トランス選手との対戦は「不公正」 フェンシング女子選手が議会で抗議

(2025年5月11日)

Photo by: MARY ALTAFFER(Associated Press)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, May 7, 2025

 有望な女性フェンシング選手が、生物学的な男性との対戦を拒否したためにトーナメントから追放され、嫌がらせと女子部門でのトランスジェンダー選手の増加を理由に、米フェンシング協会(USFA、USAフェンシング)の大会には当面、出場しないことを明らかにした。

 12年間競技を続けてきた元大学フェンシング選手のステファニー・ターナーさんは、7日の下院公聴会で、「公正な環境で、女性だけが競い合うことはますます難しくなっている」と述べた。

 ターナーさんは、下院監視政府改革委員会「政府効率化の実施に関する小委員会(DOGE)」の「不公正な試合女性スポーツから男性を排除する」と題された公聴会で「この問題について発言したことで、私は嫌がらせや暴力の標的にされ、友人も失った」と証言した。

 「好きなスポーツから離れることを決めた。当面の間だけだが、それはUSFAが、私が所属する女性部門で歓迎されないような環境をつくったからだ。女性のために発言する女性をいじめ、辱めることが文化的に容認されている。どうして私がこのような犠牲を払わなければならないのか」

 ターナーさんの動画が拡散されている。この動画の中でターナーさんは、4月にメリーランド大学で開催されたトーナメント「チェリー・ブロッサム」で、トランスジェンダーのレッドモンド・サリバンさんと対戦することなく、膝をついて抗議している。その後、彼女は出場停止処分を受けた。

 この処分の前にもターナーさんは、「数多くの地域大会や全国大会」を欠場していたが、それは「男性であることが分かっている男性」が女子部門に出場するのであれば選手登録しないと表明したからだ。

 また、USFAのダミアン・レーフェルト理事長も公聴会で証言し、女性フェンシング選手には敏捷性や戦略性などで男性と競争できる資質があると主張し、USFAのトランスジェンダー適格性指針を擁護した。

 召喚され証言したレーフェルト氏は、「フェンシングは結局のところ、戦略とテクニックのスポーツであり、それらの要因によって勝敗が決まることが多い。そして、戦略とテクニックに関しては、男女ともに本質的な優位性に差はない。そのため、トランスジェンダーであることが、(性自認と出生時の性別が一致する)シスジェンダーの選手に固有の優位性を与えることはない」と述べた。

 パット・ファロン下院議員(共和党、テキサス州)は、USFAは男女別の部門を設けていると指摘した。男女混合の部門もある。

 男性は女性より身体的に有利な特性を持っているかという質問に対しレーフェルト氏は、「それはある程度同意する」と答えた。

 共和党は、USFAが州の中絶やLGBTQに関する政策を基に大会の開催地を選定するなど、ウォーク(社会の問題に敏感な、覚醒した)な政策の影響を強く受けているとみている。

レーフェルト氏は共和党議員から多くの非難を浴びたが、民主党議員はトランスジェンダー選手を巡る議論はDOGE小委員会の場としては間違っていると主張した。

 メラニー・スタンズベリー委員(民主党、ニューメキシコ州)は、「彼らはDOGE小委員会で何をしているのか。トランスジェンダーの子供たちをいじめている。政府の監督や効率、経済とはまったく関係ない」と語った。

 また、スタンズベリー氏は、DOGE小委員会は「フェンシングの監督委員会のようだ」と述べた。

 USFAはフェンシングの国内統括団体であるが、連邦政府の資金援助は受けていない。クラブ数700以上、会員数4万5000人に上るこの民間団体は、連邦法に従っている。

 USFAは先月、連邦政府によって要求された場合、生物学的性別に基づいて競技することを選手に義務付ける改訂版「トランスジェンダーおよびノンバイナリー選手適格性指針」を作成したと発表した。

 トランプ大統領が2月5日に発表した大統領令は、連邦政府から資金援助を受けている学校やその他の機関に対し、男性として生まれた選手を女子スポーツから締め出すよう求めている。

 フェンシングに7000時間、レッスンと競技費用に10万ドルを費やしてきたというターナーさんは、フェンシングの勝敗を決める唯一の要因は技術であるという議論に異議を唱えた。

 「身体能力はフェンシングの重要な要因であり、戦略やテクニックと同等に働く。男女の違いや、女性が男性に負けたことを『スキルの問題』だとか、単に女性がもっと努力する必要があるとかいうのは、女性フェンシング選手にとって信じられないほど屈辱的なことだ」

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