中国の宗教弾圧は米国家安全保障への脅威 専門家らが警告

(2025年11月26日)

2025年10月23日(木)、新華社通信が発表した写真。北京で開催された中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議で演説する中国の習近平国家主席。(謝歓池/新華社=AP通信)

By Jeff Mordock and Mike Glenn – The Washington Times – Thursday,November 20, 2025

 中国は宗教の自由を侵害しており、キリスト教徒の逮捕は、米国に対する国家安全保障上の脅威であり、強力な対応が必要だ――専門家グループが20日、ワシントンの連邦議会で議員らに訴えた。

 1期目のトランプ政権で国際宗教自由大使を務めたサム・ブラウンバック元カンザス州知事は、議員らに対し、中国の宗教弾圧をこれまでのように人権問題として見るのではなく、国家安全保障問題として捉えるよう呼びかけた。

 ブラウンバック氏はこれを「国家安全保障上の責務」と呼び、無神論を掲げる中国共産党が宗教を排除しようとしているのは、敵を一掃するための取り組みの一環との見方を示した。

 ブラウンバック氏は、上下両院の議員で構成される「米中経済安全保障調査委員会」の公聴会で、「中国は宗教と戦っており、われわれとも戦っている。断固として、中国の敵の側に立たねばならない。中国は、空母や核兵器よりも宗教の自由を恐れている」と述べた。

 「世界最大の独裁国家、中国が宗教の自由を根絶しても何の罰も受けないなら、米国の建国の価値観と世界的リーダーとしての正当性が損なわれる」

 中国はこの数週間に、ほぼ7年で最大規模となる宗教弾圧を開始した。

 中国当局は15日、地下教会の指導者18人を逮捕した。訴追され、3年間投獄される可能性がある。

 この18人は、中国政府が認めていない非公式のキリスト教「家庭教会」であるシオン教会のメンバーだった。中国当局は先月、シオン教会のスタッフや牧師ら30人近くを拘束しており、これは、キリスト教への弾圧としては2018年以来最大だ。

 トランプ政権は拘束を非難。マルコ・ルビオ国務長官は10月、この措置は中国のキリスト教徒に対する敵意を示すものだと述べた。

 国際キリスト教弾圧監視団体「オープン・ドアーズ」によれば、中国には約9600万人のキリスト教徒がいる。公式の情報によると、そのうち4400万人以上が政府公認教会に登録しており、その多くはプロテスタントである。さらに数千万人が中国共産党の管理を受けない違法な「家庭教会」に属しているとみられている。

 シオン教会は約50都市に5000人の信徒を抱えている。コロナ禍以降はビデオ会議システム「ズーム」を使ってオンライン説教によって活動範囲を広げた。金明日牧師が国家管理のプロテスタント教会を辞職したことを機に2007年に設立した。中国当局は10都市で教会員を逮捕した。

 金牧師も14日に拘束された。

 娘のグレース・ジン・ドレクセル氏は委員会で、シオン教会のメンバーへの中国の弾圧は米国にいる自分にも及んでいると述べ、弾圧が米国にまで広がり得ることを強調した。

 グレース氏は、母親が米当局者を装う人物から電話を受け、自身もワシントン市内で監視、尾行されていると述べた。

 世界の宗教の自由を推進する非営利団体「チャイナエイド」の創設者であり代表のボブ・フー氏は、中国の教会弾圧は世界中に及んでおり、米国やカナダの中国系キリスト教会に中国共産党の旗を掲げるよう圧力をかけることもあると述べた。

 フー氏は、自宅が100人以上の中国共産党の工作員に包囲され、家族が脅されたと証言している。発言させないようにするためだ。

 「中国共産党の弾圧は中国国内にとどまらない。すでに海外、とくに自由世界にその手を伸ばしている」

 中国の行動は、世界で進むキリスト教弾圧の一環だ。20日、下院外交委員会アフリカ小委員会は、ナイジェリアでのキリスト教徒への迫害に関する公聴会を開いた。

 ナイジェリアのカトリック司教ウィルフレッド・アナグベ氏はアフリカ小委で、ナイジェリアはキリスト教徒にとって依然として世界で最も危険な場所だと証言した。トランプ大統領はその人権状況から同国を「特に懸念すべき国」に指定している。アナグベ司教はこれをジェノサイド(大量殺害)と表現した。

 ナイジェリアの人権団体「市民的自由と法の支配のための国際協会」の最近の報告によれば、イスラム教過激派勢力が毎月100以上の教会を破壊している。今年に入って少なくとも7000人のキリスト教徒が殺害されたという。

 18日、寄宿学校から25人の女子生徒が誘拐され、数日後には、武装集団が同国中部の教会を襲撃し、少なくとも2人を殺害、牧師と信徒数人を拉致した。事件は捜査中だ。

 アフリカ小委のクリストファー・スミス委員長(共和党、ニュージャージー州)は「ナイジェリアのキリスト教徒は今日、世界で最も残虐な迫害を受け、多くが殺害されている。穏健なイスラム教徒も、過激派に反対したり従うのを拒めば殺される」と語った。

 中国ではすべての宗教にわたって、政府の統制強化の影響を受けている。教会の建物が破壊され、十字架は撤去され、宗教関連の資料は制限され、一部のキリスト教アプリは禁止されている。

 2005年と2018年には、宗教団体に関する規制が強化された。2018年の規制で、礼拝に政府の承認が必要となった。だが、中国共産党は承認をほとんど出さず、多くの教会が活動を停止し、閉鎖に追い込まれた。

 2016年、習近平国家主席は宗教の「中国化」を求めた。

 最近の兆候は、中国当局が再び宗教、特にキリスト教への締め付けを強めていることを示している。

 陝西省西安の「シオンの光教会」の高全福牧師は5月に拘束され、「迷信を用いて法の執行を妨害した」とされた。1カ月後、山西省臨汾の金灯台教会の数人が詐欺罪で有罪判決を受けた。宗教団体はこれを政治的動機によるものであり、不当と非難している。

 9月、中国共産党は宗教指導者の新たな行動規範を発表し、認可団体によるオンライン説教のみを許可した。これらの規則は、地下教会によるオンライン礼拝を制限しようとしたものと広く非難されている。

 ブラウンバック氏は「統制できなくなることを恐れている。自信ある国家の振る舞いではない」と語った。

 ブラウンバック氏と委員らは、中国国内での宗教の自由を支援する国家安全保障戦略を米国は採用すべきだと主張した。同氏は中国に強力な経済制裁を科し、圧力を強めることを提案した。

 一部の委員も、この提案を支持した。

 ジェームズ・マクガバン下院議員(民主党、マサチューセッツ州)は「単なる非難の言葉でとどまってはいけない。実際に影響を及ぼす対応を取ればどうなるかを考えるべきだ」と述べた。

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