学費高騰、労働市場とのミスマッチ 大学が抱える課題明るみに

ロサンゼルスのUCLAキャンパスで、学生たちがロイス・ホールの前を歩く様子(2024年8月15日)。(AP通信/ダミアン・ドバルガネス撮影)
By Sean Salai – The Washington Times – Thursday, February 26, 2026
大学は、学費の高騰や労働市場とのミスマッチ、政治的分断といった課題を克服できると多くの在学生や卒業生が考えていることが、新たな調査で明らかになった。
米世論調査会社ギャラップと非営利団体ルミナ財団は今週、大学を「強く」または「かなり強く」信頼していると答えた成人の割合が、2015年の57%から2025年に42%に低下したとする調査報告を公表した。
昨年、大学をほとんど、あるいは全く信頼していないと答えた人のうち、38%が授業の政治化、32%が職業に直結する技能を教えていないこと、24%が学費の上昇をその理由に挙げた。
一方、学生は楽観的だ。昨年後半に実施された調査で10人中約9人が、授業は将来のキャリアに関連していると考え、授業が政治化していると感じていると答えたのはわずか2%だった。
調査対象の学生の10人中約9人は、取得する学位は学費に見合うだけの価値があると答えた。
卒業生の多くも肯定的な見方を示したが、調査では「大学卒業生の5人に1人が卒業後1年以内に良い職を見つけられていない」と指摘している。
ルミナ財団のコートニー・ブラウン副会長(影響評価・計画担当)は、調査結果から、学費が適切かどうかを見直す必要があることが分かると述べた。
ブラウン氏は電子メールで「就職データを公表し、技能との整合性を強調し、実際にどのようなキャリアを進むのかを示すべきだ。第2に、学費の設定と透明性の問題に正面から取り組むべきだ。学生は大学に価値があると思っていても、費用がそれに見合っていないと感じている可能性はある」と指摘した。
昨年、調査対象の学生の57%は「4年制大学の学費は適正でない」と考えていた。
近年は、高額な学費にそれだけの価値があるのかと疑問を抱く高校卒業生は増加しており、大学の閉鎖や統合が加速している。
入学担当部門は、2008年以降の米国の出生数減少を受け、今春の大学志願者が15%減少する事態に備えている。
教育省は先月、学部卒業生が平均的な高校卒業生よりも高い収入を得ていることを示さなければ、連邦補助金を受け続けられないとする規則を最終決定した。
ホワイトハウスのリズ・ハストン報道官は電子メールで、「トランプ大統領はエリート大学に責任を果たさせる決意だ。そのため、高等教育がその価値を取り戻し、キャンパスでの活発な議論を促進し、米国の優位性を将来にわたり維持するための措置を講じている。もっと早く取り組むべきだった」と述べた。
ワシントン・タイムズの取材に応じた複数の高等教育関係者は、この調査によって大学の情報発信を巡る問題が拡大していることが浮き彫りになったと語った。
アーカンソー大学の高等教育経済学者ハリー・パトリノス氏は、「問題は大学が利益をもたらさなくなったことではなく、多くの人がそう思わなくなっていることだ。授業料の上昇や学生ローン債務に関するニュースが絶え間なく報じられていることが大きな理由だ」と述べた。
教育支援団体は、就学年数が1年増えるごとに所得が増えることを示す長年の研究成果を強調する。
州の公立大学を監督する機関を代表する州高等教育行政官協会の報道担当ジェシカ・デュレン氏は、「数多くのデータに基づけば、学位や質の高い資格を取得することは依然として経済的流動性と雇用機会への最良の道だ」と述べた。
別の当局者は、今回の結果は、ますます厳しくなる雇用市場の中で進められている高等教育の「適正規模化」を後押しするものだと語った。
ジョージタウン大学教育・労働力センターによると、2031年までの年間求人の約3分の1は、学位よりも資格が必要となるとみられている。
クリーブランドを拠点とするコンサルタントで元大学教授のリンダ・オア氏は「大学には、より明確な成果、より少ない間接費、そして労働市場の現実に迅速に対応する体制が必要だ」と述べた。
