無人艇で潜水艦戦能力向上を 水中防衛能力高める中露-シンクタンク

(2023年6月11日)

米海軍提供の写真で、バージニア級高速攻撃型潜水艦USSミズーリ(SSN780)は、第7艦隊の責任範囲に予定されている展開のために、ジョイントベース・パールハーバー・ヒッカムを出発する(2021年9月1日撮影)。オーストラリアは、インド太平洋地域における中国の影響力に対する懸念が高まる中、艦隊の近代化のために米国製のバージニア級原子力攻撃型潜水艦を購入すると、欧州当局者とこの問題に詳しい人物が2023年3月9日(木)に明らかにした。(Amanda R. Gray/U.S. Navy via AP, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, June 8, 2023

 米シンクタンク、ハドソン研究所が戦略潜水艦に関する報告書を公表、中国とロシアが水中での戦闘・防衛能力を向上させているため、台湾海峡での紛争の抑止、敵国の潜水艦の追跡という米国の核搭載潜水艦が担う主要任務の遂行が困難になると指摘した。

 米軍は長年、潜水艦によって敵国に対し戦略的優位を保ってきた。一方、中露軍は近年、南シナ海、東シナ海、北極海での水中防衛能力の強化に取り組んできた。

 これらの軍事拠点には、潜水艦を発見、追跡するための固定式・移動式センサーのネットワークが張り巡らされている。さらにこれらのセンサーは航空機と艦艇によって補強され、「通信を捉えたり、機雷を設置したりする」ことが可能になっているという。

 中国は現在、南シナ海、台湾近海でさまざまな監視ネットワークを構築し、潜水艦を発見、監視している。そのため米海軍は、攻撃型潜水艦を有効に使い、優位性を維持するには、これらの水中防衛能力を抑止し、破壊するシステムで潜水艦を支援する必要がある。

 報告は、そのためには水中で音を出さないことよりも、音を利用することを海軍に呼び掛けた。

 「これによって、米国の潜水艦の活動の枠組みを『単独行動、(攻撃を受ける)恐れがない』から『連携』にシフトする。さらに、新世代の長距離アクティブソナーの出現で、米国の水中戦力は、妨害、欺瞞の能力を強め、敵のセンサーに対抗することが可能になる。これは水上ですでに行われていることだ」

 最新技術を盛り込んだこの新システムは、5年で配備が可能で、水中での敵の防衛能力に対抗できるようになる。短距離、長距離の水中艇を使って、センサーの位置を把握し、脅威を特定し、妨害し、おとりとなり、システムを破壊する。

 これが、攻撃型潜水艦にとって今後の作戦の鍵となる可能性がある。

 報告の作成に参加したブライアン・クラーク上級研究員は、「ここで重要なのは、米国の潜水艦が敵国の海域で勝利するには、音が大きい、無人のシステムで構成するチームを使用する必要があるということだ」と指摘した。

 海軍は現在、ロサンゼルス級高速攻撃型潜水艦29隻、シーウルフ級攻撃型潜水艦3隻、バージニア級攻撃型潜水艦19隻を運用している。いずれも原子力潜水艦で、探知や追跡が困難な非常に静かな推進システムで運用されている。

 また、海軍はSSN(Ⅹ)と呼ばれる次世代攻撃型潜水艦の開発に取り組んでおり、報告で提唱された技術の多くが盛り込まれる予定だ。

 報告では、敵国のセンサーに対抗するために、無人の航空機と水中艇を使用し、米国の攻撃型潜水艦を他の任務に当たることができるようにすることを求めている。

 無人機・艇には、海軍の新しいハイテク機雷「ハンマーヘッド」や、空から投下し、航行する「クイックストライク」などが搭載される可能性がある。

 報告はまた、より長距離の魚雷と海上攻撃用トマホークミサイルを配備することを提唱した。これによって、海底防衛線が密集している地域外で潜水艦が敵艦を攻撃することが可能になる。

