中国、米のレアアース開発妨害/「環境を破壊」と偽情報

(2022年7月6日)

2022年冬季オリンピックを前に、ゲンティン・スノーパークで揺れる米国と中国の国旗(2022年2月2日、中国・張家口)。中国政府に代わって活動するハッカーが、昨年、米国内の少なくとも6つの州政府のコンピューター・ネットワークに侵入していた。これは、民間のサイバーセキュリティ企業が火曜日に発表した報告書によると、とのこと。マンディアント社の報告書では、昨年5月から先月まで続いた侵入について、ハッキングされた機関を特定したり、その動機を示したりしていない。(AP Photo/Kiichiro Sato, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, June 29, 2022

 中国は、テキサス州で米国防総省と民間が協力して進めているレアアース(希土類)採掘・処理施設の建設を阻止するための情報工作を行っている。レアアースは電子機器などに不可欠な鉱物資源であり、情報工作はレアアース市場の支配を通じて、世界的な影響力拡大をもくろむ中国の取り組みの一環だ。

 サイバーセキュリティー企業、マンディアントが6月下旬に明らかにしたところによると、中国はソーシャルメディアを使って、オーストラリアのライナス・レア・アース社などレアアース採掘企業を中傷し、レアアースのサプライチェーン(供給網)を破壊しようとしているという。ライナス社は世界最大のレアアース採掘・処理企業で、国防総省と提携し、テキサス州で処理工場建設を進めている。

 レアアースは、スマートフォン、薄型テレビ、医療機器、水処理システムなど先端技術を使った製品に欠かせない天然資源で、米国と同盟国は近年、レアアース供給元の拡大に取り組んでいる。

 マンディアントによると、中国の工作員がフェイスブックやツイッターの偽アカウントを使って地元住民になりすまして、処理工場建設によって環境が破壊され、放射能汚染や健康リスクによって、がん、遺伝子の突然変異、新生児の奇形などが引き起こされるという情報を拡散させている。

 マンディアントは、工作員らのグループを「ドラゴンブリッジ」と名付けている。作戦にはソーシャルメディア、ウェブサイトなどの数千の偽アカウントが使われている。

 米国防総省も声明を出し、中国による情報工作を認めている。

 地元で反対運動を引き起こすことを狙っており、カナダのアッピア・レア・アース・アンド・ウラニウム社、米国のUSAレア・アース社にも同様の工作を仕掛けているが、影響はあまり出ていないという。

 国防総省は、重要資源・資材に関する調査資料を公表、軍・民生用製品に使用されている鉱物資源の外国への依存による安全保障への影響に懸念を表明していた。最新鋭のF35戦闘機1機当たり417㌔のレアアースが使用され、バージニア級攻撃型原潜にはその10倍のレアアースが使用されているという。

 マンディアントは、この情報工作は、レアアース市場で中国の支配に対抗する米国と同盟国の活動を妨害する中国の活動の一環と指摘している。

 中国共産党幹部らは以前から、レアアース市場の支配を国家の戦略目標としてきた。

 中国の習近平国家主席は、2019年5月に江西省のレアアース採掘場を訪れ、重要鉱物資源開発競争での中国の優位性を脅かすことは許さないと主張した。

 また、トウ小平は1992年の演説で、「中東に原油、中国にはレアアースがある」とレアアースの戦略的重要性を強調、「その優位性を国家として最大限に利用すべきだ」と訴えていた。

中国の国内サイバーセキュリティ法は、中国企業に対し、政府の要求に応じてデータを提供するよう義務付けている。つまり、中国企業が製造するウェアラブルデバイスは、アメリカ人の機密性の高い健康データを、本人の知らないうちに北京に漏洩する可能性があるということだ。写真提供:PAJDJW(Shutterstock経由)

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