グリーンランドで紛争なら軍事的対応も ロシア大使が警告

2025年6月22日日曜日、グリーンランドのヌークにあるハンス・エゲデ像の前に立つ観光客。(AP Photo/Kwiyeon Ha)
By Mike Glenn – The Washington Times – Thursday, July 17, 2025
ロシアの駐デンマーク大使は17日、グリーンランドを巡る武力衝突は北極圏に「悪影響」を及ぼす可能性があるが、その場合、ロシア政府はこの地域で行動を起こす用意があると警告した。グリーンランドは豊富な天然資源を持ち、トランプ米大統領が米国への併合を繰り返し訴えている。
ウラジーミル・バルビン大使は国営RIAノーボスチ通信とのインタビューで、「グリーンランドを巡る紛争は、地域安全保障に確実に悪影響を及ぼす。そうなれば、ロシアは新たな脅威に対応するために適切な軍事的、技術的措置を講じざるを得なくなる」と述べた。
バルビン氏は、グリーンランドについて激しい議論が戦わされており、現状でのデンマーク当局との「実質的な対話」は不可能だと述べた。
トランプ氏は、グリーンランドを北極地域でロシアや中国のような潜在的敵対国に対する防波堤として米国の一部とすべきだと訴えてきた。グリーンランドの元首相ムテ・エゲデ氏は、同島は「売り物」ではなく、米国への譲渡はあり得ないとの立場を示した。
デンマークの旧植民地であるグリーンランドは、2009年に一定の政治的自治権を付与されたが、依然としてデンマークの一部だ。
バルビン氏は、デンマークとグリーンランドの当局は、同島を米国に譲渡する可能性を否定しているが、デンマークの当局者はこの地に大規模な北大西洋条約機構(NATO)基地の設置を検討していると主張した。
「デンマークのこのような措置は、北極地域の軍事・政治情勢のさらなる悪化を招く可能性がある」
グリーンランドには米国のピトゥフィク宇宙基地がある。これは米国最北端の軍事施設であり、ミサイル防衛と宇宙監視作戦で重要な役割を果たしている。