国民であることの意味教える教育を

(2025年8月27日)

公立学校の子供たちへの指導 イラスト:Alexander Hunter/The Washington Times

By Everett Piper – Sunday, August 24, 2025

 オクラホマ州のライアン・ウォルターズ教育長は先週、同州の教員候補者 (特にカリフォルニア州やニューヨーク州出身者)は、オクラホマ州の公立学校で働くには「米国第一」試験を受けなければならないと発表し、全米のニュースとなった。想像の通り、教員組合とエスタブリッシュメント(既得権益層)のエリートらは猛反発している。

 ウォルターズ氏が提案している実際の試験の話をする前に、そもそもなぜ米国に公教育があるのかを振り返ってみたい。

 ジョージ・ワシントン大学の教育政策センターは、このように説明している。

 「人々が民主社会の市民権となれるよう備えることが、(米国の)公立学校を創設した主な理由であった。『建国の父』たちは、脆弱な米国の民主主義を成熟させるには、政治的・社会的問題を理解し、市民生活に参加し、よく考えて投票し、自身の権利と自由を守ることができる教育を受けた人々が必要であると主張した。…人格と美徳も良い市民であるためには不可欠であると考えられており、教育は道徳的な指導を行い、人格を形成する手段と考えられていた」

 同大学はこう続けている。「建国の父たちは、学校教育へのより体系的なアプローチがなければ、人々を教育し市民にすることは困難であることを認識していた。…(そのため)トーマス・ジェファーソン、ジョン・アダムスら初期の指導者は、公的資金による正式で統一された学校システムの創設を提案した」

 ジョージ・ワシントン大学によると、建国の父たちは、教育の責任は厳密に地域社会に委ねられるべきだと考えていた。しかし、議会は2つの連邦条例を制定した。1785年と1787年の条例だ。それを基に政府は公教育のための広大な土地を各州に与えた。教育を通じて、子供たちを「教養があり、道徳的で生産的な市民に変え」、読み書きができ、人間の自由とそれにふさわしい良い統治の歴史と原則をよく理解できるようにするためだ。

 言い換えれば、米国の公立学校が設立された唯一の理由は、米国の子供に良い米国市民になる方法を教育することだった。

 ここで、ウォルターズ氏がオクラホマ州で実施している米国第一試験の問題に戻る。なぜ同氏はそれを望んでいるのだろうか。何を評価するのだろうか。なぜほぼすべてのリベラル派がこの試験に猛反発しているのだろうか。

 なぜ試験が必要なのかを説明するウォルターズ氏の言葉を引用する。「私たちは、学業を第一に考える、優秀で伝統を大切にする教師を必要としている。…そのために私たちはオクラホマ州の保護者のために、教師を適切に評価できるようにする。優秀で聡明な教師だけが教えられるようにする。教室でマルクス主義を教える教師はいらない」

 オクラホマ州の教師たちが、例えばキューバやベネズエラ、共産主義中国の価値観よりも、米国の価値観を教えられるようにしたいという考えは理解できる。ここでウォルターズ氏を中傷する人たちが非常に恐れている、選択式の試験問題をいくつか紹介する。

憲法の最初の3つの言葉は何か。

a.われわれは神を信じる

b.生命、自由、幸福

c.アメリカ合衆国

d.われわれ国民

信教の自由はなぜ米国のアイデンティティーにとって重要なのか。

a.キリスト教を国教にするため

b.あらゆる形態の公共の礼拝を禁止するため

c.公的生活における宗教教育を制限するため

d.宗教の選択を政府の支配から守るため

米議会の2つの部分とは。

a.上院と下院

b.裁判所と上院

c.行政と立法

d.上院と下院

米上院議員は何人。

a.435

b.110

c.50

d.100

 ご覧の通りだ。ウォルターズ氏は、公立学校の教師は最低でも、2つの議会の名前を挙げ、信教の自由がなぜ重要なのかを説明し、憲法の最初の3つの言葉を暗唱できるようにすべきだとあえて提案した。それに対してABCテレビの「ザ・ビュー」やMSNBCで、教員組合と一部議員らは泣いたり、歯ぎしりしたりしている。

 なぜ、「米国を再び偉大に」したいと言うだけで、有権者の半数近くが、ヘイトだ、排他的だ、邪悪だと考えるほど、国が分断されているのかを知りたいのであれば、その答えは見つかったと思う。すべては、米国の子供たちが米国人であることの基本的な意味を理解することさえ望まない教員組合とその従順な追従者から始まっている。

Everett Piper ワシントンタイムズのコラムニスト、元大学学長であり、ラジオの司会者。「Not a Day Care: The Devastating Consequences of Abandoning Truth」 (Regnery)の著書がある。

AIブームとトランプ関税で就職難にあえぐ新卒

(2025年08月25日)

トランプ氏、スミソニアン博物館の「ウォーク」標的

(2025年08月24日)

【独自】「反米的」移民への審査厳格化 国土安保省が新指針

(2025年08月23日)

トランプ政権の圧力により名門大が左翼イデオロギー教育を断念

(2025年08月17日)

トランプ陣営、寄付で「偉大なジーンズハット」当たる S・スウィーニーさんの広告ブームに便乗

(2025年08月17日)

石炭の町から、太陽光発電の町へ-東部アパラチア

(2025年08月14日)

教育委で「多様性」言及が急減 トランプ政権の政策反映か-報告

(2025年08月12日)

私立高にAI導入、教師も教科書も不要に

(2025年08月10日)

アジア各地で脅かされる信仰 宗教会議に世界から指導者300人超-韓国

(2025年08月10日)

アメリカンドリームは死んだ-なぜ若者は結婚や子供を捨てるのか

(2025年08月09日)
→その他のニュース