電気自動車バブル、ついに崩壊
(2025年12月28日)

アレクサンダー・ハンター/ワシントン・タイムズ紙による、電気自動車への政府の「移行」のネガ面を示すイラスト
世界の指導者たちは、内燃機関の死を宣告するには少々早計だった。世界的自動車メーカー、フォードがその最新の例だ。最近、電気自動車(EV)に全精力を注いだことが200億ドル規模の致命的な誤りだったと認めた。
フォードのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)はCNBCに、「5万ドル、6万ドル、7万ドルもするEVは売れなかった。われわれは顧客がいる市場へと舵を切っている。…私自身はその製品が好きだが、7万ドルもする高価な電動トラックは理にかなっていなかった」と語った。
ミシガン州ディアボーンに本拠を置く同社だけが、全車種の電動化に突き進んだわけではない。ほぼすべての主要ブランドが、いずれ人々は数百キロ走行した後、路肩の充電所に車を止め、1時間以上待って高性能のポンコツ車に電力網から十分な電気を注ぎ込むつもりになるという幻想を受け入れてしまった。
このポリティカルコレクトネス(政治的な正しさ)の時流に乗らなかった注目すべき例外がトヨタである。日本企業である同社が生産しているバッテリー駆動車は1車種のみで、残りはハイブリッド車や通常のセダン、スポーツ用多目的車(SUV)が中心だ。さらには、今では珍しくなったガソリンを大量に消費するスポーツカーを2車種も提供している。
一方、他の自動車メーカーの経営幹部たちは、トランプ大統領が補助金を止めたことで、世界が一変したと感じた。予想通り、EV販売は補助金が消えた瞬間に53%も急減した。政権はまた、化石燃料車を締め上げることを目的としていた、厄介な車両平均燃費規制の撤廃にも乗り出している。
明るい材料もある。大手自動車メーカーは、誰も欲しがらない高価格モデルの開発に、もはや何千億円も焚き火の中に投げ込まずに済む。誤った資本配分は、ガソリン車でさえも価格を押し上げた。研究開発費のツケは、誰かが払わねばならないからだ。
その結果、現在の自動車の平均価格は780万円に達し、過去10年間で250万円という驚くべき上昇を見せている。この詐欺的構図が崩れつつある今、価格は落ち着くはずだ。
トランプ氏は今月初め、前政権の企業平均燃費(CAFE)基準を廃止する大統領令に署名した際、「馬鹿げていた。非常に高価で狂気じみたEV義務化と相まって、自動車価格に強烈な上昇圧力をかけた。バイデン政権の過剰な規制は、車の価格を25%以上押し上げ、あるケースでは1年で18%も上昇させた」と述べた。
ダフィー運輸長官もX(旧ツイッター)に「自由とは手頃な価格の車を意味する」と投稿し、欧州ですらトランプ氏の行動の妥当性に気付き始めている。欧州委員会は16日、EV義務化の見直しとも受け取れる改革パッケージを発表した。
もっとも、実際には小幅な後退にすぎない。自動車の100%を電動化するという命令の代わりに、ブリュッセルの官僚たちは10%をガソリン車として認めるというのだ。何とも気前がいい話である。欧州委員会は声明で、「自動車オムニバス法は行政負担を軽減し、欧州メーカーのコストを削減して国際競争力を高め、脱炭素化のための資源を解放する」と説明した。
これはデトロイトにとって朗報だ。なぜなら、10%の猶予では競争力を保つには不十分だからである。欧州大陸には過去の机上の空論に浸らせておけばよい。米国は再調整を行い、国民が自らのニーズや嗜好に最も合った製品を選ぶという、かつての自由を取り戻すべきだ。
自動車設計への政府介入は失敗に終わった。フォードの迷走は、経済の他分野にも手を突っ込もうとする議会への警鐘である。市場の勝者と敗者を選ぶことにかけて、政府は無能なのだ。