沸騰する左派のトランプ嫌い 殺害予告・暴力が拡大

2025年2月11日火曜日、ワシントンのホワイトハウスの執務室で記者団と話すドナルド・トランプ大統領に耳を傾けるイーロン・マスク。(写真/アレックス・ブランドン)
By Mallory Wilson – The Washington Times – Tuesday, April 22, 2025
トランプ大統領は命を狙われたことがあり、これまで2度の暗殺未遂を乗り越えてきた。今や殺害予告や暴力は閣僚や他の政権メンバーを標的にするまでに拡大している。
ペンシルベニア州のショーン・モンパー被告(32)は最近、トランプ氏、イーロン・マスク最高顧問、移民税関捜査局(ICE)の捜査官に殺害の脅迫を繰り返した容疑で起訴された。モンパー被告は、ネット上で「ミスター・サタン」というニックネームを使い、1月のトランプ氏就任直後に銃器使用許可を取得しようとしていた。
昨年7月にトランプ氏の暗殺未遂事件が起きたペンシルベニア州西部の町バトラーの出身だ。
政府効率化省(DOGE)でコスト削減を推進するマスク氏も攻撃を受けている。同氏がCEOを務める電気自動車(EV)大手テスラの販売店は放火され、多数のEVが破壊された。
ニューメキシコ州在住のジャミソン・ワグナー(40)容疑者は今年、テスラのアルバカーキ・ショールームとニューメキシコ州共和党への放火事件で連邦罪に問われている。
テスラ販売店への攻撃では、建物と6台の車両が赤と黒のスプレーペイントで落書きされ、カギ十字のシンボルとともに
「死ね、イーロン」「テスラ・ナチ社」「死ね、テスラ・ナチ」などと書かれていた。
トゥルシー・ギャバード国家情報長官と家族は最近、ジョージア州の男から殺害予告を受けた。
連邦検察当局によると、アリアクバル・モハメッド・アミン(24)容疑者は、ギャバード氏に「死ぬ準備をしろ、お前もトゥルシーも、そしてお前が大切に思っているすべての人も。アメリカは燃える」というメッセージを送り、逮捕された。
カロリン・レビット大統領報道官はホワイトハウスの記者会見で、殺害予告は「許されるべきではない」と述べた。
「ホワイトハウス、大統領、政府は、政権幹部、公務に就く当局者らに対する脅迫を、与党に対するものであれ、野党に対するものであれ非難する」
政権幹部に対する脅迫は、指名が始まるとすぐに始まった。ピート・ヘグセス国防長官、リー・ゼルディン環境保護庁長官、ブルック・ロリンズ農務長官、ニューヨークのエリス・ステファニク下院議員らが脅迫を受けた。ステファニク氏は、国連大使に指名されたが、その後、共和党の下院多数派を維持するために撤回された。
政治的暴力を研究しているジョンズ・ホプキンス大学のベンジャミン・ギンズバーグ教授は、「現時点では、政治的暴力は右派よりも左派からの脅威によるものが多いと言わざるを得ない。だが、保守派も暴力に訴えられることは確かだ。トランプ政権に対するリベラルな民主党支持者の怒りは、政府高官に対する脅迫や、数カ月前に指名を受けた人々に対する脅迫に滲み出ている」
ギンズバーグ氏は、政治的暴力は新しい現象ではないが、それが今、目に見える形で多発していると述べた。
「トランプ氏と政権のメンバーに対する憎悪は非常に激しく、強烈であり、良識のある人々は通常、自ら実行することはないにしても、暴力を容認し、反対勢力に対する暴力を進んで容認している」
ネットワーク・コンテージョン研究所の最新の調査によると、リベラル寄りの国民の約半数が、トランプ氏とマスク氏の暗殺を「少なくともいくらかは」正当化できると答えており、それぞれ55%と48%だった。
リベラル派の半数以上は、テスラのディーラーを破壊することも容認できると答えた。
ラトガースを拠点とする同研究所の研究者らは、トランプ氏とマスク氏を標的にした政治的暴力は「ますます常態化しつつある」とし、左寄りのソーシャルメディア「ブルースカイ」は、「過激な思想を増幅させる上で重要かつ予兆的な役割を果たしている」と指摘している。
この研究者らは、政治的・文化的指導者が暴力を肯定するようなチャットを非難しない限り、暴力が「現実世界でエスカレート」する可能性が高まっていると警告した。
殺害予告や攻撃は、トランプ氏とその政権だけを標的にしているわけではない。ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事(民主党)と家族は放火の被害に遭った。
コディ・バルマー(38)容疑者は、ユダヤ教徒のシャピロ夫妻が過越祭を祝った数時間後に知事公邸に火炎瓶を投げ込み、パレスチナ自治区ガザでの紛争に関連した「政治的動機」で告訴された。
警察は、バルマー容疑者が事件の直後にかけたとされる警察への通報を公開した。その中で、シャピロ氏に対し、「やつがパレスチナの人々に対して行おうとしている計画にわれわれは参加しない」と話していた。
また、シャピロ氏は「おれの友人を殺させるのはやめるべきだ」と述べ、「国民はあの怪物によってあまりにも多くのことを強いられてきた」と語った。
トランプ氏はシャピロ氏への攻撃を非難し、バルマー容疑者もトランプ支持者ではなかったと指摘した。
トランプ氏は記者団に「犯人は基本的に誰のファンでもない。彼はおそらくただのホラ吹きで、あのようなことは許されない」と語った。
ギンズバーグ氏によると、トランプ氏の周辺の人々に対する敵意はまったく新しいものではない。マキシン・ウォーターズ下院議員(民主党、カリフォルニア州)は、第1次トランプ政権中に、トランプ政権当局者に立ち向かい、嫌がらせをするよう呼びかけたことがあった。だが、レストランで人々を愚弄することは、殺害予告や爆弾テロとは違う。
ギンズバーグ氏はまた、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」やアンティファなど左派グループによる最近の政治的暴力にも言及した。
「暴力的政治についての重要な教訓は、通常、自然発生的なものではないということだ。暴力には準備と組織が必要だ。組織化された暴力が行われるような環境があれば、過激な連中やおかしな子供たちが出てきて、面白半分にそれに加わるようになる」