バイデン氏の学生ローン帳消しで3000億ドル以上損失-調査
By Dave Boyer – The Washington Times – Tuesday, August 23, 2022
23日に発表された調査報告によると、バイデン大統領が選挙を控え打ち出した学生ローンの債務を帳消しにするという計画で、財務省は少なくとも3290億ドルの損失を被り、ほとんどが裕福な納税者に恩恵をもたらすという。
ペンワートン・バジェット・モデルによると、バイデン氏が今週中にも、年収12万5000ドルまでの家庭に対して、一人当たり1万ドルの学生ローンを免除することを承認する可能性があり、これによって連邦政府は10年間で3297億ドルの収入減となる。
この調査によると、救済措置の大部分は所得上位60%が受けることになる。
バイデン氏は早ければ24日にも決定を発表する可能性があると報じられている。2020年3月から実施されている学生ローン返済の一時停止は、8月31日に期限切れとなる。
ペン・ウォートンの分析によると、所得15万ドルまでの借り手に対し、5万ドルまでの学生ローンを免除した場合、総費用は9350億ドルになる。
財政タカ派は、この措置が実施されれば、バイデン氏が先週署名した民主党の「インフレ低減法(IRA)」による赤字削減分の多くが失われることになると言う。この法律は7400億ドルの気候・税制対策であり、バイデン氏の当初の「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」法案を縮小したもので、10年間で2750億ドルの財政赤字を削減するという条項が盛り込まれている。
超党派の「責任ある連邦予算委員会」は、「現在の返済猶予を年末まで延長するだけでも200億ドルかかる。これは、私たちの概算によると、IRAの最初の6年間の赤字削減の合計に相当する。年収30万ドル以下の世帯で、一人当たり1万ドルの学生の借金を帳消しにするには、およそ2300億ドルの費用がかかる。これらの政策を合わせると、インフレ低減法による赤字削減の10年分近くが失われることになる」と述べている。
エリザベス・ウォーレン上院議員(民主、マサチューセッツ州)のようなリベラルな議員は、はるかに広範囲なローン免除プログラムを求めている。民主党の中でも、元財務長官のラリー・サマーズ氏は、債務救済は「需要を高め、インフレを引き起こす」と批判している。
サマーズ氏は、「何らかの理由で大学に行く機会を得られなかった人々を助けるために、もっと有効に使えるはずの資源を消費している」とツイートした。
連邦準備制度理事会(FRB)、カレッジボードなどの最新の推計によると、米国の約4800万人が1兆7500億ドル近い学生ローン債務を抱えている。2020年に学士号を取得する人の半数以上が連邦政府や民間のローンを使って授業料を支払い、平均2万8400ドルの教育関連負債を抱えて卒業する。
共和党は、バイデン氏が取ろうとしている措置は、富裕層の納税者を救済し、中産階級の労働者を犠牲にしてインフレを悪化させると指摘する。
リベラル派の活動家らは、多額の学費ローンのために、大学を卒業した世代が多額の負債を抱えてキャリアをスタートすることになっていると主張、債務救済の上限を所得水準12万5000ドルとするバイデン氏の計画について不満を漏らしている。「ウィ・ザ・45ミリオン」の事務局長、メリッサ・バーン氏は、「2020年3月の選挙戦での、すべての借り手に対して最低でも(1万ドルの)債務免除をするというバイデン大統領の公約に反するものであり、看過できない」と訴えた。
「収入調査の複雑な手続きは、何百万、何千万の借り手が助けを得られないことを意味する」
連邦政府の学生ローンの支払いは、2020年3月の新型コロナウイルス・パンデミックの発生以来、4300万人について一時停止されている。この一時停止は、トランプ、バイデン両政権下で6回延長されている。