保守勢力、選挙健全化で投票監視ボランティアを多数募る
By Dave Boyer – The Washington Times – Friday, October 21, 2022
保守派の草の根ネットワークは、中間選挙の投票日の11月8日、全国の選挙区に配置できる数千人の投票監視員と投票係員を募っている。
2020年のように選挙結果を信頼できなくなる事態を避けたいと、激戦十州に選挙健全化タスクフォースを組織し、ボランティアに投票法規・手順などを訓練した。
関係者によるとペンシルベニア州だけで、投票日には2020年選挙の時の10倍以上の投票監視員が現場にいることになる。
「我々は選挙が、透明性の高い自由なものであるよう懸命に努めているところだ」、ペンシルベニア州のリーダーの一人、トニ・シャッペ氏は抱負を語った。「最悪のシナリオは、2020年選挙のように有権者が選挙結果の妥当性を確信できなくなることだ。それは誰も望まないことだ。」
このネットワーク、「ティーパーティー愛国行動隊(TPPA)」は2021年初めから活動を起こし、その焦点はアリゾナ州、コロラド州、ジョージア州、フロリダ州、ミシガン州、ノースカロライナ州、ネバダ州、ペンシルベニア州、バージニア州、そしてウィスコンシン州だ。おおむね2020年の激戦州で、ドナルド・トランプ前大統領は選挙詐欺が横行していたと主張した地域だ。
TPPAのジェニー・ベス・マーティン名誉会長の説明では、これら各州で数千人のボランティアが、有権者登録名簿の間違いがないことを照会したり、投票用機器の変更箇所を確認したり、投票審査員、投票監視員や投票係員になる訓練を受けてきた。マーティン女史いわく、地元の活動リーダーたちが郡の投票書記や担当官らと親しくなり、地方での選挙手続きや投票システムを学ぶことも含まれている。
「最初は個人的つながりを作り、次に手続きと政策に関わる仕事だ」、マーティン名誉会長は語った。「彼らが選挙管理に人材派遣会社を利用するのか、どこのコンピュータシステムを使うのか、如何なる契約を取り交わしているのか等を確認する」という。
マーティン女史はさらに、自治体が投票システムの変更を検討していれば、活動家はその段階から周知しておき、変更決定が下される前に一定の関与をする必要があるのだと語った。
その例として挙げたのは、ミシガン州の選挙ソフトウェア会社「コネチ社」のユージン・ユーCEOで、彼は2020年選挙の際、ロサンゼルス郡の投票作業係官らの個人情報を盗んだ容疑と陰謀罪で今月起訴されたばかりだ。
ロサンゼルス郡と290万ドル相当の5年契約を結んだコネチ社は、データを安全に保持し、データへのアクセスは米国市民および米国永住者に限ると確約していた。しかし捜査官は、投票係員らの個人情報が中国内のサーバーに保存されていたことを突き止めた。
「我々はネットワークを通じて色々なグループと仕事をしてきたが、彼らがデータの安全に懸念を持ったので、地元の選挙管理事務所にコネチ社を利用しないよう働きかけてきた」、マーティン女史は指摘した。
ロサンゼルス郡のジョージ・ガスコン検事は、疑惑の犯罪行為では「投票集計に影響を与えておらず、選挙結果を変えるものではなかった」と強調した。
TPPAはまた、トランプ氏の元参謀の一人マーク・メドウズ氏を雇用する非営利団体「保守パートナーシップ研究所(CPI)」と提携して、ロサンゼルス郡の選挙健全化に向けた「サミット会合」を提唱してきた。トランプ氏の「セーブ・アメリカ」政治行動委員会は、昨年CPIに100万ドルを寄付したが、これは「セーブ・アメリカ」が2021年に寄付した最も高額なものの一つだ。
州の選挙当局者が11月8日の選挙日に向け大わらわになる今、彼らのオフィスはトランプ支持者から多くの公的資料請求が寄せられ、それらに応じるので忙殺されているという。一部報道ではこれら請求が急増したのは、トランプ氏の盟友で「マイピロウ社」のマイク・リンデルCEOが主催した8月のイベントに関係があるという。そのイベントの際、参加者に選挙記録の請求を促したからなのだという。なお同イベントはTPPAが主宰したものではなかった。
ペンシルベニア州ではシュッペ・マーティン両女史が、投票監視員として2年前に集めた500人をはるかに上回る約6,000人をリストアップしていると豪語した。
「今回の選挙では監視の目が多いほど、選挙結果が公正で透明性が高かったと安心してもらえるだろう」、シュッペ女史は説明した。
ペンシルベニア州で候補者を出した各政党は、各選挙区ごとに3人の投票監視員を任命できるが、各投票所には一時に、各政党から一人の監視員しか立ち会えないことになっている。
投票監視員は有権者リストを保持し、投票チェックリストを検査し、有権者の身元や適格について「誠意に基づく確認」をしたり、投票審査官に異議を唱えることができる。
シュッペ女史は自らを「政治の新米」と自称しているが、2020年の選挙後、州の選挙を監査しようとしたが、中途半端に終わった後、関与を深めるようになったと述べた。彼女のグループ「投票の検査を!」は、2020年の選挙を認定しないオンライン請願への署名嘆願を促している。
シャッペ女史は、トランプ氏の盟友で共和党の知事候補ダグ・マストリアーノ氏を支持している。リベラル勢力は、彼女が州の選挙活動に党派的影響を及ぼそうとしていると非難しているが、女史はその批判を一蹴した。
彼女に言わせれば、より保守的な価値観に同調することは、リベラル派の声に耳を傾けるなと言う意味ではない。
「最終的に民主党員も共和党員も選挙の行方を見守って、双方が選挙結果に納得できるようにすることだ」、シュッペ女史は断言した。「2020年に人々が『詐欺だ!』と叫び回った光景を再び見たくない。それこそ最悪のシナリオだ!」。