米国の弱腰の外交政策がイスラエルの惨状を招く

(2023年10月20日)

2023年10月8日月曜日、イスラエル南部アシュケロンで、ガザ地区から発射されたロケット弾が直撃した現場で消火活動を行うイスラエルの消防士。(AP Photo/Tsafrir Abayov)

By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, October 12, 2023

 7日朝、1500人以上のイスラム過激派がイスラエル国境を越えて押し寄せ、無防備に音楽祭を楽しんでいた人々や静かな田舎町の住民に苦しみと死をもたらした。この卑劣な攻撃の残忍さは世界に衝撃を与えた。

 12月にイエメンで放映されたビデオの中で、ハマスの創設者の一人であるマフムード・アル・ザハル氏は、自らの組織の目標は、イスラエルによるパレスチナ人の扱いに対する報復を与えることだけにとどまらないと説明した。

 中東研究所の翻訳によれば、同氏は「われわれは自分たちの土地を解放することだけを論じているのではない」と語った。彼は「シオニズムも、裏切り者のキリスト教も」存在を許されない世界について語っている。

 この紛争によって、すでに少なくとも25人の米国市民の命が奪われ、さらに数人が人質としてガザに拘束されている可能性がある。

 バイデン政権当局は、カタール政府にハマスとの仲介役を依頼し、人質の解放を交渉している。ハマスの指導者のうち数人はカタールの首都ドーハに住んでいるからだ。

 この事実は、この規模の作戦を成功させるために必要な多額の資金が、少なくとも一部はカタールで調達され、イランからも調達されたと考える理由のひとつだ。

 言うまでもなく、イスラム共和国であるイランは、民主党政権からの多額の利益供与を受けている。

 バラク・オバマ大統領(当時)は2016年に米国の人質返還と引き換えに17億㌦の現金を提供し、続いてバイデン大統領も最近、イランの資産60億㌦の凍結を解除した。

 後者の資金は、イランが今後数十年にわたってテロリズムの促進に耽溺するために必要な財政的自由を与えることになる。

 ハマスの戦闘員たちは、米国製の装備にアップグレードさえしている。襲撃者たちは、米国製のM4カービンやM16ライフル、つまり民間人には手に入らない本格的な攻撃兵器を手にしているところを写真に撮られた。これらは、バイデン政権が不可解にもアフガニスタンのタリバンに残したライフルと弾薬の山からもたらされたか、ウクライナから調達されたものである。

 民主党政権の宥和政策を批判する人々は、西側社会の敵が増長すると一貫して警告してきたのだが、その通りになってしまった。イスラエルの報復を鈍らせるために人間の盾として誘拐された150人以上のイスラエル人がその代償を払っている。

 事態は急速に進展しているが、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルの国境を越えて紛争を拡大しかねないような激しい報復を行おうとする本能を抑制し続けるべきである。ハマスと、この陰謀に直接関与した国境外の個人を戦略的に解体することが目的であるべきだ。

 この襲撃事件で不意を突かれたイスラエルの諜報機関にとって、これは難しい注文だ。イスラエルが国境警備を重視していることを考えると、今回の事態は由々しきことである。

 米国のスパイもまた、この陰謀に気が付かなかった。だとすると、民主党の有権者層を拡大するという卑劣な目的のために、国境を広く開放している米国にすでにどれだけのテロリストが潜入しているのか、彼らにはまったく見当がつかないということだ。

 連邦捜査局(FBI)は国内での模倣攻撃の可能性を警戒する代わりに、3年近く前に連邦議会議事堂で抗議したトランプ支持者を一網打尽にすることに執着している。それは、やめるべきだ。

 この襲撃で失われた罪のない人々の冥福を祈る。この世界的な脅威を前にして、米政府関係者は自らの犯した過ちを認識し、このようなことが米国本土で決して起こらないよう行動を起こすべきだ。

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