リベラルな米女子サッカー代表の早期敗退に嘲笑の声
By Matthew Paras – The Washington Times – Monday, August 7, 2023
女子サッカーワールドカップ(W杯)の前回大会優勝国である米代表チームが予想に反して早期敗退したことは、米国民の間で同情だけでなく、嘲笑も引き出しているようだ。米女子代表と歯に衣(きぬ)着せずに物を言うスター選手、メーガン・ラピノー選手が6日、スウェーデンに敗れた。
ラピノー選手と米代表チームが大会史上最も早いベスト16で敗退したことを受け、ソーシャルメディア上では、がっかりな「ウォーク(差別などに敏感なこと)」な連中、と揶揄(やゆ)された。ラピノー選手を筆頭にチームの選手数人がW杯で国歌斉唱を拒否し、激しい批判を浴びた。
ラピノー選手は米代表選手としての立場を左翼運動の足場として利用してきた。国歌斉唱時に膝をつき、米国の人種差別に抗議し、最高裁が中絶の権利を覆したことを非難し、トランスジェンダー選手を女子スポーツから締め出す法律を「とんでもない」と批判した。
おそらく最も注目を集めたのは、ドナルド・トランプ前米大統領やその支持者たちと公然と対立したことだ。
ラピノー選手は2019年のW杯期間中、チームが優勝の祝賀に招待されても、ホワイトハウスとトランプ氏への訪問を拒否すると発言し、波紋を呼んだ。米女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)の元スター選手、スー・バードさんと婚約しているレズビアンのラピノー選手は、トランプ氏の言動が「私のような人々を排除している」と主張した。
トランプ氏は6日、自身の「トゥルース・ソーシャル」のアカウントで、米チームがPK戦を5対4で敗れることになったラピノー選手のPK失敗を嘲笑した。
「米女子サッカーチームがスウェーデンに喫した『衝撃的で全く予期せぬ』敗戦は、『ゆがんだジョー・バイデン』の下でかつて偉大だったこの国に何が起きているかを完全に象徴するものだ」。トランプ氏はこう書き込んだ。
トランプ氏の投稿は、米女子代表チームの言動と早期敗退を非難する人々の大合唱と呼応した。
米スポーツメディア「アウトキック」のクレイ・トラビス氏は、米女子代表チームを「うぬぼれている」と呼び、これほど早く敗退したのが「男子チーム」なら、メディアで「完全に抹殺される」とツイートした。
コメンテーターのピアーズ・モーガン氏は、「この『活動家』プリマドンナたち以上に国家に誇りを感じさせない米国のスポーツチームは想像し難い」と指摘した。
トーク番組司会者のメーギン・ケリー氏は先週、ラピノー選手について「自分たちがプレーする国家への反感をチーム全体に蔓延(まんえん)させた」と述べた。
W杯で2度の優勝を誇る38歳のラピノー選手は先月、今年いっぱいでサッカー界から引退する予定であることを発表した。
ラピノー選手は6日、5年ぶりにPKを外したことについて、笑い声を上げながら「ダークコメディー」と報道陣に表現した。PK戦で外した3選手の中の1人であるラピノー選手は、自身の失敗について「あまりに悪趣味なジョーク」のようだと述べた。
記者会見中、涙ぐむラピノー選手は、自身のキャリアで最も記憶に残る瞬間について尋ねられた際、2019年のW杯で「男女同一賃金」のコールを聞けたことを誇りに思うと語った。ラピノー選手は何年も前から女子代表選手の給料を男子代表選手と同等に引き上げることを要求。女子チームは22年、米国サッカー連盟から未払い賃金として2400万㌦の和解金を受け取った。