ツイッター社の選挙干渉
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, December 8, 2022
自由はもろいものだが、国民は今、それが失われる瀬戸際に来ているさまを目の当たりにしている。イーロン・マスク氏が、ハンター・バイデン氏のノートパソコンスキャンダルのもみ消しに関するツイッター内での激しい内部論争を暴露したことが、それを物語っている。米国人は、検閲ツールを使って、合衆国憲法修正第1条を折り畳んだり、紡いだり、ばらばらにしたりするビッグテック(巨大IT企業)の力を払いのけるよう求められている。
マスク氏は約束通り、先週の金曜日、バイデン大統領の息子、ハンター氏に関するニューヨーク・ポスト紙の記事のもみ消しにつながったツイッター内の動向を明らかにし始めた。この記事は、今ではよく知られているが、当時、バイデン氏が候補に上がっていた2020年大統領選の選挙運動にマイナスの影響が及ぶことは必至だったとみられている。
ツイッターの解釈を任されたフリージャーナリストのマット・タイビ氏は、同社がもともと、「アイデアや情報を即座に創造し、障壁なく共有する力」をどのように体現していたかについて語っている。ツイッターは、徐々に、「スパムや金融詐欺師のようなものと闘うように設計された」ツールを開発していったと、タイビ氏は書いている。ツイッター社のスタッフは、「有力者と通じた人物ら」からの気に入らないツイートの削除を求める請願に応えて、最終的には、ツールの使用を拡大した。
2020年の大統領選中、トランプ大統領(当時)のホワイトハウスと、バイデン氏陣営はともに、ツイッター社の検閲慣行を利用した。重要な投稿を削除する要請には、簡潔に「処理済み」という答えが付されていた。しかし、ツイッター社の従業員のほとんどが民主党支持者だったため、タイビ氏は「右派よりも左派(つまり民主党員)とのつながりの方が強かった」と述べている。
検閲の技術を熟知していたツイッター社の幹部職員らは、例えば、児童ポルノなどへの対応のために用意していたツールの使用を含む「特別な手段」を取ることで、ニューヨーク・ポストの2020年10月14日のハンター氏のノートパソコンにまつわる投稿を没にしていた。少しずつ度を強めながら、権力は腐敗していくものである。かつて、アクトン卿が述べたように「絶対的な権力は絶対的に腐敗する」のである。
ツイッター社も、支援なしに絶対権力を振り回したわけではない。2020年の選挙の2週間前に、50人を超える情報機関高官が、ニューヨーク・ポストの記事は「ロシアの情報操作の典型的な特徴をすべて備えている」と主張する書簡に署名した。その中には、元中央情報局(CIA)長官のジョン・ブレナン氏とマイケル・ヘイデン氏、元国家情報長官のジェームズ・クラッパー氏も含まれていたが――全員、バイデン氏の共和党の敵対者、トランプ氏の歯に衣(きぬ)着せぬ批判者ばかりである。
形はどうあれ、2020年に情報の抑圧に手を貸した左派は、選挙に干渉した。2020年選挙後の世論調査によると、選挙結果に影響を及ぼす可能性のあるバイデン支持者の6人に1人が、ハンター氏のノートパソコンスキャンダルを含め、検閲を受けたというニュースを知っていたら、「バイデン氏を見捨てていた」と言ったという。
さらに、ツイッター社とバイデン氏のつながりは依然として続いており、それが、バイデン政権の批判を検閲するのに役立っているという厄介な兆候がある。マスク氏は「ツイッター社が言論の自由を抑圧するために単独で行動することは、憲法修正第1条違反ではないが、司法審査なしに言論の自由を抑圧する政府の命令に基づいて行動することは違反になる」とツイートし、暴露を擁護した。
司法哲学者ラーニド・ハンド氏は次のように述べている。「自由は人々の心の中にあり、その自由が失われれば、憲法も、法律も、裁判所も、自由を守ることはできなくなる」