ウクライナ戦況一変に期待 訓練に時間、兵站への負担増も-米独供与の主力戦車

(2023年1月27日)

2022年8月25日、ドイツ・プトロスの軍事訓練場でウクライナ兵の訓練プログラムを視察するドイツのオラフ・ショルツ首相(左上)は、ドイツのゲパード対空砲戦車の上に立っている。2023年1月25日(水)、議会の委員会は、各国が対ロシア防衛のためにスイスの戦車や武器などの戦争物資をウクライナに再輸出することを禁じるスイス法の放棄を勧告した。議会委員会の提案により、他国がウクライナに再輸出できるスイスの軍需品には、ドイツ製ゲパルト対空戦車の弾薬が含まれる可能性がある。(Marcus Brandt/dpa via AP)

By Guy Taylor and Mike Glenn – The Washington Times – Wednesday, January 25, 2023

 米国製主力戦車「エイブラムス」とドイツ製主力戦車「レオパルト2」の供与が決定したことで、ウクライナの戦力が大幅に強化されるとみられている。専門家らは、戦局を一変させる「ゲームチェンジャー」になり得ると期待するが、戦略・戦術の習得や搭乗員・整備員の訓練で配備までに数カ月が必要だ。

 米シンクタンク、大西洋評議会のジョン・ワッツ上級研究員は「効率良く運用されれば、レオパルト2の配備は、戦車が戦場でいかに効果的で重要かを示すことになる」と指摘し、ウクライナの戦力強化に十分貢献し得るとの見方を示した。

 レオパルト2は、射程約5キロの120ミリ滑腔(かっこう)砲、デジタル火器管制システムを搭載し、走行しながらの砲撃が可能。専門家らは、旧ソ連製の戦車を使用しているウクライナ軍の戦力強化に大きく貢献すると指摘している。だが、55トンの巨体が雪解け後の泥土に足を取られる可能性も指摘されている。

 一方のエイブラムスもレオパルト2とほぼ同格だが、非常に複雑であるため、メンテナンスへの負担が懸念されている。また、タービンエンジンを採用しており、燃費が悪く、兵站への負担も増加する。

 新米国安全保障センターのアナリスト、ジェフリー・エドモンズ氏は「(搭乗員よりも)整備員の訓練の方がはるかに難しい」と指摘。コリン・カール国防次官(政策担当)も「燃費はリッター140メートルほどだと思う。維持は容易ではない」と述べている。

 ドイツ国防省は、レオパルト2の配備は3月末までに可能としている。

 同時期に米国が供与を決めている装甲車ストライカー90台と歩兵戦闘車ブラッドレー59台の一部がウクライナに到着する。火力では戦車に劣るが、機動力が高く、歩兵の迅速な移動などでの支援が可能だ。

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