民主党は弾劾調査のハードルを下げたことを後悔する
By Editorial Board – The Washington Times – Monday, September 18, 2023
民主党は、バイデン大統領のような清廉潔白な人物に対して弾劾調査を開始する正当な理由がないと下院共和党に訴えている。
「彼らは重大な犯罪や非違行為という高いハードルに近づき始めてすらいない」。民主党のジェロルド・ナドラー下院議員(ニューヨーク州選出)は先週の声明でこう述べた。
かつて下院司法委員会を率いていたナドラー氏は、ドナルド・トランプ前大統領がウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と交わした電話を巡って弾劾訴追を行った際、そのハードルを大幅に引き下げた。
ナドラー氏が誤っているのは、下院共和党が 「重大な犯罪や非違行為」を立証する必要はないという点だ。憲法第2条第4節によれば、収賄罪だけでも大統領や副大統領を罷免する十分な理由になる。今日まで積み重ねられてきた証拠によれば、バイデン一家による斡旋収賄疑惑はそれに該当する十分な理由がある。
バイデン氏擁護派から予想される反応は、副大統領としての彼の行動は、不適切であったとはいえ連邦法に基づく贈収賄の複雑な基準を満たさないというものだろう。
「トランプを捕まえろ」という過去の民主党の熱意が仇となるのはここだ。
ナドラー氏が議長を務めた2019年に弾劾審問において、スタンフォード大学ロースクールのパメラ・カーラン教授がハーバード大学のノア・フェルドマン教授と共に、憲法上の文脈において収賄罪はより広範なコモンローの定義を用いることを主張した。
「憲法起草者たちが憲法を書いた1789年当時、刑法は存在しなかった」とカーラン氏は述べた。「だから、憲法に収賄罪で大統領を罷免できると書いてあるのは、法令を参照したわけではない」
フェルドマン氏は、「収賄罪は、憲法起草者にとって明確な意味を持っていた」と説明した。「大統領がその職権を行使して、公権力の影響を受ける人物から個人的な価値のあるものを要求したり、受け取ったりする」ことだ。
当時、民主党はこのより広範な解釈に基づいてトランプ氏に収賄容疑をかけるつもりだった。しかし、収賄を立証することはできず、「職権乱用」や「議会妨害」という曖昧な容疑に頼った。
今日、カーラン氏とフェルドマン氏が提唱する定義は、バイデン氏が副大統領として行った、ハンター・バイデン氏の企業や関係者の利益を促進する行為により容易に当てはまる。
豊富な例のうちの幾つかを挙げる。ハンター氏のビジネスを宣伝するために副大統領専用機を使用したこと、ハンター氏に14万2千㌦を提供したカザフスタンの実業家とバイデン氏がカフェ・ミラノで会食をしたこと、ロシアのオリガルヒ、エレーナ・バトゥーリナ氏がハンター氏の所有する会社に350万㌦を提供した後、連邦政府は彼女が制裁を免れることを許したことなどだ。
ウクライナがハンター氏を雇った会社を捜査している検察官を解任しない限り、ウクライナへの援助を差し控えるというバイデン氏の脅しもある。
これらは確かに、個人的な価値を得るために公権力を行使したと解釈され得る。
下院委員会がバイデン氏の行動とその家族とのつながりについて新たな証拠を集めるにつれ、民主党は連邦贈収賄法の規定に大きく依存する可能性が高い。
共和党はその手に乗るべきではない。すべきことは、2019年の民主党による弾劾訴追の映像を再生することだけだ。