米下院特別委が米国内の「中国秘密警察署」を取り締まりへ
By Ryan Lovelace – The Washington Times – Monday, April 24, 2023
米下院で新設された中国に関する特別委員会は、中国政府が反体制派や在外中国人を監視するために米国内で運営している疑いのある秘密の「警察署」を取り締まる法案を準備していることを、委員長のマイク・ギャラガー議員が明かした。
中国はこうした警察署の存在を強く否定している。だが、米政府当局者によると、中国政府は米国に住む反政府派に対するスパイを含めさまざまな活動にこの秘密工作を用いているという。カナダやオーストラリア、欧州のほか、反体制派の中国人が多く住む国々の政府は、こうした拠点を取り締まっている。
ギャラガー氏はワシントン・タイムズ紙の週末のインタビューで、議員たちは国境を越えた弾圧に対する罰則を強化し、連邦捜査局(FBI)に作戦強化を促す方法を研究していると語った。
ニューヨークで先週、マンハッタンのチャイナタウンにあるラーメン店で中国政府の警察署を運営していた容疑で2人の男が逮捕されたことを受け、「米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会」は、対策を講じている。
FBIが逮捕したのは、米国籍の「ハリー」こと盧建旺(61)、陳金平(59)両容疑者。
この事件は、米国における中国政府の秘密工作の範囲について懸念を抱かせるものだ。
中国政府は米国内にさらに6カ所もの違法警察署を設置している可能性があると、人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は指摘している。
米司法省は先週、別件で中国公安部の職員34人を起訴した。ニューヨーク地域や米国各地に住む中国人に嫌がらせをするプログラムを運営していたとして、米当局が告訴したのだ。
両事件の具体的な関連性は明らかになっていない。
ギャラガー氏によると、FBIは数週間前、米国内の外国警察署の問題について議員たちに説明したという。ウィスコンシン州選出の共和党議員である同氏は、その説明が不十分だったと不満を表した。
ギャラガー氏は、外国警察と戦い、FBIに行動を促すため、既存の法律に違反した場合の罰則を強化するオプションを検討していると述べた。
「現在、米国の法律にある2種類の犯罪の罰則を強化することで、FBIにより真剣に取り組ませることができ、抑止効果も期待できる」。ギャラガー氏はワシントン・タイムズにこう指摘した上で、「中国人がこのようなことをしなくなるだろう」と話した。
ギャラガー氏によると、この犯罪は、海外敵対勢力のために権利を抑圧する国を越えた嫌がらせであり、海外敵対勢力のために警察活動を行いながら米国で外国代理人登録をしていないことに関係している。
外国代理人登録法は、外国の指示で米国の政治に関与する者たちを特定・登録するためのものだ。ギャラガー氏は、この法律は抜け穴だらけだと指摘した。
ギャラガー氏は以前、中国のビジネスエージェントに米国政府への登録を義務付ける法案を提出した。この法案はまた、非政治的活動にのみ従事している外国代理人に適用される免除を廃止するとしている。
マドリードに拠点を置くセーフガード・ディフェンダーズは昨年、世界各地で50以上の警察署を確認し、中国政府がカリフォルニア、ミネソタ、ネブラスカ、テキサス各州に警察署を設置したとニューヨーク・ポスト紙に明かした。