トランプ氏暗殺未遂1カ月 残る重大な疑問
By Lindsey McPherson – The Washington Times – Monday, August 12, 2024
なぜトーマス・マシュー・クルックス容疑者は7月13日にドナルド・トランプ前大統領を暗殺しようとしたのか。なぜシークレットサービス(大統領警護隊)は彼が発砲した屋根に目を向けなかったのか。
これらの疑問は、ペンシルベニア州バトラーでのトランプ氏の集会での暗殺未遂から1カ月たっても未解決のままだ。事件は国民に衝撃を与え、いくつもの捜査が進められている。
捜査を主導している連邦捜査局(FBI)は、クルックス容疑者の銃撃の動機をまだ断定していない。彼が発砲した8発のうち1発がトランプ氏の耳をかすめた。弾丸はまた、集会参加者に命中し、コーリー・コンペラトーレ氏(50)が死亡し、デービッド・ダッチ氏(57)とジェームズ・コペンヘイバー氏(74)が負傷した。
シークレットサービスは、警備上の不備の責任を認める一方で、どのような経緯で警備に穴が生じたのかについてまだ完全に説明していない。何が間違っていたのかを特定するための内部調査の結果が出るまでには、少なくともあと1カ月はかかる。
シークレットサービスのスポークスマン、アンソニー・グリエルミ氏はワシントン・タイムズへの声明で、「シークレットサービスは、下院議会タスクフォース、国土安全保障省の独立審査委員会、監察総監室、FBIなどの監督活動に全面的に協力している。この失敗から学び、二度と起こらないようにするという私たちの願いは揺るぎなく、その目的に向けたあらゆる努力を歓迎する」と述べた。
シークレットサービスは、集会が開催されたバトラーの広場に隣接するAGRインターナショナル社の建物を、集会の公式警備範囲から除外した理由を明らかにしなければならない。クルックス容疑者が発砲した屋上は、AGRの建物に最も近かった。ほとんどの建物は地上で互いにつながっているように見えるが、高さはさまざまで、傾斜した屋根がいくつもある。
シークレットサービスは、磁気探知器を使用して、警備圏内に入る人々を検査する。AGRの建物が集会の検査範囲に含まれていたら、クルックス容疑者は警備を破る方法を見つけない限り、AR15ライフルを持って屋上にたどり着くことはできなかっただろう。
警備範囲外では、クルックス容疑者はこれらの建物に歩いて行くことができた。FBIは、彼が空調設備を利用して相互につながった建物の一つによじ登り、屋上を横切って、トランプ氏が話していたステージに最も近いところに到達したと述べた。
なぜシークレットサービスは屋上に目を向けなかったのか。
ロナルド・ロウ長官代行は7月30日、二つの上院委員会で、現場を訪問し、容疑者がいた建物の屋上に自身で行ってみたが、説明がつかないと証言した。
ロウ氏は、「私が見たものに恥じ入るばかりだ。キャリア法執行官であり、シークレットサービス歴25年のベテランとして、なぜあの屋根を警備しなかったのか釈明できない」と述べた。
同氏によると、地元警察は、現場を検証した際、集会の警備を主導しているシークレットサービスに、彼らがAGRの建物を担当すると伝えたという。
地元警察は最終的に屋上のクルックス容疑者を見つけたが、トランプ氏への発砲を阻止することはできなかった。