「強風と高波」台湾選挙で中国に逆風
By Andrew Salmon – The Washington Times – Sunday, January 14, 2024
【台北】台湾で最も反中国の政党が13日の総統選に勝利し、歴史的な3期連続の任期を獲得した。中国にとっては逆風だ。
中国の脅威に対抗しているのは台湾だけではない。米国の同盟国、フィリピン、韓国、日本は、東アジア全体で高まる中国の脅威に抵抗している。
総統選で大きな敗北感を味わったにもかかわらず、支配政党の中国共産党は方針を変えていない。民主的な台湾の支配権を主張する中国の決意は極めて堅固なままだ。
だが、頼清徳次期総統と彼の民進党(DPP)にとってすべてがばら色というわけではない。同党は総統選には勝利したものの、立法院では過半数を割った。それは長期にわたる政治的内紛を意味し、中国に新たな隙を与える可能性がある。
結果は親中の国民党(KMT)にとってさらに悪く見える。3期連続の敗北はかつて優勢だった党の存続にもかかわる問題だ。
台湾のシンクタンク、遠景基金会の頼怡忠会長は台北で外国人記者向けに実施した午前の会見で、DPPの蔡英文総統が2期8年を務めた後の頼氏の勝利は「明らかに民主主義の勝利であり、現状維持への支持」だと語った。
頼氏は、DPPが中国の「激しい選挙介入」と台湾の総統制に対する慣習的な「2期制限」の二つの障害を克服し、「3期目を勝ち取った。これは与党・民進党にとって初めてのことだ」と述べた。
新総統と、もはや総統の支配下にない新立法府の組み合わせを巡って中国で新たな言葉が生まれた。
台湾の国立政治大学のアーサー・ディン名誉教授は会見で「『強風と高波』という新しい言葉で、今後4年間のシナリオを描いてみたい」と述べた。
専門家は今後二つのイベントが両岸の緊張をさらに高めると予想している。
一つはバイデン政権が台湾へ派遣した米国代表団の到着である。地元の報道によると、代表団は14日夜遅くに到着し、翌日には頼氏に会う。
二つ目は、中国にとってそれ以上に大きなストレスの原因になるであろう、頼氏の5月20日の就任である。
日本、フィリピン、韓国、米国の民主主義国の指導者らは頼氏を祝福した。中国の主要日刊紙の1面に掲載された中国国務院台湾事務弁公室の声明は論調が異なった。
声明は「今回の台湾での二つの選挙の結果は、DPPが台湾の主流の世論を代表できないことを示している」としている。これは明らかにDPPが立法院で過半数割れしたことを指している。
声明は「台湾は中国の台湾であり、台湾問題の解決と国家統一の達成に関する我々の立場は一貫しており、我々の意思は堅固だ」と述べた。