トランプ大統領、石炭の復活を指示「信頼性高く、安全」

(2025年4月10日)

ワシントン・タイムズのビデオ映像より

By Mallory Wilson – The Washington Times – Tuesday, April 8, 2025

 トランプ大統領は8日、ヘルメットをかぶった炭鉱労働者に囲まれ、石炭産業を活性化させるための大統領令に署名した。

 トランプ氏は政府機関に対し、石炭産業への差別的な政策を廃止し、連邦所有地の石炭産業への新規リースに対するモラトリアムを終了させ、国の電力網の安全性と信頼性を促進するよう指示した。また、司法省に対し、石炭を対象とするあらゆる州の政策を調査するよう指示した。

 大統領令は石炭を「鉱物」としている。

 環境保護活動家や気候変動活動家は、石炭を最も汚い化石燃料とみなし、使用を停止するよう長年にわたって運動してきた。

 トランプ氏は大統領令に署名する前にホワイトハウスのイーストルームで「美しくクリーンな石炭に対するジョー・バイデンの戦争に、きっぱりと終止符を打つ」と述べた。

炭鉱労働者の一人、ウェストバージニア州のジェフ・クロウさんは、「あまりにも長い間、石炭は汚い言葉のように扱われ、ほとんどの人が口にすることすら控えてきた」と語った。

 「石炭について否定的なことを言う人のほとんどは、石炭についてあまり知らない。クリーンでエネルギー効率の高い製品を作るために、今日の採掘で使われているエンジニアリングやテクノロジーを知らない」

 米エネルギー情報局によると、2022年、ワイオミング州は最大の石炭産出州であり、ウェストバージニア州、ペンシルベニア州、イリノイ州、ケンタッキー州と続く。

 エネルギー情報局によると、2023年のエネルギー生産に占める石炭の割合は約16%まで低下している。2010年にはエネルギー生産の45%を占めていた。

 今回の大統領令は、トランプ氏のエネルギー計画の新たな一歩だ。

 「私たちは、現在あるエネルギー、電力を2倍以上にする必要がある。住宅、ビル、あらゆるところで、今国内にあるすべての電力を2倍以上にして、ナンバー1にする必要がある」

 トランプ氏は、石炭採掘をやめ、グリーンエネルギーに移行することを望む民主党を非難した。他国はグリーンエネルギーから石炭に回帰していると述べた。

 トランプ氏は就任初日、国家非常事態宣言の中で、「米国のエネルギーと重要鉱物の特定、土地のリース、開発、生産、輸送、精製、発電能力はすべて、わが国のニーズを満たすにはあまりにも不十分だ」と述べた。

 また、気候変動枠組み条約「パリ協定」から離脱した。8日、気候変動条約は米国にとって「不公平で、一方的で、非常にコストのかかる」ものだと述べた。

 トランプ氏は、今後数年間は炭鉱事業を保護すると述べた。

 「政治の世界の浮き沈みによって事業が打ち切られることがないよう保証するつもりだ」

 先月承認されたモンタナ州のスプリングクリーク炭鉱の拡張工事を引き合いに出し、ワイオミング、ユタ、アラバマ、ノースダコタ、ウェストバージニアなどの州でも、今後さらに拡張工事が行われるだろうと述べた。

 トランプ氏はまた、次世代石炭技術への投資と、アリゾナ州のチョーヤ発電所の操業と機能維持のために連邦資金を使うよう、エネルギー安全保障省のクリス・ライト氏に指示した。同発電所は今月閉鎖される予定だった。

 「石炭は、現在地球上に存在するエネルギーの中で、最も信頼性が高く、耐久性があり、安全で強力なものだ」とトランプ氏は語った。

 エネルギー団体や気候変動団体は、この大統領令を非難した。

 「憂慮する科学者同盟」の気候・エネルギープログラムのアソシエイト・ポリシー・ディレクター、ジュリー・マクナマラ氏は声明で、「石炭を支持することは、現実を否定することにほかならない。現実は、石炭は高価で、信頼性がなく、公衆衛生にとって破壊的であるため、人々はもはや石炭に依存していない」と語った。

 「クリーンエネルギーへの移行は、経済を活性化させ、全米で広く支持されている。トランプ大統領はそのクリーンエネルギーを支援することなく、執拗に破壊しようとしている。人々は、エネルギー料金の値上げや、健康や環境に対する莫大なコストを通じて、その代償を払うことになる」

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