FBI専門家、AI悪用で捜査難しく 誰もが標的になりうる

(2024年6月8日)

シカゴでスマートフォンを使う人(2017年9月16日撮影)。(APフォト、ファイル)

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Tuesday, June 4, 2024

 連邦捜査局(FBI)の技術スペシャリストによると、人工知能(AI)の最も恐ろしいところは、どこでも、誰でもアクセスできるが、自分が標的にされていても分からないことだという。

 FBIの次世代テクノロジー・合法的アクセス部門を率いるキャスリーン・ノイズ氏は4日、脅威を最も危険なものと最も可能性の高いものに分類していると語った。ノイズ氏は、AIを最も可能性の高い脅威に分類している。

 ジェネラル・ダイナミクス・インフォメーション・テクノロジー社主催のAIカンファレンスでノイズ氏は「誰もが…見逃している。見逃していることに気づいてすらいないのかもしれない。もしかしたら、自分が標的になっていることも知らないかもしれない。私にはそれが一番怖いことだ」

 ノイズ氏は、先端技術の実用化に従事しているとして、ワシントンで開催されたAIイベントの参加者に感謝の意を表した。

 また、AIを使用する際には細心の注意を払うよう呼びかけ、その上で、FBIは、人々が機密情報を生成AIツールに入れるのを見てきたが、重要な情報が流出する危険性があると警告した。

 ノイズ氏は以前、プライバシーや市民的自由の擁護者らと論争したことがある。擁護者らは、連邦政府の技術に対する実践的な取り組み、特に暗号化を弱めるデジタルバックドアの作成を望む法執行当局の姿勢に懸念を表明していた。

 しかしFBI捜査官は、犯罪者によるAIの悪用によって捜査は難しくなっていると言う。

 FBIのシンシア・カイザー氏によると、中国、イラン、北朝鮮、ロシアからサイバー犯罪者に至るまで、デジタル敵対勢力はより効率的になり、うそをより信じやすくし、探知を回避するためにAIを利用しているという。

 カイザー氏はカンファレンスで「彼らは、マルウエアの検知を回避するコードを開発している。それによって、見つけられることなく、システムの情報を集めることができる。そして、敵対勢力はとにかく、少しずつだが能力を高めていると思う。初心者のハッカーが中級者レベルになり、非常に高度な敵でさえ、さらに力を磨いている可能性がある」と述べた。

 FBIは危険性を指摘する一方で、捜査能力向上のためにAIを利用することもいとわない。

 FBIのサイバー部門の副部長補佐であるカイザー氏によると、FBIはAIを導入して、情報を分析するプロセスを改善しているという。

 FBIに情報提供があったとき、それを検証し、犯罪行為の可能性に警鐘を鳴らすのはもはや人間だけではない。

 カイザー氏は「記録するのは人だが、人は見逃してしまうものだ。私たちは自然言語処理モデルを使って、電話やオンラインで送られた情報の概要に目を通し、何かを見逃していないかどうかを確認している」と述べた。

 カイザー氏によると、このAIツールは、提供された情報を選別するFBIの専門知識を基に訓練されたものであり、FBIの情報の扱いには常に人間が関わっていることを強調した。

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