民主党、トランス選手巡る新規則に反発 トランプ政権は補助金停止へ

2024年1月30日火曜日、メイン州オーガスタの州議会議事堂で州演説を行う民主党のジャネット・ミルズ知事。(AP Photo/Robert F. Bukaty, File)
By Susan Ferrechio – The Washington Times – Tuesday, March 18, 2025
民主党が強い州は、女子の更衣室やスポーツにトランスジェンダーを自認する男性が入ることを禁止するトランプ大統領の大統領令に抵抗しており、連邦政府からの公立学校への補助金数百万ドルが停止される可能性がある。
トランプ政権は現在、メイン州に対し、生物学的男性が女子スポーツに出場することを禁止しなければ、連邦政府からの補助金を停止すると警告している。
保護者と市民の団体「アウェイク・イリノイむのシャノン・アドコック会長は、「まるでチキンゲームのようだ。民主党が強いこれらの州がトランプ政権の警告を軽くしていると、大変な間違いになると思う。(連邦政府の資金を受け取る教育機関で女性選手にスポーツへの機会均等の権利を与えることを義務付ける)教育改正法第9編(タイトル9)のような連邦政府からの保護に全面的に介入するようになるはずだからだ」と述べた。
トランプ氏は2月5日、「女性と女子から公平なスポーツの機会を奪う教育プログラム」への連邦政府からの補助金をすべて停止し、女子スポーツへの男子参加を禁止する方針を定める大統領令に署名した。この大統領令は、トランプ氏が1月20日に発表した、女性を自認する男性が女性の更衣室やバスルームに入ることを禁止する命令に続くものだ。
しかし、民主党が主導する各州は、トランスジェンダーの生徒に関する大統領令をほとんど無視しており、公立学校の運営を支援する連邦資金をめぐって政権と対立することになりそうだ。
その結果、トランプ氏の命令に逆らう全国の公立学校に大きな財政的打撃を与える可能性がある。公立の小中高校は昨年、1190億ドル以上の連邦補助金を受け取っている。
トランプ政権は先週、メイン州が性による差別を禁止するタイトル9に違反していると判断した。
厚生省公民権局は、2月に行われた女子高校棒高跳び選手権で、女性を自認する生物学的男性が州王者に輝いたことを受け、同州のトランスジェンダー政策について調査を開始した。
トランプ政権は同州に職員の再教育を命じ、2024-2025年度にメイン州の学校に支給される連邦政府からの資金20万ドル近くを取り消すという異例の措置をとった。
この資金は、メイン州当局によると、学校が昨年連邦政府から受け取った2億5000万ドルの連邦補助金のほんの一部だ。しかしメイン州は、トランプ氏の大統領令に抵抗する他の州とともに、連邦政府からもっと大きな予算削減に直面する可能性がある。
公立学校は、低所得の生徒、障害を持つ生徒、恵まれない生徒のためのプログラムなどを支援するために、連邦政府の資金に頼っている。
トランプ政権はイリノイ州にも注目している。女子中学生の母親が、校長や他の職員が、女性であることを自認する生物学上の男性がいる更衣室で、娘と他の2人の女子生徒に体操服への着替えを強要したと怒りの告発した。
ディアフィールドに住むニコール・ジョーガスさんは、教育省の公民権局に苦情を申し立てた。ジョーガスさんによると、ディアフィールド市の教育委員会に対し、校長、副校長、その他数人の教師が、女子生徒が体育の授業で着替えをする際、更衣室に女子を自認する男子生徒がいることに抗議したため、この女子生徒らを叱責したという。ジョーガスさんによると、男子生徒がいる間、学校関係者は「全員が更衣室に入れ、(女子生徒を)制服に着替えさせた」という。
同市教育委員会はワシントン・タイムズ紙の問い合わせに回答しなかった。
ジョーガスさんによると、学校関係者は、男子生徒がいるロッカールームの使用を避けるため、娘を別の体育のクラスに移動させることを申し出た。彼女はそれを拒否した。
「これは私の娘の話であり、他の多くの少女たちの話でもある。彼女たちは難しい年頃であり、ほとんどの大人が間違っていると分かっていることを強いられた。現状を正し、彼女たちに更衣室とトイレを返してあげてほしい。生物学的な男性に女子更衣室への立ち入りを許可することは、女性のプライバシーと安全の根幹を侵す危険な前例となる」
イリノイ州が、トランスジェンダーである生徒がスポーツチームに参加し、性自認に沿ってトイレや更衣室を使用することを認める学校方針を変更する可能性は低い。
2021年に発行された州の指導要領では、学校が生徒の性自認に基づいて差別することは禁止されている。この方針により、生徒はスポーツに参加し、性自認に沿った更衣室やトイレを使用することができるようになっている。
長年、トランプ氏を批判してきたJ.D.プリツカー州知事は、イリノイ州をLGBTQプラスの権利の聖域と宣言し、トランスジェンダーの個人に関する大統領令には協力しないと述べている。先月行われた年次議会演説でプリツカー氏は、トランプ氏をアドルフ・ヒトラーになぞらえた。
プリツカー氏ら、トランプ氏の命令に反発する知事は、大統領令は連邦法や憲法に抵触し、大統領の権限を超えていると指摘する教育専門家から支持されている。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ロースクールのウィリアムズ研究所は、トイレと更衣室に関する命令について、「トランスジェンダーの生徒の健康と幸福に悪影響を及ぼす可能性があるほか、学校に混乱と訴訟増加の脅威をもたらす」と結論づけている。
世論が民主党の知事を動かし、州の方針を転換させる可能性もある。
2028年の大統領選の有力候補であるカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏は最近、ポッドキャストで、保守派の活動家チャーリー・カーク氏に、男性が女性のスポーツに参加することは「非常に不公平だ」と語った。
ニューサム氏が知事になる前に署名されたカリフォルニア州法では、生徒が性自認に沿ったスポーツチームでプレーできるようにすることを学校に義務づけている。