中国、航空ショーで最新鋭戦闘機を披露
By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, November 9, 2022
中国軍は今週、珠海で行われた航空ショーで新型のステルス戦闘機、殲20を公開した。殲20は、米軍の技術を盗み出して造られた戦闘機だ。
中国国営メディアは、殲20の航空ショーへの参加を歓迎し、「国産の第4世代中長距離戦闘機」として紹介した。共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、殲20は国産エンジンを搭載した初のモデルであり、2機が来場者らを「圧倒」したと報じた。
殲20の開発は10年以上にわたって続けられている。初の試験飛行は2011年、ゲーツ米国防長官(当事)が中国を訪問中の時だった。ゲーツ氏は後に、自身の回想録で、試験飛行のタイミングについて、「とてつもなく『バカにした』行動」と指摘している。
一方でゲーツ氏は当時、殲20の試験飛行をそれほど高く評価しておらず、同行の記者団に、レーダー回避能力がどれほどのものかは疑問だと話していた。
ゲーツ氏は国防長官として、高性能ステルス戦闘機F22の生産を187機で打ち切った。F22は、中国との将来の紛争を想定して造られたもので、「超音速巡航」が可能だ。この能力をステルス戦闘機F35は備えていない。
殲20に関する過去の報道について、本当にこの新型戦闘機が脅威となるのかに関して、否定的に捉えている中国専門家は多い。殲20は現在、台湾に対する中国による軍事力の誇示で最前線に立ち、中心的役割を果たしている。習近平国家主席が台湾統一の意思を明確にしたことで、海峡をめぐる緊張が高まっている。
米当局者らは、中国が最近、台湾周辺で実施した軍事演習を、民主主義体制の台湾に対する武力行使のリハーサルであり、演習には殲20が参加し攻撃の演習を行ったとみている。
中国は8月の軍事演習で台湾周辺に11発の弾道ミサイルを撃ち込んだ。これは、ペロシ米下院議長の訪台を受けたもので、台湾周辺で実施される軍事演習としては数十年間で最大規模だった。
米当局者、裁判関連の文書によると、中国は、米国から盗み出した技術を使って殲20を設計し、製造した。2016年に中国国籍のス・ビンが主導したサイバー攻撃で、ボーイングとロッキード・マーチンから米航空機に関する重要な情報を獲得した。その中にはF35、戦略輸送機C17のデータも含まれていた。
スは2016年に、ハッキングを行い、40万㌦以下の費用で、400億㌦に相当する軍事技術を中国にもたらしたとして約4年の懲役刑を受けた。
裁判資料によると、スのサイバーチームは、開発中のF35の試験方法を説明した資料をロッキードから入手した。それには、何機製造され、運用されるか、部品の試験をどのように行うか、どのような形態で運用されるか、どの計器を使用するかに関する情報、性能試験に使われる技術、能力、性能の限界などが記されていた。
スが作成した飛行試験計画の中国語訳には、ロッキードが作成した資料と同じ画像が使われていた。米国防当局者によると、盗まれた試験飛行計画は、中国にとって非常に有益で、その技術は殲20に取り入れられている。