中国 台湾併合にらみ核増強-米戦略軍司令官が議会証言

(2022年5月12日)

北京で行われた共産中国建国70周年記念パレードで、弾道ミサイルDF-17を積んだ中国軍の車両(2019年10月1日撮影)。ロイド・オースティン米国防長官は2021年12月2日(木)、中国が極超音速兵器を追求していることについて「地域の緊張を高める」と述べ、米国は中国がもたらす潜在的脅威を抑止する能力を維持すると宣言した。(AP写真/Ng Han Guan、ファイル)

By Bill Gertz – The Washington Times – Monday, May 9, 2022

極超音速ミサイルの脅威強調

 中国は、核搭載可能で、迎撃が非常に困難とされる極超音速ミサイルを独自に開発しており、増強した核戦力をてこに、台湾併合を進めることを目指している-リチャード米戦略軍司令官が議会で証言した。

 リチャード氏は今月初めに上院軍事委員会で証言し、中国が開発を進める極超音速滑空飛翔(ひしょう)体について、「非常に高性能であり、このような能力を備えた国は今のところない」と警戒を呼び掛けた。

 中国が現在進めている核戦力の強化については、「中国史上最大であり、米国や1960年代のソ連を含め、歴史上最大」と強調した。

 北方軍のバンハーク司令官も3月、昨年7月に中国が実施した極超音速ミサイルの試験発射について、「配備されれば、現在の地上・宇宙配備の早期警戒能力をかいくぐることが可能になる」とその脅威の大きさを強調している。

 ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻に際し、核の使用をちらつかせたことについてリチャード氏は、「米国と同盟国は、30年以上にわたってこのような危機に直面してこなかった」と指摘、現在の戦略軍は、中露を抑止できる「最小限」の核戦力しか備えていないと危機感をあらわにしている。

 また、中国は「ウクライナ情勢を注視し、将来の(台湾併合の際の)核の恫喝(どうかつ)に生かそうとしている」とした上で、「2027年までに台湾を併合できる軍事力を備えることを目指している」との見方を示した。

 リチャード氏は、2年前には軍と情報機関内で、20年代の終わりまでに中国が核弾頭を倍増させるかどうかの議論が行われていたが、それは「すでに実行された」と述べ、中国の軍備増強が想定を大幅に上回る速度で進められていることを明らかにした。

 中国では、この数年でICBM用のサイロの増強が進み、追跡が困難な道路移動式ICBMは倍増。空中発射弾道ミサイルを搭載可能な爆撃機H6Nも、中国核戦力の「重要な空の足」(リチャード氏)となっている。

トランプ政権、先端技術開発で新指針「米国のリーダーシップを確保」

(2025年09月30日)

米宇宙軍、誤認による中国との宇宙戦争勃発を懸念

(2025年09月29日)

下院、中国視野にスパイ対策の大改革要求 改革法案を可決

(2025年09月19日)

ICBMの複数弾頭化を提言-政府監査院 新型ミサイル配備遅延受け

(2025年09月12日)

習・プーチン氏が臓器移植に言及 強制摘出へ懸念浮上

(2025年09月08日)

中国パレード、新型ハイテク兵器続々 習主席「いじめっ子」に屈しない

(2025年09月07日)

中国人技術者、MS通じ国防総省データにアクセスしていた

(2025年09月04日)

中国人ネットワークが米国で46兆円を「洗浄」-財務省

(2025年09月02日)

中国が空挺部隊による台湾奇襲を計画 ロシアが協力か

(2025年08月22日)

北朝鮮に武器や軍事技術を送付 中国人移民に懲役

(2025年08月21日)
→その他のニュース