習主席が毛沢東の愛国衛生運動呼び掛け、「米細菌戦」プロパガンダ踏襲か

(2022年12月31日)

2022年10月23日(日)、北京の人民大会堂で行われた政治局常務委員会の新メンバー紹介イベントで手を振る中国の習近平国家主席。(AP写真/Andy Wong)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, December 28, 2022

 中国の習近平国家主席は、「ゼロコロナ」政策が全土で強い反発を招いたことから、規制を緩める一方で、毛沢東が1950年代に実施したノミやハエを駆除するための「愛国衛生運動」を引き合いに出し、急速に広がる新型コロナウイルスへの対応を国民に呼び掛けた。

 愛国衛生運動は、ノミやハエなど「毒虫」を根絶することを目指して、50年代初期に実施されたものだが、中国共産党は当時、米国が朝鮮戦争中に細菌戦争計画の一環として、これら毒虫を拡散させた主張していた。

 新華社通信によると、習氏は「現在、わが国の新型コロナ予防と抑制の取り組みは、新たな状況と使命に直面している」と指摘。国家は「より的を絞った愛国衛生運動」を行い、「国民の生命と健康を効果的に守る」ことを目指すべきだと述べた。

 厳格な封鎖措置などを伴う対策への反発が全国に広がり、習政権、中国共産党に対する全国的な抗議行動が始まると、習氏はゼロコロナを放棄、その後、国内で感染が急拡大している。

 51年冬、中国共産党の機関紙「人民日報」は、中国国内で広がった疫病を、米国が朝鮮半島で細菌戦を行ったと主張する北朝鮮の報道と関連付けようとした。北朝鮮は、細菌兵器に感染したハエやノミを放出する米国の細菌爆弾を発見したと主張していた。

 これを受けて、中国で愛国衛生運動が開始され、すべての中国人にネズミ、ノミ、ハエを駆除し、ゴミを取り除き、きれいな水を確保するよう呼び掛けが行われた。

 習氏が50年代の運動に言及したことは、米軍が中国に新型コロナを持ち込んだと主張する中国のプロパガンダが依然、続いていることを浮き彫りにしている。

 新型コロナは、危険な研究を行っていた中国軍関連の武漢ウイルス研究所からの漏洩か、まだ特定されていない動物からの感染と指摘されている。

 昨年、中国国営テレビは「鴨緑江を渡る」という40回にわたるシリーズを放送した。これは、米軍が韓国で細菌戦を行ったという過去の偽情報を扱ったドラマだ。後半で、米軍機が生物兵器が入った容器を投下し、接近した中国兵らのうち1人が感染して、死亡する様子が描かれている。

 米シンクタンク、ウッドロー・ウィルソン・センターは2016年、ソ連中央委員会からの公開情報に基づき、これらの細菌戦争の主張は虚偽であり、「中国と北朝鮮はいまだに、その主張を繰り返している」と結論付けている。

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