トランス女子選手編入に慎重な大学 「潮目が変わった」指摘も

(2025年1月5日)

女子NCAAディビジョンIIIのカレッジトラックでスプリンターとして活躍するサディ・シュライナーは、今年、ディビジョンIのプログラムへの移籍を希望したが、拒否されたり、無視されたりした。

By Valerie Richardson – The Washington Times – Tuesday, December 31, 2024

 民主党が強い州の大学でさえ、女子チームでトランスジェンダー選手をプレーさせることに慎重になっている。サディ・シュライナーさんは身をもってこれを体験した。

 全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン3の大学女子陸上で短距離走者として活躍する生物学的男性のシュライナーさんは、今年ディビジョン1への編入を目指したが、ニューヨークのロチェスター工科大学でオールアメリカンの栄誉を2度獲得したにもかかわらず、拒否されたり、無視されたりした。

 3年生のシュライナーさんは、ディビジョン1の42の大学とコンタクトを取ったというが、そのうちのいくつかで、男子出身選手の女子学生スポーツへの参加は州によって禁止されているため、受け入れてもらえなかった。

 シュライナーさんは、インスタグラムに12月30日に投稿した動画で「編入手続きを始めた後、通常の編入生が直面する困難に加えて、特別な障害が存在することにすぐに気づいた。私がトランスだという点だ。国内の50%が私の参加を禁止している。つまり、大学側が積極的に私にアプローチしてきても、どの大学にも入れないということだ」と話した。

 24の州ではそのような制限はないが、そこでもシュライナーさんは大学の管理者らに編入を阻まれたという。

 「また、そのような(制限のない)州で、コーチがどんなに私をチームに入れたいと強く望んでも、大学当局が私を参加させるのを止めるのが普通であることもはっきりした。だから、時間をかけてすべてを記録した」

 シュライナーさんは失望し、「皆、私を支持することを恐れすぎている」と主張するが、このような結果を、男女別スポーツを支持する人々は歓迎している。

 このような人々はシュライナーさんの経験を、大学側が生物学的男性の女子スポーツへの参加を敬遠していることの表れと考えている。たとえトランス女子の選手が優勝に貢献したとしても、反発を受けてまで受け入れる価値はないと判断したということだ。

 女子自転車競技に出場する生物学的男性を記録しているアカウント「I Heart Bikes」はXに「潮目が変わってきている。女子カテゴリーにしか出場しない陸上競技の男子選手セディ(カムデン)・シュライナーは、@ncaaのD(ディビジョン)1校への編入先を見つけるのに苦労している」と投稿した。

 世界的テニスプレーヤーのマルチナ・ナブラチロワ氏がシュライナーさんにメッセージを寄せている。「記録を続けてください。あなたは自由に出場できます。男子のカテゴリーで。とてもシンプル。そしてフェアでもある」

 シュライナーさんは2023-24年のトラック競技のシーズン中に記録を樹立し、複数のタイトルを獲得したが、5月のNCAAディビジョン3女子屋外陸上選手権では200メートルで3位、400メートルでは8位で敗退した。

 優勝していれば、2019年にディビジョン2でタイトルを獲得したハードル選手のセセ・テルファーさんと、2022年にディビジョンIで栄冠をつかんだ水泳選手のリア・トーマスさんに次いで、NCAA女子のタイトルを獲得した3人目の生物学的男子となるところだった。

 シュライナーさんのディビジョン1昇格が困難なのは、タイミングが悪かったということもありそうだ。NCAAは秋のシーズン中、サンノゼ州立大学のトランスジェンダーのバレーボール選手、ブレア・フレミングさんをめぐる複数校によるボイコット事件で揺れていた。

 11月、11人の元バレーボール選手と現役バレーボール選手が、フレミングさんのマウンテンウェスト・カンファレンスへの出場を阻止するために訴えを起こしたが、連邦判事はその申し立てを却下した。

 NCAAはまた、19人の女子選手によって3月に起こされた、性自認に基づいて男子出身選手を女子スポーツに出場させることは、学校での性別による差別を禁止する教育改正法第9編(タイトル9)に違反するとして訴えられている。

 女性アスリートでつくる権利擁護団体「女性スポーツ独立評議会(ICONS)」はXに「男子D3女子陸上チャンピオンのセディ・シュライナーの競争相手を含む19人の女子選手の代理人である私たちの法律顧問がNCAAを訴えたことを受けて、彼は現在、D1に編入するためのフルライドの女子奨学金を確保することが困難になった。よかった」と投稿した。

 セディ・ローズとも名乗るシュライナーさんは、1月の屋内陸上シーズンの開幕を皮切りに競技を続けることを誓った。

 「トランスの人たちは今、攻撃され、私たちの権利は剥奪されようとしている。でも、私たちはどこにも行かない。私はどこにも行かない。そして1月には、またサーキットで戦う私に会えるだろう」

 シュライナーさんは、ロチェスターの2024-25年女子陸上競技の名簿に載っていない。

元日テロ、国境開放が一因か トランプ氏らがバイデン政権を非難

(2025年01月06日)

議会襲撃事件のリーダー、司法省に反撃へ

(2025年01月03日)

ディズニー・パリ五輪に「意識高すぎ」賞 過度の多様性を揶揄

(2025年01月01日)

レーガンとトランプの勝利の類似点

(2024年12月31日)

マスク氏「軽蔑すべき愚か者」 専門技術者ビザ巡ってトランプ支持者と衝突

(2024年12月30日)

殺人犯に同情示すリベラル派

(2024年12月29日)

連邦政府のITシステムは時代遅れ マスク氏が非難

(2024年12月27日)

トランプ次期大統領、就任初日に「女子スポーツから男を締め出す」

(2024年12月25日)

トランプ次期大統領、ビットコインの戦略的保有を検討

(2024年12月24日)

企業・大学の多様性研修は敵意を増幅し、偏見を助長する-調査

(2024年12月23日)
→その他のニュース