保守系団体、全米学者協会のピーター・ウッド会長は、学生や卒業生が大学の価値を過大評価しがちだが、その背景には、投資した多額の費用や時間、労力を正当化しようとする心理的メカニズムが強く働いていると指摘する。
ウッド氏は「学生が自らの大学教育に置く価値は通常、社会全体よりもはるかに高い。その真の価値は、市場というシビアな現実と、利害関係のない第三者による評価によって決まる」と強調した。
【時代遅れの学位】
多くの高等教育アナリストは、学費の上昇や、学位と職務要件とのミスマッチ拡大への懸念があることを認めている。
大学が人工知能(AI)への対応に苦慮していることや、求人情報で「経験、学位不要」と記載する雇用主が増えていることも指摘した。
カリフォルニア大学デービス校のバネッサ・エレカルテ教授(大学院経営学)は、「雇用主はますますデジタル対応能力やコミュニケーションの明確さ、適応力、AI活用能力を評価している。学位だけではもはや十分ではない」と指摘した。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の教育経済学者ディック・スターツ氏は、大学の費用は25年前から50年前と比べて「はるかに高くなっている」と指摘した。
政治的二極化の原因については、専門家の間で意見が分かれている。キャンパスでのリベラルへの偏向を共和党が誇張していると批判する声もある。
ペンシルベニア大学のジョナサン・ジマーマン教授(教育史)は、「高等教育に対する国民の信頼低下の最も明白な原因は、共和党が高等教育を最大の敵に仕立て上げたことだ」と述べた。
一方で、保守派に対するキャンパス内の検閲の増加を示す調査結果を指摘する声もある。
リベラルアーツ擁護団体全米理事・卒業生評議会のフェロー、スティーブン・マクガイア氏は、「こうした結果は、発言者を怒号で妨害するなどの自己検閲や不寛容がキャンパスに広がっているとする他の調査の定期的な結果を損なうものではない」と述べた。
メリーランド州アナポリスのセント・ジョンズ・カレッジのノラ・デムライトナー元学長は、高等教育の最大の問題は依然として非政治的なものだと述べた。
「教育をより職業関連性のあるものにし、学生が学んでいる内容と期待される職業技能との結び付きを理解するのを支援するには、まだ取り組む余地がある」とデムライトナー氏は語った。
【教育課程の適正規模化】
近年の高等教育の「適正規模化」には、実習プログラムの拡充や職業学校の資格課程、コミュニティーカレッジの学士課程拡大などが含まれる。
労働力の高齢化と出生率の低下が進む中、技術、医療、専門サービス分野が成長分野として浮上している。しかし、多くの大学はいまだに、そうした職種との明確な関連性を欠く理論中心の人文学プログラムに高額な授業料を課している。
ニューヨークのトゥーロ大学の最高学務責任者パトリシア・サルキン氏は、「高齢化するベビーブーマー世代を支えるため、医療や関連するセーフティーネット分野は重要な成長領域だ」と述べた。
元コーネル大学入学局長で、現在はアイビー・チューターズ・ネットワークで大学入試部門を率いるジョン・モーガネリ氏は、教育費が「現実から遊離している」と感じさせないよう、理論よりも実践的な授業に置き換えるべき時だと語った。
「大学は抽象論で議論するのをやめ、透明性のある学費設定やプログラム別の成果、学生が実際に活用する内容とのより緊密な整合性によって価値を証明すべきだ」とモーガネリ氏は述べた。
大半の大学が世論の流れを書き換えられるかどうかは依然として不透明だ。
ジョージア大学のティム・ケイン教授(高等教育)は、「高等教育という部門は、それを貶めようとする資金力があり政治的動機を持つ組織と競い合うだけの財政的余力を持たない」と述べた。
一方、カレッジ・ガイダンス・ネットワーク共同創設者のジョン・カーソン氏は、自身が30年前に大学に通っていたころと比べ、大学以外の道を検討する家族が増えていると語った。
「インフレ調整後の初任給はこの30年間ほぼ変わっていない。授業料は10倍に上がった」