五輪女子ボクシングに「男性」 沈黙するホワイトハウス
By Cheryl K. Chumley – The Washington Times – Friday, August 2, 2024
アルジェリアのイマネ・ヘリフは男だ。2023年、ニューデリーで開催された女子ボクシング世界選手権のスポーツ関係者は、ヘリフを男性とみなし、女子の試合に出場させなかった。2024年の今、オリンピックの最高幹部らによれば、彼は男ではなく女だという。そのため、ヘリフはパリ五輪の女子の試合でボクシングをすることが認められた。しかし、ここで「ボクシング」という表現は正確ではない。
正確には「ウーマン・ビーティング(女子たたき)」だ。
ヘリフは女子の対戦相手、アンジェラ・カリニ(イタリア)を46秒で破った。アンジェラは鼻にパンチを受け、耐え難い痛みに膝をつき、涙を流して棄権した。おめでとう、国際オリンピック委員会(IOC)。見事にウーマン・ビーティングをオリンピック競技にした。
LGBTQなど性的少数派は、差別は不当だと訴えてきた。例えば、本来の自分とは違う性を選択したという理由だけで、身体的暴行を受けるべきではないと訴えてきた。そこからさらに進んで、女子のふりをした男子が女子の更衣室やトイレに入ることは許されるべきだと主張するようになった。これこそ狂気というべきだ。ひとたびこのような主張がなされるようになると、ジェンダーに関するあらゆる混乱への門戸が開かれた。刑務所の男性は女性と一緒にされ、ブレストフィーディング(母乳育児)はチェストフィーディングになり、女性になりすました男性が妄想を膨らませ、自分の体から新生児に栄養を与えるふりをするようになった。女子のスポーツに、女子のふりをした男たちが侵入している。間違いなく、男が相手では太刀打ちできないから、女子の中に入ってでもとにかく勝ちたいと思ったのだ。
彼らが勝利することは、彼女たちの栄光を奪うことになる。
メディアでも、政治でも、文化でも、LGBTQの支援者にいくら頭をなでられても、服を着替えれば性転換できると何度言われても、医療処置を受けても、薬を摂取しても、どんなことをしても、男は男だ。
創世記1章27節には、「神は人を神のかたちに創造された。神のかたちに人を創造され、男と女を創造された」と書かれている。
左翼の怒りの焦点はそこにある。
LGBTQ運動自体は、自由な選択、性の自由、他者の選択に対する寛容、差別との闘いなどとはそれほど関連はない。心の病についてもそれほど関連はないが、服装を変えたり、薬を変えたりすることで性別を変えられると考える人が、心の問題を抱えているのは確かだ。しかし、この運動そのものは全米に拡大しており、学校で幼い子供に小児性愛の素晴らしさについて書かれた本を読ませるよう要求したり、幼児を引き連れ、ドラッグクイーン(女装パフォーマー)の下着にドル札をはさむ方法を教えたりする、ぞっとするような運動だ。たまたま社会的精神病に向かっていったというよりも、むしろもっと深い何か、より精神的な疾患に近い何かの兆候だ。LGBTQ運動の根底にあるのは、神への反逆だ。
神は男と女を造られた。
神は結婚を創造された。
神は家族を定め、夫婦が生み増やすように命じた。
民主党、左翼、無神論者、世俗主義者が、家族はどうでもよく、男性も女性もどうでもよく、性別を区別する代名詞はばかげていて、窮屈で、不寛容で、憎悪に満ちたものだと主張し続けるのは、すべて神への反逆に他ならない。
彼らは法と秩序を憎む。確立された原則を憎む。絶対的な道徳に基づいた制限や境界線を嫌う。だから、これらの基盤を破壊するために戦い、そうすることで何でもありの自分たちだけの小さな世界をつくり上げようとする。
民主党にとって、混乱は権力と支配を手にする機会となる。妄想と欺瞞の中で生きること、うその人生を生きることは、人間にとって自然なことではない。混乱を招くだけだ。社会が崩壊し、完全な破壊が起こるか、軌道修正が起こるかのどちらかだ。その軌道修正こそが、大きな政府がさらに拡大する大きなチャンスとなる。だから、バイデン政権と民主党の大統領候補カマラ・ハリス氏が、パリで起きたばかりのウーマン・ビーティングに口を閉ざすのも不思議ではない。
2人ともLGBTQ運動そのものを支持している。イースター(復活祭)おめでとうではなく、「トランスジェンダー認知の日」おめでとうだった。この3月にホワイトハウスが出した特別なメッセージだ。信仰に満ちた米国がキリスト教の最も聖なる祝日であるイースターを祝うのと同じ日だ。その後、この政権は、LGBTQの権利や文化を支持する「プライド月間」を祝って、ホワイトハウスでLGBTQを支持する旗を2本の米国旗の中央に掲げた。焦点はLGBTQであり、米国ではない。それ自体、米国旗法に抵触している。挙げれば切りがない。
ドナルド・トランプ前大統領は、パリ五輪でのカリニへのヘリフによるウーマン・ビーティングについてSNSトゥルース・ソーシャルに、「女子スポーツから男を閉め出す」と書き込んだ。
マルコ・ルビオ上院議員はこの試合についてX(旧ツイッター)に「まず、ドラッグクイーンが最後の晩餐をあざけった。今度は、生物学上の男性がオリンピックで女性を殴ることが許されている」と書き込んだ。
作家のJ.K.ローリング氏は、笑みを浮かべるヘリフと苦しそうな表情のカリニの写真の上に、「私たちの新しい男性の権利運動をこれ以上うまく表す写真があるだろうか。自分が女性差別主義者のスポーツ団体に守られていることを知っている男性が、顔を殴られた女性の苦痛を楽しみ、その女性の人生の野望を打ち砕くのを楽しんでいる。#Paris2024」と書き込んだ。
一方、ハリス副大統領もバイデン大統領も黙ったままだ。
FOXニュースは、「ホワイトハウスとハリス氏が五輪のジェンダー騒動について沈黙し、トランプ氏は『女性を守る』と誓った」と報じた。
英紙デイリー・メールは、「(全米競泳選手で女子スポーツからのトランス女子の排除のための活動に取り組む)ライリー・ゲインズ氏は、五輪ボクシングでのジェンダー問題に沈黙するカマラ・ハリス氏を非難し、現副大統領への一票は『あなたの娘の将来を壊す一票だ』」と主張した。
今年の11月、選ばれるのは大統領だけでない。正気かどうかも問われる。
2024年、オリンピックはウーマン・ビーティングをスポーツとして認め、米国では民主党という政党がそれを容認している。もうすぐ行われる投票で、この国のモラル全体が崩壊するかどうかが決まる。