「ゴールデンドーム」構想 新型迎撃ミサイル、レーザー、サイバー攻撃で敵ミサイル攻撃を阻止

(2026年5月4日)

2025年5月6日(火)、ワシントンのキャピトル・ヒルで、宇宙軍司令官のマイケル・A・ゲトライン大将が、下院軍事委員会小委員会の戦備状況に関する公聴会に出席した。(AP通信/ジャクリーン・マーティン)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, April 29, 2026

 米当局者によると、次期ミサイル防衛計画「ゴールデンドーム」は先進的な地上配備型迎撃ミサイル、宇宙配備型ミサイル、レーザー兵器、さらにはサイバー攻撃を組み合わせ、米国への脅威に対処する。

 現在の米国の国家ミサイル防衛網は限定的で、中国やロシアの極超音速ミサイルや高度な巡航ミサイルによる攻撃に効果的に対抗できないと、当局者は上院公聴会で述べた。

 同当局者は24日、脅威は増大しており、中国とロシアが配備する高度な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の増加に加え、極超音速ミサイルや先進的巡航ミサイルなど、既存の防衛を突破し得る航空脅威が含まれると明らかにした。

 マーク・バーコウィッツ国防次官補(宇宙政策担当)は25日の証言で、ゴールデンドームは米国の戦略核抑止力を補完するものになると述べた。

 バーコウィッツ氏は上院軍事委員会戦略軍小委員会で、「われわれは極めて複雑で危険な安全保障環境にあり、競合国はミサイルと航空戦力を飛躍的に拡大している」と語った。

 さらに、「それらの脅威は核兵器であれ通常兵器であれ、米本土、米国民、重要インフラ、反撃能力に対して極めて深刻な脅威だ」と指摘した。ここでいう反撃能力とは、初期攻撃を受けた後も核ミサイルや爆撃機、潜水艦によって反撃できる能力を指す。

 同氏は、アラスカ州とカリフォルニア州に配備された迎撃ミサイルによる現行の地上配備型防衛は極めて限定的で、北朝鮮の少数のICBMに対処するためのものであり、極超音速ミサイルや高度巡航ミサイルへの防御は存在しないと述べた。

 国防総省のゴールデンドーム計画責任者である宇宙軍のマイケル・ゲトライン大将も、現行の国家防衛は限定的であり、強化が必要だと述べた。

 ゲトライン氏は「ゴールデンドームは、無人航空システム、巡航ミサイル、極超音速および機動型極超音速ミサイル、さらには空中や海上からの弾道ミサイルといった次世代の航空脅威に対処するために設計されている」と語った。

 このシステムの費用は約1850億ドルと見積もられ、2028年半ばまでの配備開始を目指すという。

 これまで米本土のミサイル防衛は「ならず者国家」からの脅威を主眼としてきたと同氏は説明した。

 しかし、新技術の進展により、広大な海洋に守られた米国の地理的優位は損なわれつつある。

 中国とロシアの攻撃能力は急速に向上しており、両国は軌道上から攻撃可能な核システム、いわゆる部分軌道爆撃システム(FOBS)の開発も進めていると述べた。

 「ゴールデンドームは、日々目にする通常兵器の脅威と同時に、本土に向けられ得る核戦力の脅威の双方に対応する」

 中国が保有する米国を攻撃可能な無人航空機の数について問われると、同氏は詳細は機密としつつも、「数百から数万規模」と種類によって幅があると述べた。

 バーコウィッツ氏は、中国が最も重大な脅威であり、軍の近代化は急速かつ包括的で、複数の経路から米本土や部隊を攻撃可能な核・ミサイル戦力を整備していると指摘した。

 さらに、中国はインド太平洋地域で機動部隊を追跡・攻撃するためのネットワークシステムも構築していると述べた。

 アンガス・キング上院議員(無所属、メイン州)は公聴会で、「なぜ今、新たな防衛網が必要なのか。過去70年、ソ連やロシアに対しては同様の防衛は不要だったではないか」と問いただした。