 報告は、「潜水艦はクラウンジュエル(重要資産)であり、中国やロシアのような敵対国に対する作戦で決定的な効果をもたらすことが期待されている。しかし、音や現場での連携を攻撃作戦に使い始めない限り、米潜水艦部隊は、将来の対立が最も起こりそうな海域で拒否されるか、単に無力化される可能性がある」としている。

2025年7月28日、中国・上海で開催された世界人工知能会議で展示されたファーウェイのAtlas 900 A3 SuperPoDの前を、来場者が通り過ぎる。(Chinatopix提供、AP通信経由)

中国、世界の通信インフラ支配を拡大 元米NSA長官が警告

(2026年10月11日)
2023年5月7日、台湾・台北の国立孫文記念館にある台北101ビル付近で、台湾の国旗がはためいている。(AP通信/Chiang Ying-ying撮影)

中国、台湾への「グレーゾーン」戦強化 通信網攻撃想定し米シンクタンクが机上演習

(2026年10月08日)
トランプ大統領(中央右)が中国の習近平国家主席と握手を交わす。メラニア・トランプ夫人(右)と彭麗媛夫人(左)が見守る中、2026年9月25日(金)、ワシントンD.C.の国立公文書館に到着した。(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

米中会談、台湾を交渉材料と見るトランプ氏に専門家懸念 武器供与はG20後か

(2026年10月06日)
第65機械化旅団報道部が提供したこの写真には、2026年9月19日(土)、ウクライナのザポリージャ州で、ウクライナ兵がロシア軍陣地に向けてFPVドローンを発射する準備をしている様子が写っている。(アンドリー・アンドリエンコ/ウクライナ第65機械化旅団提供、AP通信経由)

ウクライナの教訓 兵器の調達・製造プロセス見直し迫られる米

(2026年10月05日)
中国の習近平国家主席とアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領のイラスト(リナス・ガーシス/ワシントン・タイムズ)

トランプ・習会談、華やかな演出の裏に厳しい現実 米ハドソン研究所中国センター所長 マイルズ・ユー

(2026年10月03日)
2026年9月8日火曜日、ワシントンD.C.のペンタゴンを上空から撮影(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

防衛技術ブームに陰り 企業統廃合が拡大か 中間選挙、資金調達がピーク

(2026年10月02日)
ドナルド・トランプ大統領(左)は、2025年8月25日、ワシントンD.C.のホワイトハウスに到着した韓国の李在明大統領を出迎えた。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影、資料写真)

米シンクタンク、アジアでの同盟縮小を提唱 「中国に戦略的利益」と反論も

(2026年10月01日)
ドナルド・トランプ大統領、メラニア・トランプ夫人、中国の習近平国家主席夫妻、そして米国国立公文書館長のブラッドフォード・ウィルソン氏が、2026年9月25日(金)、ワシントンD.C.の国立公文書館で、憲法、権利章典、その他の文書を閲覧している。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

トランプ氏、習氏と国立公文書館訪問 独立宣言・権利章典を視察

(2026年09月30日)
2014年8月14日に撮影されたこの写真には、ワシントン州ブレマートンのピュージェット・サウンド海軍造船所の埠頭に停泊する空母「USSレンジャー」が写っている。退役したこの空母は、木曜日にワシントン州ブレマートンからテキサス州ブラウンズビルのインターナショナル・シップブレイキング社まで曳航される予定だ。(AP通信写真/キトサップ・サン紙、ラリー・スティガール)

海軍原子力造船所の近代化に遅れ、かさむコスト-政府監査院報告

(2026年09月29日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2026年9月8日火曜日、リトアニアの首都ビリニュスにある外務省で、オランダのトム・ベレンセン外相との会談後に行われた記者会見で発言した。(AP通信/ミンダウガス・クルビス撮影)

ロシアが欧州に「グレーゾーン」攻撃、強まるNATOの結束 リトアニア外相

(2026年09月27日)
→その他のニュース