中国人AI科学者に助成金 米議会が調査

(2024年1月24日)

2023年7月8日、北京の釣魚台迎賓館で行われたイエレン財務長官と何力峰副首相の会談の前に掲げられた米国と中国の国旗。中国は2023年10月25日(水)、中国の軍事力増強に関する国防総省の報告書に対し、米国は「地域の平和と安定の最大の破壊者」だと痛烈に反論した。(AP Photo/Mark Schiefelbein, Pool, File)。

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Monday, January 22, 2024

 米国でトップクラスの中国人人工知能(AI)科学者が数千万ドルの連邦政府助成金を受け、その後中国に帰国して共産党政権のもとで研究を行っていることについて、議会からその経緯の解明を求める動きが出ている。

 下院中国共産党特別委員会のマイク・ギャラガー委員長(共和)と下院エネルギー・商業委員会のキャシー・マクモリス・ロジャーズ委員長(共和)によると、朱松純氏(55)は2020年9月にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)から中国に戻る前に、米政府から約3000万ドルの助成金を受け取っていた。朱氏のウェブサイトによると、同氏は2020年以降、北京通用人工智能研究院(BIGAI)を指揮し、北京の二つの大学に付属するAI研究所を率いている。

 両氏は、国防総省と全米科学財団(NSF)が朱氏について何を知っていたのか、受け取った公的資金で何をしたのかを解明したいと述べた。

 両氏は、朱氏が海外で活躍する世界トップクラスの中国出身科学者を帰国させることを目的とした中国人材獲得計画に参加していたことについて警告が出されていたのかどうかの調査を主導している。今月初め、国防総省、NSF、UCLAに書簡を送り、資金提供ついての詳細な情報の提出を求めた。

 「米政府機関は、朱氏に3000万ドルの助成金を与える一方で、いくつかの懸念すべき兆候を無視している。例えば2010年、朱氏は中国共産党が運営する人材獲得のための『千人計画』のメンバーに任命された」

 朱氏が中国に帰国しても、米国からの助成金は終わらなかった。書簡によれば、海軍研究局(ONR)は、朱氏が去った翌年の2021年に、同氏がかつて率いていた計画に二つの助成金、120万ドルを供与した。

 中国での朱氏のAI研究は非常に野心的だ。ジョージタウン大学安全保障・新興技術センターによると、BIGAIは、グーグルやオープンAIが構築したような大規模言語モデル(LLM)ではなく、教えられていないタスクを達成できる高度なAIシステムの開発に焦点を当てているという。

 中国政府はAIを、21世紀の最新技術の一つと位置づけ、今後数十年でこの技術を支配することを目指している。朱氏は1996年にハーバード大学でコンピューター科学の博士号を取得する傍ら、AIの新しい分野の研究を行った。

 BIGAIは総合的なAIの研究を行っており、人間のような推論能力を用いて、自ら学習するソフトウエアの作成を研究している。2023年5月のジョージタウン大学のリポートによると、朱氏は中国のAI研究・開発への取り組みを見直すことを望んでいるという。

 リポートは「朱氏は、中国は『コート全体でバスケットボールを追いかける』のをやめるべきだと主張している。つまり、外国のやり方をまねるのはやめるべきだということだ。技術の手法は変化するため、外国のまねをしていては競争で負けると朱氏は考えている。つまり、中国は『“ビッグデータ、大規模な計算能力、大規模モデル”を特徴とする現在のAIのトレンドに盲目的に追従するのではなく』、むしろ『強い戦略的決意をもって、科学研究とイノベーションの独自の道を探求する新たな道を見いだすべきだ』ということだ」としている。

 朱氏によれば、このような変化を起こし、AI競争に勝つことは非常に重要だという。ギャラガー、ロジャーズ両氏によれば、朱氏はこのような技術のAI競争に勝つことは、軍事で原爆開発競争に勝つことに匹敵するくらい重要なことと考えているという。

 朱氏はBIGAIの人材を獲得するために、国外で訓練を受けた科学者を採用しようとしていた。2023年5月のジョージタウン大学の報告書によると、BIGAIには30人以上の科学者が採用され、その多くはUCLAの朱氏のチーム出身だという。

 ジョージタウン大学によると、カリフォルニア大学の研究者らは、BIGAIの研究者と研究論文の共同作成を続けているという。BIGAIは22日、英語版ウェブサイトに25人の求人情報を掲載した。

 UCLAは、朱氏に関する調査についてコメントを求めたが、返答はなかった。

 NSFは取材に対し、議員からの書簡を受け取ったと答えた。NSFの研究セキュリティー戦略・政策担当チーフ、レベッカ・カイザー氏は、NSFは法律で義務付けられている通り、米国の敵対国による人材募集計画への対策の導入に取り組んでいると述べた。

 「NSFの研究セキュリティー分析によって、公表されていない人材募集計画のメンバーを特定することができる。NSFは監察総監室と緊密に連携し、これらの公表されていない人材の情報に対処している」

 国防総省は取材に応じず、議員に直接回答すると述べた。

2026年2月12日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で、ウクライナ防衛連絡グループの会合開始を待つエルブリッジ・コルビー米国防次官(政策担当)。(AP通信/ゲールト・ヴァンデン・ワインガート撮影)

米国防当局者、中国への「現実主義」政策を提示 静かな外交、抑止力を強化

(2026年08月14日)
2026年7月24日、カリフォルニア州フォート・アーウィンにて、プロジェクト・コンバージェンス・キャップストーン6の一環として、第4歩兵師団第3機甲旅団戦闘団第8歩兵連隊第1大隊ブラボー中隊に所属する兵士たちが、エンドユーザー端末の設置計画を立てている。(米陸軍撮影:ジョナサン・レイエス特技兵、DVIDShub経由)

AIで戦場を一元管理 米陸軍、同盟国と大規模演習

(2026年08月10日)
第93ホロドニー・ヤール独立機械化旅団の報道部が提供したこの写真では、兵士たちが2026年8月4日火曜日、ウクライナのドネツク州クラマトルスク前線都市付近のロシア軍陣地に向けて、多連装ロケットシステムBM-21「グラード」を発射する準備をしている。(イリーナ・リバコワ/ウクライナ第93機械化旅団提供、AP通信経由)

対ウクライナ・米国戦争でロシア・イランが連携 兵器、情報を供与

(2026年08月08日)
2026年7月22日(水)、コンゴ共和国イトゥリ州ブニア総合病院のエボラ治療センターで、医療従事者が救急車を消毒している。(AP通信/ディロール・ロツィマ・ディウドネ撮影)

エボラ危機、中国がコンゴで影響力拡大 米国の支援減も影響

(2026年08月07日)
韓国の李在明大統領は、2026年1月7日(水)、中国・上海で韓国メディア関係者との会合で発言した。(ハン・サンギュン/聯合ニュース提供、AP通信経由)

韓国当局、保守系米国人を出国禁止に 李大統領への名誉棄損で起訴

(2026年08月06日)
教会と尖塔(AP通信)

「聖ゴーストライター」AI活用広がる教会 説教作成に利用も

(2026年08月04日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2026年6月17日(水)、フランスのエビアン・レ・バンで開催されたG7サミットの傍らで、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が、Google DeepMindのCEOデミス・ハサビス氏(写真には写っていない)と会談している。(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

議員らが「AIキルスイッチ法」を提案 「暴走」事例受け対策要求

(2026年07月26日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
→その他のニュース