中国は2027年までの台湾奪取を本気で考えている-元CIA当局者

2025年2月25日火曜日、台湾沿岸警備隊が公開したビデオからの画像で、台湾沿岸警備隊船から見える金満島近海に中国沿岸警備隊船が侵入している。(台湾沿岸警備隊 via AP)
By Vaughn Cockayne – The Washington Times – Wednesday, March 5, 2025
中国の習近平国家主席は、2027年までに威嚇や軍事力を通じて台湾を奪還することを決意している-元米中央情報局(CIA)当局者が語った。
デービッド・ザウアー氏は4日、ワシントン・タイムズ財団主催のオンラインフォーラムで、民主的に統治されている台湾を共産主義が支配する大陸と統一しようとする中国の取り組みに対抗するため、米国は準備が必要だと述べ、今後数年間の台湾の立場について説明した。
「習近平は戦略的意図を明確にしている。台湾との統一を望んでいる。それは習近平にとって何を意味するのか。もし彼がこれに成功し、武力行使に頼ることなく成し遂げれば、中国の歴史上最も偉大な指導者の一人として名を残すことになるだろう」
ザウアー氏は、中国による台湾への軍事介入や侵攻は、北京の最後の手段だと言う。中国はたしかに、武力行使を伴わない経済的圧力と軍事的威嚇に重点を置いた強圧的な政策を用いることに注力していると同氏は言う。しかし、中国が台湾をめぐる戦争に踏み切る準備ができていないとはいえ、その強圧的戦略を裏付ける軍隊は必要だ。
「しかし、習近平が武力行使という選択肢を必要としているのは事実だ。複数の報道によれば、習近平は2027年までに、台湾を奪取するためにあらゆる選択肢の準備を整えるよう司令官に伝えている」
ザウアー氏は米国に対し、中国を新興の大国としてではなく、真剣に受け止めなければならない同世代の競争相手として捉えるよう求めた。
「中国は競争相手だ。海軍は遠洋航海能力を持つ。艦艇の数は米国より多い。空軍の規模も米国と同じか、近いうちに上回る。核兵器の能力、宇宙開発能力も大幅に向上している。彼らは驚異的な能力を持っており、今後、驚異的な能力を獲得する。2027年まで成長を続ける」
ザウアー氏は、中国軍の強さの理由は、過去数年間、政府が国防支出と開発に力を入れてきたことにあると述べた。中国は新型コロナの大流行で消費経済の後退に苦しむ一方で、国防への支出を増やしてきた。最近の推計では、中国の年間国防費は5410億ドルで、米国の59%に相当する。
ザウアー氏は、中国は台湾よりもはるかに多くの国防予算を費やしており、台湾は大陸からの本格的な軍事攻撃に耐えることはできないと指摘する。その結果、台湾は「ヤマアラシ」戦略を採用せざるを得なくなる。それは、中国の集中攻撃に対して台湾の生存能力を向上させるような、より小型で機動性のあるシステムを優先させるというものだという。台湾はまた、政治的な行き詰まりにも直面しており、それが重要な防衛契約を停滞させ、潜水艦や無人機の開発を妨げていると同氏は付け加えた。
このような障害は、中国からの攻撃を受けた場合、米国が台湾に多大な支援を提供する必要があることを意味する。しかし、コストがかかる可能性は高いが、ザウアー氏は台湾を支援することが米国の利益になると言う。
ザウアー氏によれば、台湾の半導体産業は簡単に真似できるものではない。米国は、外国企業による米国での半導体生産投資に補助金を供与するCHIPS法のおかげで前進したが、台湾に追いつくには何年もかかるだろうと同氏は言う。中国が台湾との統一に成功すれば、人工知能(AI)、航空宇宙、家電製品での米国の優位性にとって戦略的にリスクとなる可能性がある。
ザウアー氏は、中国主導の台湾封鎖は、世界経済に5兆ドル相当の損害をもたらす可能性があると述べた。
「中国は、『米国はわれわれに半導体規制をかけた。こちらから規制をかけるのもいいかもしれない』と言い出す可能性がある。そして、彼らは簡単にわれわれに報復することができる。そうなれば米国にとって非常に難しい事態となる。半導体産業とそれを取り巻くシステム全体をしっかりと発展させるには、しばらく時間がかかる。その意味で、台湾は世界経済にとって不可欠だ」
歴史的に米国は、台湾の防衛を保証してきた。しかし、ロシアとの戦争状態にあるウクライナへの武器援助についてトランプ政権の立場が揺らいでいることから、台湾防衛に関するホワイトハウスの立場を懸念する声もある。ザウアー氏は、台湾は米国製品を購入することで米国との同盟関係を再確認し、ホワイトハウスに台湾の中国からの独立を保証する動機を与えるべきだと言う。
「台湾の指導者たちは、トランプ政権に何らかの形で保証を与えることができるはずだ。米国の農産物をもっと買うようにし、米国と一体化した経済の一部になるよう努力すべきだ。先進技術企業は米国への投資を検討すべきだ。今後さらにその傾向は強まるはずだ」
ザウアー氏はまた、米国は東南アジアでのハードパワーを大幅に強化すべきであり、台湾への攻撃は高くつくし、習氏にとって有利ではないことを静かに伝えるべきだと付け加えた。
「ハードパワーが必要だと思う。この地域で米国の軍事力を高める必要があると思う。軍事力をできる限り、多く、静かに蓄積すべきだ。同時に他のコミットメントを放棄してはならない。もし習氏がサイコロを振ったら、大きな問題になることを示すためだ。勝てそうにないと思わせることだ。そして、もし武力行使に打って出ようとして失敗すれば、彼の政権が崩壊する可能性が高い。だから、もしそのようなことをすれば、戦争になり、負けるかもしれない、そしてそれは中国共産党による中国支配を脅かす存立危機事態になる、ということをはっきりさせなければならない」