 「ロシアに対して80年間有効だった抑止が、なぜ今、中国には通用しないのか」

 これに対しバーコウィッツ氏は、冷戦終結後の戦略環境は一変し、米国は単一の脅威ではなく複数の核保有国に直面していると説明した。

 現在の脅威は、より高度なミサイルと航空戦力を備えた複数の敵対勢力から生じているとした。

 「米国の一般市民が危険にさらされる可能性のある抑止に頼ることはできない」と同氏は述べた。

 また、ロシアや中国などの国々はそのような考え方をしておらず、統合防空・ミサイル防衛システムを長年追求してきたと指摘した。

 これらの国々が米国のミサイル防衛に反対するのは安定維持のためではなく、米国の防衛能力を制約し、威圧や攻撃を行いやすくするためだと同氏は述べた。

 中国とロシアは、米国が攻撃に対して脆弱であることが安定につながると主張する一方、自国には同様の脆弱性を認めていないと批判した。

 「ゴールデンドームは核抑止力を補完するものであり、核のトライアド(3本柱)と組み合わせることで、剣と盾の双方を備えた抑止力を強化する」と同氏は述べた。

 さらに「抑止が失敗した場合でも、国土の保全と国民の生命を守る手段となる」と強調した。

 ゲトライン氏は、公聴会では全50州を守るシステムの詳細説明を避けたが、全体構造はすでに承認されていると述べた。

 また、人工知能(AI)と新たな高性能兵器、既存防衛システムの統合により、米本土全域の防衛が可能になるとの見方を示した。

 同氏は、独立した各システムを統合・ネットワーク化し、「新しく革新的な方法」で次世代レベルのAIを活用すると説明した。

 ゴールデンドームに使用する兵器には、運動エネルギーで破壊する方式に加え、電子戦や指向性エネルギー兵器も含まれる。さらに、発射前にサイバー攻撃などで無力化する「レフト・オブ・ローンチ(発射前攻撃)」も採用されるという。

 ミサイル防衛局(MDA)のヒース・コリンズ長官(空軍中将)は公聴会で、特定の装備維持ではなく、「空・陸・海・宇宙の各領域で新しく破壊的な能力を提供すること」に重点を置いていると証言した。

 新たな兵器の試験は「ミサイル防衛システム次世代(MDSNext)」計画の下で、航空・地上・サイバーの各分野で実施されている。

 コリンズ氏は「先進能力を迅速に配備し、戦闘員の決定的優位を維持することで、敵の計算を変えることが目標だ」と述べた。

 戦略は、技術革新の加速、兵器調達能力の強化、パートナーシップ拡大を柱とする。

 「指向性エネルギー、低コスト迎撃ミサイル、先進センサーといった非対称能力の開発期間を短縮している」

 さらに、中国を中心とする敵対勢力のミサイル脅威が急速に進化していると警告した。

 「敵は新型ミサイルの開発と既存システムの改良を進め、精密打撃能力と防衛突破能力を強化している。将来の脅威には弾道・極超音速・巡航ミサイル、無人機、非運動エネルギー攻撃やサイバー攻撃が含まれる」と述べた。

 現在のミサイルは飛行の全段階で機動可能となっており、防衛を一層困難にしているとも指摘した。

 「中国は核・通常双方の長距離戦力に加え、サイバー・宇宙能力も備え、米国の安全保障を直接脅かしている」

 ロシア、北朝鮮、イランも重大なミサイル脅威であり、特にイランは4月13日に最大規模のミサイル・ドローン攻撃を実施したという。

 同日には100発以上の弾道ミサイル、150機超の自爆型ドローン、30発の巡航ミサイルが発射された。

 ゴールデンドームの重要構成要素の一つ「プロジェクト・マーベリック」は、2027年に米東海岸で短期的な極超音速防衛能力として試験される予定だ。

 この実証試験では、センサー情報の統合により極超音速滑空体を追跡・迎撃する能力の確認を目指す。

 また、2028年には低コスト迎撃ミサイルの試験も予定されており、大量配備を可能にする。

 高出力レーザー兵器の開発も加速されており、AIの導入によって敵ミサイルへの対処能力が向上するとしている。

 コリンズ氏は、AIは多波攻撃への防御に不可欠だと述べた。さらに、アラスカ州とカリフォルニア州の既存迎撃ミサイルに代わる新型地上配備型迎撃システムも開発中だ。

 宇宙配備型迎撃ミサイルは、発射初期段階で敵ミサイルを破壊し、地上・海上の防衛を補完する。

 同氏は「宇宙配備型の防衛層は、常時展開による世界規模の監視能力を提供し、世界各地から突然発射される敵ミサイルのリスクを低減する」と述べた。

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