ジョージアの茶番劇
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, August 17, 2023
民主党議員たちは、またしても左翼検察官がドナルド・トランプ前大統領を刑事告発したことに大喜びしている。彼らは、このことが米国の政治体制にもたらすことについて、後悔するようになるかもしれない。
民主党は、収監された対立候補に容易に勝てるという見通しに目がくらみ、自らの戦略を始動させた98ページに及ぶ粗雑な起訴状を読む者はほとんどいないだろうと確信している。
民主党のフルトン郡地方検事ファニ・T・ウィリス氏は、トランプ氏とそのスタッフが、「虚偽の陳述や記述を含むが、これに限定されない犯罪行為」に関与したとし、「ジョージア州から正当に選出され、資格を有する大統領選挙人が投じた合法的な選挙人票を拒否するようジョージア州議員を説得」しようとしたと告発した。
起訴状は、トランプ氏の最初の共謀行為は「偽って勝利を宣言し、選挙の不正を主張した」ことだと主張している。
虚偽の勝利宣言や不正選挙の主張は米国政治の伝統だ。ジョージア州のステイシー・エイブラムス氏(民主党)は、2018年の州知事選での敗北を否定する一方で、投票過程における数々の不正を主張した。
突然、不正を主張することが犯罪行為に発展し、トランプ氏は州議会の公聴会について重罪に当たるツイートを数回送ったとして訴えられている。
「ワオ!」とトランプ氏はツイートした。「ジョージア州では今、衝撃的な証言が行われている。共和党員が大きな集計室から退出させられた時、民主党によって不正投票が行われた」
起訴状の中心的な訴えは、これらのツイートが、ジョージア州の代替選挙人の票を選挙人団に送るための奇策の一部だったというものだ。この件に関してはより多くのことが今後数カ月で明らかになるだろうが、このような取り組みは米国にとって何の脅威にもならない。
トランプ氏の敵対勢力は2016年、彼ら自身の選挙人の裏切り計画を練り、幾つかの州の選挙人に圧力をかけ、トランプ氏以外に選挙人を投票させるキャンペーンを展開した。
この種の陰謀は、米国そのものと同じくらい古くからあるものだ。米国の抑制と均衡のシステムは、選挙人団がこうした誤った企てに対抗できることを保証している。例えば連邦法では、各州は選挙人の有効性を証明する証明書を提出することが義務付けられている。
2020年の選挙で提出された代替選挙人の票は、州の印章が押されておらず、政府文書であることをうたっていなかった。ペンシルベニア州で提出された代替選挙人の票には、「上訴できない最終的な裁判所命令または法律で規定されたその他の手続きの結果、最終的にわれわれが選挙で勝利したと認められた場合」に使用されるという但(ただ)し書きが含まれていた。
民主党の言い分は、ジョージア州での但し書きの記載漏れに拠(よ)っており、あまりに空虚である。
仮にそうでなかったとしても、選挙で選ばれた上・下院議員は、選挙の有効性を最終的に判断する立場にある。その義務は、選挙人について問題となった際に何度も果たされてきた。
米国は2世紀以上にわたり選挙後の不平不満や騒動を生き延びてきた。だが、一方が選挙前に対立する有力候補を投獄しようとする試みに耐えられるかどうかは、まだ分からない。