ディズニーがUAEにリゾート計画 「偽善の極み」と非難

(2025年5月12日)

2015年1月14日(水)、アラブ首長国連邦のアブダビで、気温24度の好天を楽しむさまざまな国籍の人々。(AP Photo/Kamran Jebreili, File)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Thursday, May 8, 2025

 ディズニーは世界でも特にLGBTQに優しい企業だが、これから建設するテーマパークは、同性愛行為が死刑とされる国にオープンする。

 ウォルト・ディズニー・カンパニーは、7番目のテーマパークをアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに建設することを発表した。

 言い換えれば、一部のディズニー・キャラクター、特にルフウはフロリダ州のオーランドに戻った方がいいということだ。

 保守系の非営利団体「アメリカン・プリンシプルズ・プロジェクト」代表のテリー・シリング氏は、「ディズニーの偽善がまた明らかになった」と語った。

 「ディズニーは、米国ではウォーク(差別などに敏感)なジェンダー・イデオロギーやLGBTQを擁護するが、これから進出するアブダビではそのような行動や視点は犯罪とされている。このダブルスタンダードは、彼らの真の優先順位を露呈している。都合のいいときだけ『進歩的』なアジェンダを推進する一方で、カネのために他の場所では価値観を変える」

 ディズニーのLGBTQ擁護の歴史は長い。特に2022年に可決された「教育における親の権利」法案をめぐるフロリダ州のロン・デサンティス知事との争いを考えると、7日朝の発表を聞いて保守派はコーヒーを噴き出したはずだ。

 この法案は、「ゲイと言ってはいけない」法案と批判され、幼稚園から小学3年生までの子供への性自認と性的指向に関する指導を禁止するものだった。

 保守系ニュースサイト「アウトキック」の創設者クレイ・トラビス氏はソーシャルメディアで、「幼稚園から3年生までの性教育を禁止しただけの『ゲイと言ってはいけない法案』を巡って、フロリダ州のデサンティス知事を訴えたディズニーが、今、同性愛者が死刑となる可能性のあるアブダビに新しいテーマパークを建設すると発表した」と皮肉った。

 この投稿に対して、「ディズニーは『もうゲイじゃない』と思っているんだろうね」「偽善の極み、ディズニー 」などの反応があった。

 保守系サイト「トゥイッチ―」はこんな見出しを掲げた-「デサンティスを悪者扱いしたディズニーが、(絶対にゲイと言ってはいけない)アブダビにパークを建設予定」

 2022年、UAEのメディア規制局は、レズビアンのキャラクター2人がキスをするディズニーとピクサーのアニメ映画「ライトイヤー」を上映禁止にした。

 保守系ブログ「リーガル・インサーレクション」は、「説教したことを実践しない超ウォークな企業による、またしても偽善的な行動だ」と述べている。

 主要LGBTQ団体は、ディズニーがアブダビに7つ目のテーマパーク・リゾートを建設することを決定したことについて口を閉ざしているが、ディズニーのファンサイト「インサイド・ザ・マジック」は7日の投稿で、LGBTQだけでなくユダヤ人観光客のセキュリティーについても懸念を示した。

 「このプロジェクトが成功するかどうかは、アトラクションだけでなく、すべての来訪者をいかに受け入れ、保護し、すべての人にとって安全で包括的な体験を保証できるかにかかっている」

 2022年に、ディズニーの幹部らが子供向け番組にLGBTQのテーマやキャラクターをどのように盛り込むかについて話し合っている様子を捉えた動画がリークされ、同社が批判にさらされた。動画の中で、ある幹部はそれを「全然秘密じゃないゲイの番組」と呼んでいた。

 昨年就任したディズニーのボブ・アイガーCEOは、政治から手を引くことを誓ったが、同社はその後もテーマパークでLGBTQのイベント「プライド・ナイト」を開催し続け、ヒューマン・ライツ・キャンペーンの企業平等指数では満点を獲得している。

 つまり、ディズニーの文化は、イスラム教を公式の宗教とし、シャリア(イスラム法)に基づく制度があるUAEの文化とは、まったく相いれない。

 この国では、男女を含む「他人との不自然な性行為」を禁止する法律により、同性間の性行為を禁じている。性的少数派を支援する英慈善団体「ヒューマン・ディグニティー・トラスト(HDT)」によれば、この法律により最高で14年の刑罰が科されるが、シャリアでは死刑もありうる。

 HDTのサイトには「トランスジェンダーの人々は、同性間の行為を犯罪とする法律を基に捕らわれる可能性があることに加え、1987年に制定された連邦刑法でも訴追される可能性がある。この法律では、『男性が女性に変装すること』を犯罪とし、最高刑は禁固1年と罰金としている」と書かれている。

 ワシントン・タイムズはHRCとディズニーにコメントを求めた。ディズニーはプレスリリースやディズニー傘下のABCで放映された「グッドモーニング、アメリカ」で、UAEの厳しい反LGBTQ法について触れていない。

 ディズニーのプレスリリースは「このウォーターフロント・リゾートは、エンターテインメントとレジャーの世界的な目的地であるヤス島に位置し、中東、アフリカ、インド、アジア、欧州など世界各地からの旅行者をつなぐ。この7つ目のディズニー・テーマパーク・リゾートで、ディズニーの象徴的なストーリー、キャラクター、アトラクションは、アブダビの活気ある文化、素晴らしい海岸線、息をのむような建築物と融合される」としている。

 このテーマパークは、アブダビを拠点とする開発会社ミラールによって建設・運営される。CNNの元記者で、ニュースサイト「ステータス」創設者オリバー・ダーシー氏によれば、この100億ドルのプロジェクトの資金はディズニーではなく、すべてミラールが負担する。

 ヤス島にはすでに、ワーナー・ブラザーズ・ワールド、シーワールド、ウォーターワールドなどのテーマパークがある。

 アイガー氏は「ディズニーランド・アブダビは、正真正銘のディズニーであり、首長国ならではのディズニー・エンターテイメントのオアシスとなる」と述べた。

 いつオープンするかは発表されていないが、ディズニーは現在、アナハイム、オーランド、パリ、東京、香港、上海にテーマパーク・リゾートを展開している。

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