若い保守派が台頭 Z世代の左派離れ

(2025年9月3日)

2018年11月6日、アメリカ・カリフォルニア州フラートン: フラートンの投票所で投票の列に並ぶ有権者。ファイル写真クレジット:Matt Gush via Shutterstock.

By Mallory Wilson – The Washington Times – Monday, September 1, 2025

 19歳のキーラン・ラフィーさんは、「今は保守派であることがかっこいいと感じ始めている」と話す。

 民主党は数十年間、選挙で若者の票を頼りにしてきたが、近年、変化が起きている。世論調査によると、これまでリベラルが大多数だった若者の間で、保守的な考えを受け入れる傾向が強まっている。

 ワシントンにあるジョージ・ワシントン大学(GWU)で政治学を学び、学生組織「GW大学共和党」の会長を務めるラフィーさんは、「国中の若者が目覚めているようだ」と述べた。

 ラフィーさんは、1990年代後半から2010年代初めに生まれたZ世代の一員だ。この世代は現在、高校生から30歳であり、その多くが、リベラルなエスタブリッシュメント(既得権益層)に反発し、左翼思想は抑圧的と考えている。

 ラフィーさんは「この10年間、私たちはずっと見てきた。私のような若い白人男性はあらゆる場面で、完全に悪者にされ、嫌われ、間違っている、人種差別主義者だ、性差別主義者だと言われてきた」と話した。

 一部のリベラル派は、誤った情報や偽情報が蔓延しているスマートフォンやコンピューターの慢性的な使用が、若い保守派の出現の原因だとしている。

 ニューヨーク州ビンガムトン大学の大学民主党支部の支部長ライアン・ゲアさん(19)は「テクノロジーは今はどこにでもあって、TikTok(ティックトック)などのアプリも含め、手元ですぐに使える。目の前にあからさまな誤情報が流れてきても、もう誰もそれを指摘しなくなってしまっている」と語った。

パンデミックの影響

 2025年春のエール大学青年調査によると、22~29歳の有権者は民主党候補を約6ポイント差で支持していたのに対し、18~21歳の有権者は共和党候補を約12ポイント差で支持していた。

 若い有権者は、他の社会的見解に関しても保守的な傾向がある。女子スポーツのトランスジェンダー選手を支持しない傾向が強く、ウクライナへの支援拡大に反対している。

 この世代の中の年上層は若い層とは異なる人生経験を持っている。Z世代の若い層は、新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)による学校閉鎖で、授業はオンラインに変わり、マスクが導入され、国がパンデミックへの対応をめぐって分裂するのを目の当たりにしてきた。それが、若い層の政治観に影響を与えた。パンデミックが学校生活や社会生活に影響を与える前に、学校で友人に会い、スポーツやプロム(高校卒業記念パーティー)に参加し、卒業することができた年上層とはその点違っている。

 パンデミックの初期に14歳だったラフィーさんは、学校封鎖は「米国の政治に目覚め始めていた」ときだったと述べた。

 「高校時代は普通の子供で、ずっとホッケーをしていて、友達と遊んでいたが、それがすべて止まってしまった。誰がここで糸を引いているのか、何が起こっているのかに気づき始めた」

トランプ氏の出馬

 パンデミックによる激変に加えて、Z世代の年上層はスマートフォンが支配的になる前の子供時代を経験している。ソーシャルメディアのアプリは限られており、教室ではあまりハイテクは使われていなかった。

 Z世代の若い層は折り畳み式の携帯電話に触れたことがなく、すぐに使えるソーシャルメディアアプリが豊富で、学校ではクロームブックを使っていた。選挙権を持つようになったころには、ソーシャルメディアが主流となり、インフルエンサーが有名人になっていた。

 2024年には、両主要政党の全国大会で初めてインフルエンサーが登場し、インスタグラムやティックトック、Xでコンテンツを発信した。

 アイオワ州の元下院議員で28歳のジョー・ミッチェル氏は「推進力の一つはドナルド・J・トランプと彼の立候補だったと思う。もし彼が候補者でなかったら、2016年から2020年、2024年に見られたような若者の票の大きな変化は見られなかったと思う」と述べた。ミッチェル氏は同州最年少の州議会議員で、若い共和党員の立候補を支援するために「Run GenZ(Z世代よ、立候補せよ)」を設立した。

 ミッチェル氏は、人々は自分たちの声をきちんと聞いてくれる「本物で誠実な候補者を求めていた」と述べた。トランプ氏は、そうした期待に応え、世間の批判や「拒否」を恐れることなく、従来の政治の型を打ち破った。

 ミッチェル氏によると、この運動は2016年から2024年にかけて、高校生や大学生の保守派を支援する「ターニング・ポイントUSA」の創設者チャーリー・カーク氏(31)らの支援を受けて成長したという。

 「今回の選挙で、私たちは前例のない形で文化的な影響力を発揮した」

大きな変化

 カタリスト社のデータアナリストがまとめた報告書「What Happened 2024(2024年に起きたこと)」によると、30歳未満の有権者の民主党支持率は、2020年の61%から2024年の55%に低下した。若者の民主党支持率が歴史的に高かった数年間とは対照的だ。

 民主党の有権者登録が危機的状況にあるのはこれが一因だ。

 ニューヨーク・タイムズの分析によると、民主党は2020年から2024年の間に約210万人の登録有権者を失った。その中でも特に、男性や若い世代の登録が大きく減少した。一方で、共和党は同じ期間に約240万人の登録有権者を増やした。

 民主党の有権者登録の減少が見られたのは、有権者が政党に登録する30州とワシントンだ。他の20州は政党別の登録を行っていない。

 ハーバード大学政治研究所の世論調査部長ジョン・デラ・ボルペ氏は、「この世代は、成長期にパンデミックによる孤立、不安定な経済を経験し、住宅費や教育費の高騰に直面してきた。その一方で、逆境への適応力が不十分と言われてきた。Z世代が必要としているのは、説教ではなく、彼らの苦労をよく理解し、話をよく聞いてくれるリーダーだ」と述べた。

 ゲアさんは、ここ数年の民主党の選挙運動のやり方に「かなり幻滅している」と認めた。

「Z世代の右傾化やこの種のことについて話すとき、トランプ陣営が彼らにうまく手を差し伸べたからだと考えたとして、…それらは最終的には、民主党の失敗が原因だ」

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