オープンAI、「自由重視」のAI政策で中国対抗を トランプ政権に提案

2025年2月11日(火)、パリで開催された人工知能アクション・サミットの傍らで行われたイベントで、Station FにいるOpenAIのCEO、サム・アルトマン。(AP Photo/Aurelien Morissard, Pool)。
By Ryan Lovelace – The Washington Times – Friday, March 14, 2025
オープンAIは、「自由を重視した」新たなAI政策を推進し、中国に対抗するようトランプ政権に要請、AI規制、輸出規制、著作権による制約を変更する必要性を強調した。
トランプ大統領は就任直後、ジョセフ・バイデン前大統領のAI(人工知能)大統領令を破棄し、「AI行動計画」の策定を求める新たな大統領令に署名した。ホワイトハウスの科学技術政策室は先月、新政策への意見募集を開始し、市場のリーダーであるオープンAIは13日に提案を行った。
同社はウェブサイト上の声明で「オープンAIの自由を重視した政策提案は、AIでの米国のリードを強化し、そうすることで経済成長を促進し、米国の競争力を確かなものにし、国家安全保障を守ることができる」と強調した。
人気の生成AI「チャットGPT」のメーカー、オープンAIは、「米国のAI企業が過度に負担の大きい州法を順守することによって(中国が)受ける可能性のある利益を相殺する」アプローチを採用しながら、イノベーションの自由を優先する政策への支持を表明した。
オープンAIは、民間企業のスピードと規模に連邦政府が対応することを望んでいるという。
オープンAIのクリストファー・レヘイン氏はホワイトハウスへの提出文書で「(中華人民共和国は)行政、安全保障、軍事にAIを導入するという野心的な目標に向かって進んでいる。米政府は、民間企業のペースと米国人にふさわしい効率性で、最先端のAIツールを安全に導入するためのプロセスを近代化すべきだ」と呼び掛けた。
輸出規制についてオープンAIは、新政権が米国のAIシステムが世界的に採用されるよう積極的に推進することを熱望していると訴えている。
レヘイン氏はこのホワイトハウス宛ての文書で「包括的な輸出管理戦略は、中国へのAI技術の流入を制限するだけでなく、米国が
『普及を勝ち取る』こと、つまり、世界のできるだけ多く国々が民主的な価値観に沿って、民主的なインフラを構築することを保証するものであるべきだ」と強調している。
レヘイン氏によるとオープンAIは特に、「獲得可能な最大市場規模(TAM)」、つまり中国とその同盟国の一部を除いた世界全体に焦点を当てるのではなく、米政府が確立した原則に沿ってAIを構築しようとしている国々を支援することを強く求めている。
オープンAIは、国民が学ぶ自由を確保することに注意を払いながら、著作権制限に対するバランスの取れたアプローチを取るよう促した。
「米国には多くのAI新興企業があり、多くの投資が集まり、多くの研究上のブレークスルーがあった。他の市場では、厳格な著作権規則がイノベーションと投資を抑制している」
英国や欧州連合(EU)が新たな著作権規制を検討しているのとは対照的に、オープンAIは、開かれた著作権政策の採用で、競争力を強める中国の脅威に対抗することを望んでいる。
レヘイン氏は、中国のAI開発者がモデルを改良するために、著作権を無視してデータにアクセスするようになることは疑いの余地がないと指摘する。
「AIに公正使用の原則を適用することは、米国の競争力の問題であるだけでなく、国家安全保障の問題でもある。中国のディープシークをはじめとする最近の急速な進歩は、最先端AIにおける米国のリードが保証されたものではないことを示している」
新政権はオープンAIの意見を受け入れる可能性が高い。トランプ氏は就任翌日、サンフランシスコを拠点とする同社のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)をホワイトハウスに招き、「スターゲイト」プロジェクトの結成を発表した。これは、新たな企業を立ち上げ、5000億ドルを投じて、米国内にAIインフラを構築することを目指すものだ。
ホワイトハウスによると、トランプ氏の大統領令で構想されているAI行動計画は、米国の「AI優位性」を維持・強化する政策を打ち出すことを目標としている。
ホワイトハウス科学技術政策室のリン・パーカー主席副所長は先月、間もなく発表される計画はAIの優位性を確保するための第一歩だと述べている。
一方、中国は独自のAI政策を世界的に推進しようとしている。
先月パリで開催されたAIサミットに先立ち、中国外務省の報道官、林剣氏は、中国が「幅広いコンセンサスに基づくAIのグローバルガバナンスの枠組みを形成し、すべての人のためにAIを促進する」ための独自の計画作成に参加する国々を募っていると述べた。