中国企業、米軍の動きを追跡 衛星画像をイランが取得

2026年4月15日(水)、中国・北京の人民大会堂で、中国の習近平国家主席がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談を行った。(撮影:佐木沢伊織/AP通信提供のプール写真)
By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, April 30, 2026
中国の人工知能(AI)企業が中東での米軍の作戦を追跡しており、イランを巡る紛争に従事する米軍部隊に脅威を与えていることが、4月30日に公表された議会証言で明らかになった。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)航空宇宙安全保障プロジェクトのディレクター、カリ・ビンゲン氏は下院欧州小委員会への書面証言で、米国の商業衛星企業はこれとは対照的に国家安全保障の保護と敵対勢力への情報提供回避のため、軍の動きを詳細に示す画像の提供を控えていると述べた。
一方で中国企業は同様のデータを敵対勢力に提供し続けていると同氏は主張した。
「中国のAI企業ミザービジョンは、衛星画像を用いて米軍の装備や動きを公にしている。イランは中国製の画像衛星を取得しており、ロシアも自国の衛星画像を提供しイランの作戦を支援している」
ビンゲン氏はまた、中国が習近平国家主席の掲げる「宇宙強国」の構想の下、2049年までに宇宙領域の支配を目指し、軍事的脅威として台頭していると述べた。
さらに、中国やロシアなどは「衛星そのものや地上との通信、あるいは地上設備を標的とするなど、米国および同盟国の宇宙能力を脅かす多様な対宇宙兵器を開発・配備している」と指摘した。
「これらの対宇宙兵器は、サイバー作戦、通信妨害やなりすまし、レーザー、直接上昇衛星破壊(ASAT)ミサイル、共軌道型ASATなど、多岐にわたる攻撃形態にわたって開発が進められている」
中国の宇宙兵器は、低軌道から高度23000マイル(約37000キロ)の静止軌道に至るまで、あらゆる軌道上の衛星に到達可能だとビンゲン氏は述べた。
「近年、中国の衛星は低軌道でいわゆる『ドッグファイト(空中戦)』のような機動を行い、静止軌道でも通常とは異なる動きを見せている。静止軌道での軌道上給油実験も初めて実施されたと報告されている」
敵対国が宇宙兵器を保有する目的は、米軍の戦闘能力を低下させ、戦争の遂行と勝利を困難にすること、さらに米国民の日常生活を混乱させることにあるという。
また、中国は宇宙兵器として多数の衛星を軍事作戦や先進兵器の「キルチェーン(攻撃プロセス)」に統合しており、米軍の艦艇、飛行場、港湾などを標的とする訓練も確認されていると同氏は指摘した。
