ウクライナ侵攻が停滞 北朝鮮に接近するロシア

(2026年4月29日)
北朝鮮政府が提供したこの写真には、2026年4月26日(日)、北朝鮮の平壌で行われた記念博物館の開館式に出席する、同国の指導者キム・ジョンウン氏、ロシアのヴィャチェスラフ・ヴォロディン下院議長、アンドレイ・ベロソフ国防相が、前列右から左の順に写っている。(朝鮮中央通信/Korea News Service via AP)

北朝鮮政府が提供したこの写真には、2026年4月26日(日)、北朝鮮の平壌で行われた記念博物館の開館式に出席する、同国の指導者キム・ジョンウン氏、ロシアのヴィャチェスラフ・ヴォロディン下院議長、アンドレイ・ベロソフ国防相が、前列右から左の順に写っている。(朝鮮中央通信/Korea News Service via AP)

By Andrew Salmon – The Washington Times – Monday, April 27, 2026

 【ソウル(韓国)】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記とロシア下院のボロジン議長は26日、平壌で、ロシア西部クルスク州への侵攻を撃退するのに貢献した北朝鮮部隊をたたえる記念像を公開した。

 この行事は、戦場に兵士を派遣した唯一の国である北朝鮮とロシアの関係が依然として緊密であることを示している。一方で、ウクライナがロシアの進軍を食い止める可能性も指摘されている。

 両氏は除幕式でテープカットを行い、「対外軍事作戦の英雄たちの軍功記念複合施設・博物館」を公開した。正面には英雄像が据えられている。

 像は革命様式の典型で、北朝鮮兵2人がそれぞれ自国とロシアの旗を掲げ、1人は拳を突き上げている。周囲には機関銃や突撃銃を持った兵士が前進する姿が描かれ、負傷したロシア兵を支える北朝鮮兵の姿も表現されている。

 ロシアのタス通信によると、ボロジン氏は「この時期に平壌を訪れ、対外軍事作戦の英雄たちの軍功記念施設の開館に参加できることは大きな名誉だ。祖国の自由のため命をささげた英雄たちを共に追悼する。これは真の友人としての行為だ」と述べた。

 会場近くの観覧席には、礼装の北朝鮮軍幹部や戦闘服姿の退役兵とみられる人物が並んだ。

 父の金正日総書記がほとんど公の場に姿を見せなかったのに対し、正恩氏は公的活動を重視している。

 車いすの負傷兵を抱擁する姿や、戦没者の霊廟にひざまずいて献花する様子、戦争を描いた絵画を視察する場面などが公開された。

 こうした両国の関係強化に先立ち、4月21日には豆満江に架かる初の道路橋が開通した。これまで両国は鉄道橋で結ばれていた。

 北朝鮮とロシアの関係は2024年の相互防衛条約で強化され、北朝鮮のロシア派兵で実証された。北が大規模な部隊を海外に派遣するのはこれが初めてだった。

 韓国の専門家らによると、2024年11月から2025年4月にかけて、最大1万3000人の北朝鮮兵がクルスクでの戦闘に投入された。その顔ぶれは、精鋭の突撃部隊として知られる「第11軍団(暴風軍団)」や、平壌が誇るトップクラスの特殊部隊「偵察総局」のメンバーたちだ。

 ウクライナ側は、北朝鮮兵がロシア兵より体力に優れ射撃精度も高く、ロシア製装備で十分に武装していたと指摘している。

 ただし損害は大きく、多くが戦死したほか、追い詰められた場合には自決する例もあった。生きて捕獲されたのは負傷した2人のみだった。

 ロシアがクルスク州を奪還した後、北朝鮮兵は撤退した。2024年の協定は自国防衛に限られ、攻勢作戦には適用されないためだ。

 しかし今年初め以降、ウクライナからの報道によると、クルスク州に配備された北朝鮮の砲兵部隊がウクライナ東部ハルキウ州を砲撃している。また北朝鮮の工兵部隊は地雷や不発弾の除去といった危険な任務にも従事している。

 4月下旬には、モスクワのシェレメチェボ空港に北朝鮮部隊が到着したとされる映像もインターネット上に出回った。

 平壌での会談内容は明らかでないが、新たな部隊派遣が議題となった可能性がある。

 最近韓国を訪問した北大西洋条約機構(NATO)加盟国の将校によると、ウクライナ軍は今春、重要な転換点を越え、ロシア軍の補充を上回る速度で損害を与えている。

 ウクライナ軍は空と地上でドローンを大量に投入し、標的の特定から攻撃までの過程を高速化している。

 全天候・昼夜の監視能力や長射程精密攻撃の強化により、攻撃可能範囲は前線を大きく超えて拡大している。

 ロシア軍の進軍は続いているものの速度は鈍化しており、2026年1~3月の前進は1日平均約2平方マイルにとどまり、2025年同期の約4平方マイルから半減した。

 この将校によると、ロシア兵は前線だけでなく後方でも多数が殺害され、補充が追いついていない。

 ロシアは2022年9月の30万人の予備役動員以降、徴兵ではなく契約兵を中心に戦闘を続けている。

 契約兵はインドやネパール、パキスタンなどからの外国人傭兵や受刑者と共に戦っている。

 人的資源がどこまで持続可能かは長らく疑問視されてきたが、人口約2650万人の北朝鮮は120万~130万人の兵力を持ち、大規模な増援を提供し得る。

 このうち約20万人が精鋭部隊とされ、軽歩兵や空挺部隊、水陸両用部隊、特殊部隊で構成される。

 ロシア側の問題は人員だけではない。戦場での指揮統制や通信能力も打撃を受けている。

 ロシア軍は今年、非正規のルートで入手した衛星通信端末が使用できなくなったことの影響を受けた。ウクライナが自国端末のリストを提出し、それ以外の端末が遠隔で停止されたためだ。

 また軍内通信に広く使われてきたメッセージアプリの規制強化も影響を及ぼしている。

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