学校で携帯電話使用禁止の動き広がる
By Sean Salai – The Washington Times – Tuesday, July 16, 2024
21世紀の始まりと共に2001年9月11日の同時多発テロなど、テロ事件や銃乱射事件が何件も起きたことを受けて、心配した親たちは、子供に携帯電話を持って登校させることを強く望んできた。ところが現在、生徒たちがスマートフォンを母親との会話やメールよりも、ネットいじめやビデオゲーム、ポルノに利用していると公的機関が不満を漏らしている。
イリノイ州を拠点に、学校と協力してインターネットの安全に関する方針を策定しているサイバー・セーフティー・コンサルティング社のリズ・レプキング氏は、幼稚園児から中学生までの子供が学校でスマートフォンを持つ正当な理由はなく、高校生がスマートフォンを持つ理由もほとんどないと述べた。
「昨年度の私の経験では、教室での学習の中断は、熱心な教師にとって特に耐え難いものになりつつある」とレプキング氏は語った。
同氏は、個人の携帯電話をポーチに入れ、登校前と下校後、または保護者との連絡が必要な緊急時のみ使用できるようにするという学校現場で増えつつある傾向を支持した。
「最も効果的な方法は、間違いなく、登校から下校時まで携帯電話の使用を全面的に禁止することだ」とレプキング氏は述べた。「つまり、生徒は休み時間、昼食、休憩時間にも携帯電話を使えないということだ」
全米の公立・私立の学校は、2000年代後半から生徒にデジタルタブレットやノートパソコンを配布し始め、ビデオプロジェクトなどの教育目的で授業中に個人の携帯電話の使用を許可する学校も多かった。この傾向は、パンデミックによるロックダウン中に学校がオンライン授業によるハイブリッド学習やバーチャル学習に切り替えた2020年から2022年にかけてピークに達した。
この1年で、幾つかの州と都市部の大規模学区は突然方針を転換した。学生の不安や抑うつ、薬物取引や教師の恥ずかしいビデオをネットに投稿するなどの非行の急増を理由に挙げた。テストの点数も低下しており、教職員は携帯電話の使用を規制することまで手が回らないという。
ほとんどの学校では、特に数学や理科など一部の授業で承認されたタブレットやノートパソコンの使用を依然として認めている。
携帯電話禁止の動きは、以下のように政治的立場を問わず支持を得ている。
・ ロサンゼルス統一学区は6月、1月までに生徒に対しすべてのソーシャルメディアアプリと携帯電話の使用を禁ずると発表した。同学区は、生徒は昼食時に友人らと交流するよりも一人で携帯電話に釘(くぎ)付けになっていると主張している。
・ 生徒約100万人を抱える全米最大の学区であるニューヨーク市公立学校区は、毎朝校門で携帯電話を没収することができる政策を実施すると約束した。
・ フロリダ州は昨年、公立学校で生徒の携帯電話の使用を制限する州初の法律を制定した。インディアナ州とオハイオ州も今年、同様の法律を定めた。
・ バージニア州のヤンキン知事(共和党)は今月、公立学校に対し、1月までに授業の目的以外で携帯電話の使用を制限するよう指示する行政命令を出した。