録音記録が明かす、バイデン氏を隠蔽した民主党の陰謀

バイデンの経済・雇用統計 イラスト:Alexander Hunter/The Washington Times
By Editorial Board – The Washington Times – Tuesday, May 20, 2025
誰もが、ジョセフ・R・バイデン前大統領の知的鋭敏さの欠如を確認する最近公開されたオーディオテープに驚くべきではない。バイデン氏の相次いだ失言やぎこちない動作は、1973年に最年少で上院議場の扉をたたいた男の輝きを失い、その影と化した過程を物語っている。
2年前、ロバート・ハー特別検察官は、80代に達した最高司令官であるバイデン氏に対し、デラウェア州自宅の車庫にあるぼろぼろの段ボール箱に不法に保管されていた機密文書について、2日間にわたり徹底的な尋問を行った。会話の中、断続的に明瞭な状態と混乱状態を繰り返す姿により、陪審員たちが混乱した高齢者を有罪とする気にはならないだろうという理由で、バイデン氏は起訴を免れた。
また、ハー氏が、バイデン氏は健康で活力に満ちた状態ではないと示唆したことに対して激しく非難されたが、実際、バイデン氏の体調に関するうわさは、同氏が2020年の民主党大統領候補として浮上する前から既にささやかれていた。そのささやきは、同氏が2024年の党指名を受け入れる頃に叫び声に変わっていた。そして、伝説的な失言の数々は、尋常ではない何かが起きているという明確な手掛かりであった。
バイデン氏は、2015年にスティーブン・コルベア氏とのインタビューにおいて、国を率いるために全力を注ぐ自信があるかどうか疑念があると述べた。 「自分が万全の状態だと確信しているかと言えば、それはうそになる。全くもって正直に言っている」と語った。
それから5年後、2020年の大統領選期間中において、バイデン氏はさらに準備不足であることを露呈した。バイデン氏は自宅の地下室からほとんど出ることなく活動していた。スタッフたちは、同氏が公衆と対面することを拒んだ理由として、新型コロナウイルスを挙げた。一度内閣が顔をそろえた時、その場において同氏の集中力や存在感が十分でないことが明らかであった。にもかかわらず、これらの主要な民主党幹部たちは、国民が常勤の大統領を持つ措置としてその権限移行を定めた憲法第25修正条項に基づく職務を果たすことを拒絶した。
さらに、週末にバイデン氏が進行した前立腺がんに突如として罹患していたことが公表された。これは、国内有数の医師団が、高齢男性に多く見られるこの一般的な病気に対する検診を実施しなかったか、あるいはその事実が国民に隠された結果であると考えられる。
これが問題であるのは、もしバイデン氏が2024年の共和党候補ドナルド・トランプ氏との討論会を欠席していたならば、現時点で彼が大統領に就任していた可能性があるからである。あの惨めな討論会での出来事以降、ジャーナリストたちはバイデン氏の言動の不統一な瞬間を、単なる「口ごもり」としてやり過ごすことがもはやできなくなったのである。
メディアは常に自らが支持する候補者に欠点があったとしても、厳しい監視から守ろうとする傾向がある。例えば、報道陣はフランクリン・D・ルーズベルト元大統領が車椅子に依存していた状況を明らかにすることを拒否した。そうだとしても、同氏がホワイトハウスにおいて指揮を執っていたことには、ほとんど疑いがなかった。
しかし、同じことはバイデン氏については言えない。感染症対策を統括していたアンソニー・ファウチ氏は政権交代間際に、バイデン氏の署名を模倣するオートペンで署名された恩赦を受けた。このことは、署名が自動的に行われた結果、実際に大統領自身がその発行を認識していなかった可能性を含め、恩赦の正統性に対する疑問を投げ掛けるものだ。
ホワイトハウスの職員、特に報道官だったカリーヌ・ジャンピエール氏は、ハー氏の尋問によって明らかにされた、バイデン氏の能力低下(または何らかの障害)を隠すことで、上司を守ろうと最善を尽くした。ジャンピエール氏は自らの職務を忠実に遂行していたのだが、それに対しジャーナリストは国民に対して正確かつ信頼できる情報を提供する責任があったはずだ。
そのため、CNN司会者のジェイク・タッパー氏のような人物は、自らがその欺瞞(ぎまん)に一切加担していなかったかのように装い、歴史を書き換えようとしている。つい昨年まで、タッパー氏は「ウォール・ストリート・ジャーナルによるバイデン大統領の知的健全性および鋭敏さに関する虚偽の主張」を非難していた。
幸いなことに、バイデン氏はこのような懸念に気を取られることはない。公職の重荷から解放された今、同氏は治癒に専念でき、うまくいけば早期の回復へと向かうだろう。