キリスト教徒写真家が勝訴、同性婚撮影拒否は合法-米NY

クリスチャンの写真家エミリー・カーペンターは、ニューヨーク州司法長官レティシア・ジェイムズと、同性結婚式へのサービス提供を拒否した彼女を起訴することを防ぐ同意協定を結んだ。(写真提供:Alliance Defending Freedom)
By Valerie Richardson – The Washington Times – Thursday, July 24, 2025
同性婚に対して一線を画すキリスト教徒経営者らの代理人を務める弁護士グループ「自由を守る同盟(ADF)」が、再び勝利を飾った。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は事務局を通じて、ウェディングカメラマンのエミリー・カーペンター氏と和解契約を締結し、差別容疑での告訴を放棄し、弁護士費用22万5000ドルを支払うことで合意したことを明らかにした。
同意判決が22日に提出された。判決に先立ち連邦判事が5月、カーペンター氏は、性的指向や性自認に基づく差別を禁じるニューヨーク州法に異議を唱えて2021年に提起した言論の自由を巡る訴訟で勝訴する可能性が高いとの判断を下していた。
ADFの上級弁護士ブライアン・ナイハート氏は声明で「言論の自由はすべての人のためのものであり、私たちはこの訴訟を解決して、エミリーがニューヨークから罰せられる恐れなく結婚についての自分の考えを話すことができるようになり、喜んでいる」と述べた。
裁判に関するカーペンター氏の見通しは明るいものではなかった。2021年12月、連邦地裁のフランク・ジェラシ判事は、性的指向にかかわらず、人々が公共の商品やサービスを平等に利用できるようにすることに州は「やむを得ない利害関係」があると裁定し、カーペンター氏の異議申し立てを却下した。
カーペンター氏は第2巡回区控訴裁判所に控訴したが、控訴裁が判決を下す前の2023年に、最高裁は多数意見で、州は個人が同意しない創作コンテンツを通じてメッセージを表現することを強制することはできないと主張、303クリエイティブのオーナー、ローリー・スミス氏に有利な判決を下した。
ADFの弁護士は、コロラド州のキリスト教系ウェブサイトデザイナーのスミス氏、マスターピース・ケーキショップのオーナーであるジャック・フィリップス氏の代理人を務めている。フィリップス氏の2018年の最高裁での勝利が303クリエイティブ判決の基礎となった。
これを受けて控訴裁は、カーペンター氏の訴訟を下級裁判所に差し戻し、ジェラシ判事は「州の公共施設法が『表現活動に適用され、言論を強制』してはならないことは、今や議論の余地がない」との判断を示した。
ナイハート氏は「最高裁が303クリエイティブ判決で再確認したように、政府は国民に信じていないことを言わせることはできない。米国憲法は、エミリーが自身の信念を表現する自由を保護し、エミリーは今後もあらゆる背景や信条を持つ顧客にサービスを提供し続けることができる。ニューヨーク市民は、自分自身で創造し表現する自由を享受できるようになった。この自由は、どのような価値観を持っているかにかかわらず、すべての米国民を保護する」と述べた。
同意判決は、ニューヨーク州司法長官とニューヨーク州人権委員会がカーペンター氏に対して、同性カップルに異性カップルが利用できるのと同じ結婚式や婚約のサービスを提供することを義務付ける法律を施行することを禁止している。
カーペンター氏はまた、起訴されることを恐れることなく、自身のウェブサイトやソーシャルメディアのアカウントで結婚式に関する方針や信念を表明することが許される。
だが、同意判決はカーペンター氏とその事業にのみ適用され、同氏が「一般市民への有料結婚式写真撮影サービス」の提供を停止すると失効する。
とはいえ、連邦裁判所が出した論理的結論は、同じ保護を求める他のニューヨークの写真家も対象になる見込みだ。
訴状によると、カーペンター氏は以前、同性カップルから結婚式の写真撮影について問い合わせを受けたが、州法に抵触することを恐れて回答を拒否したと述べていた。
ニューヨーク州南部のエルミラを拠点とするカーペンター氏には、懸念する理由があった。州の人権法に違反すると、最大10万ドルの罰金と1年間の懲役、および営業免許の剥奪が科せられる。
カーペンター氏はADFのウェブサイトに掲載された動画で「10万ドルの罰金と懲役だ。そうなれば、事業を閉鎖せざるを得なくなる。起業家として、それは非常に恐ろしいことだ」と述べている。