トランス競泳選手が女子記録更新、反発強まる
By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, November 22, 2023
トランスジェンダーの選手が学生競泳で優勝し、大会記録を塗り替えたことで、全米大学体育協会(NCAA)に女子スポーツの公平性を確保するよう求める声が改めて強まった。
この選手は、メーガン・コルテスフィールズさん。ニュージャージー州ラマポ大学の4年生で、これまで男子チームで3年間泳いでいた。18日にペンシルベニア州ダラスで開催されたクーガースプラッシュ・インビテーショナルで、100ヤードバタフライの57秒22の学校記録を更新した。
コルテスフィールズさんは200ヤード個人メドレーでも2分12秒05で優勝。その4日前、ニュージャージー州ウェインで開催されたウィリアム・パターソン大学との試合では、100バタフライ、200メドレーリレーで優勝した。
独立女子スポーツ評議会(ICONS)は、コルテスフィールズさんが「記録リストから女性の名前を消した」と述べ、NCAA会長のチャーリー・ベーカーを名指しで、「これはあなたが監督すべきことだ」と非難した。
NCAA male swimmer, Meg Cortez-Fields at Ramapo College, NJ, switched to the women's team, using their locker room & sharing hotel rooms with female teammates this season.
He won 2 women's events & erased a woman's name from the record books in Dallas, PA this weekend. @NCAA… https://t.co/L3QogY4vf0 pic.twitter.com/8qSqsOVNMX
— ICONS (@icons_women) November 20, 2023
The NCAA was dead wrong to force female athletes like @Riley_Gaines_ to share a locker room with biological men. The NCAA should apologize to female athletes – and stop forcing women to stand by while men take over their sports pic.twitter.com/pStzlK09fR
— Josh Hawley (@HawleyMO) October 18, 2023
ケンタッキー大学の元全米代表競泳選手で、女子スポーツへのトランスジェンダー選手の参加に反対しているライリー・ゲインズさんは、ラマポ大学のスター選手コルテスフィールズさんを、2022年のディビジョン1女子水泳選手権でタイトルを獲得したトランスジェンダー選手、リア・トーマスになぞらえた。
ゲインズさんとトーマスさんは200ヤード自由形でともに5位となったが、NCAA職員はトロフィーをトーマスさんに渡して表彰台の写真を撮り、ゲインズさんにはレプリカを郵送した。
ゲインズさんはX(旧ツイッター)に「ニュージャージー州のラマポ大学の競泳選手が、普通の男子競泳選手から、女子競泳選手と競い合う記録破りの選手になった。こんなことが以前にもあったような」と投稿した。
ニュージャージー州マーワにある公立の教養大学であるラマポ大は、NCAAのディビジョン3に属している。ディビジョン3はレベルが低いとみなされ、奨学金を得ることもできない。
ゲインズさんは、コルテスフィールズさんの記録樹立は、男子の部ではまず無理だっただろうと指摘。
FOXニュースで、「競泳選手として、このタイムの意味を説明したい。男子の100ヤードバタフライで57秒というのは、言葉は悪いがお粗末と言うしかない。決してレベルは高くない」と述べた。
ゲインズさんは、男性生まれの選手が性自認に基づいて女性と競争することを認める政策は「女子に悪影響しか与えない」と述べた。
テニス界の大御所、マルチナ・ナブラチロワさんもXで「女性が男性のスポーツ界に入り、記録を塗り替えるような存在になることはない。これは一方通行でしかない」と語っている。
Transgender male swimmer breaks WOMENS record after transferring from the men’s team and going on to win 1st place.
Meghan Cortez-Fields smashed Ramapo College's record for the 100 yard butterfly with a time of 57.22 which earned him 1st place.
He also scooped the top spot in… pic.twitter.com/UpmpWMSEht
— Oli London (@OliLondonTV) November 22, 2023
コルテスフィールズさんは、このような反発があることについて公にはコメントしていないが、昨年、大学新聞のインタビューで、トーマスさんはインスピレーションを与えてくれたと語っている。
トーマスさんは男子チームで3年間泳いだ後、2022年にペンシルバニア大学の4年生として女子記録を更新し、多様性と公平性をめぐる議論が国際的なスポットライトを浴びるきっかけとなった。
コルテスフィールズさんはラマポ・ニュース紙に対し、「(トーマスさんは)そういう意味で私にインスピレーションを与えてくれる存在だが、同時に、彼女が経験したことをよく理解しているので、とても気の毒に思っている。今シーズンに入るときでさえ、私は勝つことに恐れを感じていた」と語った。
ラマポ大は、コルテスフィールズさんの記録樹立を祝福するインスタグラムの投稿を削除したことで批判を浴びたが、大学側は、「侮辱するコメント」が寄せられるのを避けるためにある学生が削除したと述べた。
ラマポ大の広報担当ブリタニー・ウィリアムズゴールドスタイン氏は22日の声明で、「ラマポ大はすべての学生アスリートをサポートしている」と述べた。
ワシントン・タイムズへの電子メールで「NCAA加盟校として、ラマポ大学アスレチックスは、NCAAトランスジェンダー学生アスリート参加規定を含む、すべてのNCAA方針に従っている。メーガンさんの偉業に関する当初のソーシャルメディアへの投稿は、その投稿に対する侮辱的なコメントからチームメイトを守ろうとした仲間によって削除された。大学はその仲間の決断を支持する」と主張した。
さらに「当校は、全大会のチームおよび学生アスリート個人の業績を、当校の陸上競技のウェブサイトに掲載し続けている。当校は、注目を浴びているメーガンさんとチームメイトが、世間からの非難に対処するために必要なリソースと支援があるかどうかを確認している。この出来事の核心には、人、チーム、コミュニティー、広範な公共政策があることを改めて確認しておかねばならない」と訴えた。
トーマスさんの騒動を受けてNCAAは、トランスジェンダー選手参加資格を改定し、各スポーツの国内統括団体に委ねることを選択した。現在段階的に実施されている変更は、2024-25年度から完全に実施される予定だ。
ラマポ大学の次回の競泳大会は12月8日、ニュージャージー州のモントクレア州立大学で予定されている。