ロシア、宇宙・ガス・食料で西側に圧力

(2022年8月1日)

2022年7月25日(月)、ロシアのモスクワで閣議に出席するウラジーミル・プーチン大統領。(Mikhail Klimentyev, Sputnik, Kremlin Pool Photo via AP)

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Tuesday, July 26, 2022

 ウクライナ侵攻から5カ月余り、ロシアは新たな取り組みとして、宇宙、世界のエネルギー市場への影響力を行使し、西側を分断させ、ウクライナを支援する米欧を罰しようとしている。

 ロシア当局者らは26日、2024年に国際宇宙ステーションから撤退することを表明した。これによって数十年にわたる米国とその同盟国との協力が断たれ、ステーションの今後の運用が懸念されている。

 その前日、ロシアのエネルギー大手ガスプロムは、「ノルドストリーム1」を通じた欧州へのガス供給を20%に削減することを発表した。これを受けて直ちに欧州のエネルギー価格は上昇し、欧州は消費を削減し、備蓄を切り崩すことを迫られている。

 ガスプロムの発表を受けて欧州連合(EU)は、緊急プランを承認し、今後数カ月間のガス使用を15%削減するよう各国に呼び掛けた。欧州はすでに、ウクライナでの戦争開始以来、ロシアへのエネルギー依存を低下させているが、ロシア産エネルギーは依然として、欧州のガス消費の約15%を占めている。

 欧州当局者らは、厳しい冬に備えると話している。

 チェコのシーケラ産業貿易相はブリュッセルでの緊急会合の後、「決定が容易でないことは分かっている。しかし、この犠牲が必要であることはいずれ、誰もが理解することと思う。痛みを共有しなければならないし、共有する」と述べた。

 欧州がガスの備蓄への準備を進める一方でロシアの軍用機が、ウクライナの戦略的に重要な港オデッサ付近の黒海地域を攻撃した。これを受けて、ロシアとウクライナが先週末に交わした、黒海のウクライナの港からの穀物の輸出を可能にする合意が実行できなくなるのではないかという懸念が高まっている。

 ロシアは依然、ウクライナ侵攻での作戦の一環として世界の食料供給を人質にするつもりではないのか、ロシアのプーチン政権と交わした合意は信頼できるのかという臆測が飛び交っている。

 ロシアは、影響力を行使して、この問題で欧米がいかに無力であるかを示すことを楽しんでいるようにみえる。ロシアが宇宙ステーションからの撤退を表明した際、ロシア当局者は、西側がウクライナでの紛争の責任をロシアに持たせる手段はすぐに失われると主張した。

 ロシア国営タス通信によると、ペスコフ大統領報道官は記者団に対し、「EU各国と北米各国はロシアに対する敵対的な政策で文字通り互いに競い合っているようだ」と述べた。

 「しかし、私たちに圧力をかけ、考えを変えさせようとしても、その手段がいずれなくなることは分かっている」

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