ロー判決の破棄後、教会への攻撃が激増
By Mark A. Kellner – The Washington Times – Wednesday, December 14, 2022
政治的な二極化の強まりを受けて、教会への攻撃が増加している。家族研究協議会(FRC)が8日に公表した分析から明らかになった。
ワシントンを拠点とするFRCによると、2022年に教会は137回攻撃を受けた。2018年は約50回であり、ほぼ3倍に増えたことになる。破壊行為は、4年前の41件から、99件と2倍以上に増えた。
今年の放火は18件で、2021年の2倍、2018年の11件と比べると61%増加した。
FRCによると、妊娠中絶がらみの攻撃は9月までに57件に達したが、2018年は0件、2019、2020、2021年はそれぞれ1ないし2件だった。
中絶がらみの攻撃は、5月に、ドブス対ジャクソン女性健康機構裁判の最高裁判決の草案が流出した後、ピークに達した。最終的にこの裁判の判決で、1973年のロー対ウェイド判決は覆され、中絶に関する立法は州に委ねられることとなった。
州ごとの攻撃件数で最も多いのはカリフォルニア州の51件で、テキサス州33件、ニューヨーク州31件、フロリダ州23件と続く。デラウェア、モンタナ、ネブラスカ、ニューハンプシャー、バーモント州では9月まで0件だった。
FRCの「信教の自由センター」アシスタントディレクター、アリエル・デルターコ氏は電話インタビューで、「把握している中で特に気掛かりなのは、タイミングが、政治的緊張の高まりと関連しているように見えることだ。とりわけ、政治的左派が反発を強めたときと教会への敵対行為の増加が関連しているように見える」と述べた。
「ドブズ判決が最高裁から流出したときがまさにそれだ。教会への敵対行為が急増した」
デルターコ氏は、FRCの調査では、警察の対応を追跡していないが、「問題が明らかに増加していても」、事件を取り締まるために警察がどのような行動を取っているかについては、「あまり話を聞かない」と話した。
また、そこが「私たちが注意を払うべき」課題であり、とりわけ、教会への放火などの攻撃に「バイデン政権がどのように対処することにしているのか」に注意を払っていると述べた。
「何を追求し、調査するために何をするかで、政権が何を優先しているかが分かる。率直に言って、信教の自由はこの政権の優先課題になっていない」
大統領報道官にコメントを求めると、バイデン大統領は、信徒を守るために「権限の中でできる限りのことをすると約束している」と述べた。
この報道官は、バイデン氏がこの夏、「国内外で標的を定めた暴力、憎悪が増加傾向にあることを警戒しなければならない。誰もが、礼拝、学校、コミュニティーセンターに行くのを恐れたり、信仰のシンボルを身に着けて外に出ることを恐れたりしなくてよいようにしなければならない」と語っていたと指摘した。
国内のシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)などの施設に対する反ユダヤ的な攻撃が増加していることについてデルターコ氏は、礼拝所を巡って起きていることは「社会で宗教全般に対する敬意が失われていることを示している」と述べた。