LPGAツアーにトランス女子出場か 選手らが抗議の書簡-女子ゴルフ

(2024年10月26日)

女子プロゴルフ協会は、元男子大学生ゴルファーが、女子ゴルフ界で最も権威のあるツアーに出場する初の男性出身選手に近づくにつれ、トランスジェンダー・ポリシーを改定するよう圧力を強めている。

By Valerie Richardson – The Washington Times – Tuesday, October 22, 2024

 元男子大学ゴルファーのトランスジェンダー選手が初めて、女子ゴルフ界で最も権威のある女子プロゴルフ協会(LPGA)ツアーに出場する可能性が高まっていることを受けて、LPGAのトランスジェンダーポリシーの改定へ圧力が強まっている。

 全米大学体育協会(NCAA)男子2部と3部でプレーしていた31歳のヘイリー・デービッドソン氏は22日、フロリダ州ベニスのプランテーションゴルフ・カントリークラブで開催されたLPGAのQスクール(ツアープロの認定試験)で、78で予選の第2ステージをスタートした。デービッドソン氏のこのラウンドは、194人中171位タイという結果だった。

 ゴルフ・ウィーク誌によると、今週35位以内に入った選手は、LPGAの公式予選ツアー「2025年エプソン・ツアー」の出場権が自動的に得られ、12月のLPGA最終予選に進むことができる。

 一方で、何百人もの女性アスリートが、デービッドソン氏の動きを追跡している。この女性たちは、性転換手術を受けてテストステロン値がLPGAが承認するレベルまで下がっていれば、男性から女性へのトランスジェンダー選手を認めるというポリシーを廃止するようツアーに強く求めている。

 「独立女性フォーラム」はLPGAへの書簡で、「LPGAのポリシーは、性別による出場資格を明示していない」と主張した。この書簡には、275人以上の女子プロゴルファーが署名しているが、その氏名は公表されていない。「選手の不変の性別に基づいた明確で一貫性のある参加規定を設けることは、女子ゴルフの完全性と公平性のために不可欠だ」

 LPGAは、2010年の訴訟を受け、「出生時女性」という条件を撤廃したが、ジェンダーポリシーを見直しており、2025年のシーズン前に更新があれば発表する予定だという。

 スポーツニュースサイト「アウトキック」のポッドキャスト「ゲインズ・オン・ガールズ」のホストを務めるケンタッキー大学の元オールアメリカン競泳選手ライリー・ゲインズ氏は、22日にX(旧ツイッター)に「『女子』プロゴルフ協会が女性にそれほど注意を払っていないことに注目すべきだ」と投稿した。

 デービッドソン氏は、6月の全米女子オープンの出場権獲得まであと一歩のところまで迫り、8月のQスクールでは42位タイで第1ラウンドをクリアした。上位95人が第2ラウンドに進出した。

 スコットランド出身で現在フロリダに住むデービッドソン氏は、NXXT女子プロゴルフツアーのミニツアーで3度優勝している。ツアーはその後の3月に規則を変更し、参加は生物学的女性だけとした。

 トランスジェンダーのアスリートの中には、自分の性自認についての発言を拒否することで、追跡をかいくぐろうとする者もいる。しかしデービッドソン氏は違い、トランス選手の参加に否定的な人たちに対抗し、インスタグラムに「憎しみが勝つことはない」「外からの憎しみに自分が誰かを決めさせてはいけない!」と投稿したりしている。

 デービッドソン氏は8月に予備予選を突破した後、批判に反論し、「私が誰よりも飛ばしているという大うそが出回っている 」と訴えた。

 8月26日の投稿で「保守的なメディアが、トランスジェンダーのアスリートを攻撃したいのなら、女子選手やその能力を軽視するのではなく、優秀な女子選手をもっと高く評価すべきなのは明らかだ」と強調した。

 1月のNXXT女子プロゴルフツアーでデービッドソン氏とペアを組んだローレン・ミラー氏もトランス選手の参加には否定的だ。このツアーではデービッドソン氏がプレーオフでミラー氏を下し、優勝した。

 ミシシッピ州立大学の元女子1部の選手だったミラー氏によれば、大会中、デービッドソン氏は常に自分より10~20ヤードほど遠くに飛ばし、プレーオフのホールでは40~50ヤードも上回った。

 ミラーは独立女性フォーラムに「そのホールでヘイリーが私に勝ち、トーナメントを制した。実際に、『靴が脱げそうなほど思い切りスイングした』と自分でも言っていた。ボーイフレンドがキャディをしてくれていたんだけど、2人で『今の見た?』って感じで顔を見合わせたわ」と話している。

 デービッドソン氏を支持しているのは、性自認に基づいてプレーするアスリートを擁護するLGBTQ団体「アスリート・アライ」だ。この団体のスポンサーには、ナイキ、アディダス、ゲータレードなどが名を連ねている。

 「アスリート・アライのアンバサダー、ヘイリー・デービッドソンは、LPGAのすべてのガイドラインに従っている。本当の自分であろうとしているだけなのに、大変な迫害に遭っている。スポーツをすべての人にとって包括的なものにすることが、女性スポーツを脅かすことではない。ハラスメントや虐待を蔓延させることになる」

 LPGAツアーへの参加を求めたトランスジェンダー選手は、デービッドソン氏が初めてではない。ボビー・ランカスター氏が2014年に63歳でQスクールに参加したが、ツアー出場には届かなかった。

 ランカスター氏は医師で、現在73歳だが、男性の思春期を経たトランスジェンダー選手にはアドバンテージがあり、不公平だと言う。

 ランカスター氏は2月2日の記事でゴルフ・ウィークに「私のようなトランスジェンダーの女性が、女子スポーツで(出生時の性と性自認が一致する)シスジェンダーの女性と競争するのはフェアではないと思う」と述べている。

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