学校に警備ドローン 乱射事件阻止へ試験運用

テキサス州オースティンに拠点を置くスタートアップ企業「キャンパス・ガーディアン・エンジェル」は、非致死性のサイレン、物理的接触、ペッパースプレー、閃光手榴弾を用いて学校銃乱射事件を阻止する世界初のセキュリティドローンの試験運用を開始した。同社はフロリダ州、テキサス州、コロラド州、およびコロンビア特別区の数十の公立・私立学校で、靴箱サイズの無人航空機500機を用いたパイロットプログラムを実施している。(写真提供:キャンパス・ガーディアン・エンジェル)
By Sean Salai – The Washington Times – Thursday, November 13, 2025
テキサス州のスタートアップ企業が、学校での銃乱射事件を阻止するための世界初の警備用ドローンの試験運用を行っている。このドローンは、サイレン、物理的接触、催涙スプレー、特殊閃光弾などを備えている。
オースティンに拠点を置くキャンパス・ガーディアン・エンジェル社は、コロラド州、フロリダ州、テキサス州、ワシントンの公立および私立学校数十校で、靴箱サイズの無人機500機を使ったパイロットプログラムを、来年2月初旬までの予定で実施している。
安全上の理由から、参加している学校や学区の多くは公表されていない。
ジャスティン・マーストン最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「私たちは学校の安全のための特殊部隊シールズ・チーム6を作っている。駐車場にSWATチームが待機しているようなものだが、コストはそれほどかからない」と語った。
参加校は、重量約1.8~2.7キロのプロペラ式ドローンを、校内のあちこちに隠したボックス内に保管している。教師は、テキストメッセージ、電話、またはパニックボタンを押すことでサイレントアラームを作動させ、同社に模擬訓練の開始や実際の銃撃事件への対応を指示できる。
アラームが鳴ると、オースティンのオフィスにいる12人のチームに通知される。チームはドローンを24時間体制で監視し、ライブ映像や音声を通じて遠隔操作する。
同社の運用手順では、操縦者は時速約110キロで飛行するドローンを起動し、現場の学校関係者とリアルタイムで連絡を取ることが求められている。
ドローンが銃撃犯に遭遇すると、操縦者は双方向スピーカーで銃を捨てるよう命令する。従わなければ、サイレン、催涙スプレーボール、閃光弾、最終的には体当たりによって犯人を倒すという手順が取られる。
武力行使を許可できるのは、学区警察官のみ。同社はまた、第三者に閃光弾や催涙スプレーによる負傷が発生した場合、1件につき最大500万ドルまで補償する保険に加入している。
キャンパス・ガーディアン・エンジェルは、トップクラスのドローン操縦者を採用し、元特殊部隊兵士や人質救出の専門家の訓練を受けさせていると強調する。同社によれば、そのためドローンの方が、銃を携行する校内警察官よりも安全だという。
ドローンは、警察が到着するまでの間、単独の銃撃犯を抑止または阻止することで校内警察官を支援し、コロナ禍後の銃乱射事件増加を懸念する学校管理者が安全を確保できるよう設計されている。
「目標は、誰かが銃を持って学校に入ってきて、学校から連絡があってから5秒で対応し、15秒で犯人に接触し、50秒でその能力を削ぐか無力化することだ」とマーストン氏は述べた。
同社は3機入りのドローンボックスをおよそ9000ドルで販売している。
ジョージタウン大学のエデュノミクス・ラボ所長で教育財政学教授のマーガレット・ローザ氏は、ワシントン・タイムズが提供したデータを分析した結果、多くの学校にとって「得な買い物」だと指摘した。
ローザ氏は電子メールで「このシステムのコストは生徒一人あたり年間約20ドルのようだ。一方、学校に常駐するフルタイムの警備員のコストは、生徒一人あたり平均200ドルだ」と指摘した。
コメントを求めた教育関係者の多くは、このドローンに対して複雑な反応を示した。法的問題、生徒への心理的影響、犯人がドローンを近づけないよう子供たちと部屋に立てこもる可能性などが懸念として挙げられた。
全国保安官協会のジョナサン・トンプソン専務理事は、「多くの訓練と実践が必要になる。危害を加えようとしている人物と、危害を及ぼしかねない人物との線引きは難しく、それができるのは専門家だけだ」と語った。
同社は昨年夏にデモンストレーションを実施し、コロラド州オーロラの私立レジス・ジェズイット高校でドローンの試験を行った。
デンバーの非営利団体「ファスターコロラド」で、緊急時の教師による銃使用の訓練を行っているローラ・カーノ氏は、「何州も離れた」民間の管制センターからでドローンを操れるのか疑問視した。
「全体として、ホチキス、ゴミ箱、椅子などを襲撃者に投げつけるのと同じで、注意を逸らすことができるだけましかもしれない。しかし、万能薬ではなく、実際に殺戮を止められる十分な訓練を受けた武装要員の代わりにはならない。殺人者は注意を逸らされても撃ち続けることはできる」
また、ドローンは施錠されたドアを突破することはできず、2022年5月にテキサス州ユバルディのロブ小学校で、19人の児童と2人の教師が殺害された事件でも同様の問題があったと指摘した。
このようなドローンが、むしろ学校内の不安を助長し、問題を招く可能性があると指摘する専門家もいる。
サンタクララ大学教授で米国心理学会のメンバーでもあるトーマス・プラント氏は、「一方では、学校を安全に保つための安心感を与えるかもしれない。しかし他方では、学校がまるで戦場であるかのような印象を与える恐れがある」
今年に入って、テキサス州の4校と、ワシントンのある私立の大使館職員の子女向け学校が、このドローンの試験を受け入れている。
テキサス州のベルネ独立学区の警備責任者リック・グッドリッチ氏は、サンアントニオ近郊のテキサスヒルカントリーの公立学区が「概念実証試験」を行っていると語った。
連邦法執行官出身のグッドリッチ氏は12日のメールで「このドローンは、この学区にとって次に進むべき正しい一歩だと考えている。ドローンがもう一段の安全性を提供してくれるからだ。他の学区も同じ方向へ進むことになるだろうと予想している」と語った。
今年6月、フロリダ州のロン・デサンティス知事は、3つの学区が今秋のパイロットプログラムに参加するための55万7000ドルの予算を承認した。同州では2018年以降、60件以上の学校銃撃事件が報告されている。
フロリダ州教育省は、パイロットプログラムに参加する学区名を非公開としており、取材への回答はなかった。