外中国人筋によると、ロシア人教官は1年以上前から教練10の飛行訓練を中国人パイロットに施している。また、艦載機の着艦訓練もロシア人教官が実施しているという。
中国国防省は1月、湖北省の石家荘飛行学院で最初の教練10パイロットらの訓練が実施されていることを明らかにしていた。
米空軍のシンクタンク、中国航空宇宙研究所(CASI)のアナリスト、デレク・ソレン氏は最新の報告で、教練10の訓練は、第5世代戦闘機、殲20(J20)のパイロット養成に使われていると指摘した。殲20は、中国の最新鋭ステルス戦闘機で、米国防総省によると、中国が盗み出した米戦闘機F35、F22の技術を使って開発されたとみられている。
報告は、中国人教官は「能力が低く」廃止されたと指摘しているが、外国人教官については言及していない。