トランプ氏、韓国の教会捜索に懸念 李大統領「側近は会談決裂を恐れていた」

2025年8月23日土曜日、東京での首脳会談後、石破茂首相(写真には写っていない)と共同記者発表で話す韓国の李在明大統領。(Kim Kyung-Hoon/Pool Photo via AP)。
By Jeff Mordock – The Washington Times – Tuesday, August 26, 2025
韓国の李在明大統領は米韓首脳会談について、側近が、韓国政府による教会への強制捜査についてトランプ大統領に問い詰められ、ホワイトハウス執務室での会談が(2月にウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ氏に激しく追及された)「ゼレンスキー会談」のようになってしまうのではないかと恐れていたと語った。李氏はまた、トランプ氏の投稿について「非常に威圧的」と述べた。
25日に李氏がホワイトハウスに到着する前、トランプ氏は、尹錫悦前大統領に対する捜査について疑問を呈した。この捜査の一環で、韓国内のいくつかの教会も捜査対象となった。トランプ氏は、この問題について李氏に問いただす意向を示していた。
トランプ氏はSNSのトゥルース・ソーシャルに「韓国で何が起こっているのか。粛清か革命のようだ。そんなことをしているところでビジネスはできない」と投稿した。
トランプ氏はその後、記者団に、米国の情報機関から「悪い話」を聞いたと語り、この「非常に悪質な」教会への捜査について李氏に真相を問いただすことを明らかにしていた。
この発言は、李氏の側近ら韓国政府関係者の間で、大統領執務室での会談が、2月にトランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の怒鳴り合いにまで発展した、緊迫した会談の再来になるのではないかという懸念を引き起こした。
李氏は25日遅く、戦略国際問題研究所(CSIS)でのイベントで「会談前、トランプ大統領がトゥルース・ソーシャルに投稿したメッセージに強い脅威を感じた」と述べた。
「その後、記者会見でトランプ氏は、前政権に関する韓国政府の捜査に言及し、米軍基地での捜索と押収について調査すると述べた。そのため、スタッフらは、会談がゼレンスキー会談のようになるのではないかと心配していた」
李氏は、トランプ氏の発言は交渉テクニックだと思うと述べた。両首脳は引き続き、米国と韓国の貿易協定を巡って交渉した。
李氏は「これは、これまでも他国との交渉で見たパターンだった。ただ、韓米同盟の重要性から、同盟関係を損ねるようなことはしないと確信していた」と述べた。
トランプ氏との会談では、両国間の経済関係の強化と米韓安全保障条約の「近代化」の方法に焦点が当てられたと李氏は述べた。教会への家宅捜索について話し合ったかどうかは明らかにしなかった。
保守派の尹氏は4月に罷免された。昨年12月に戒厳令を短期間だが発動したことで7月に逮捕された。尹氏の活動に対する捜査は、韓国当局が米国と共同で運営する軍事施設、烏山空軍基地にも及んだ。
李氏は25日、ホワイトハウスで、韓国当局は家宅捜索を行っておらず、戒厳令発令後の韓国軍の指揮系統に対する調査だったと述べた。
韓国メディアによると、烏山基地は先月、尹氏の戒厳令発動の経緯を調べる捜査官による強制捜査の対象となった。韓国当局は、強制捜査が行われたのは韓国が管理する区域だと主張している。
李政権による尹氏と妻の金建希氏に対する捜査は、夫妻と関係のある教会にまで拡大している。大統領経験者夫妻が容疑者として同時に拘束されるのは、韓国では初めてだ。
ソウル警察は今月、尹氏を支持する抗議活動を主導した福音派の全光焄牧師が率いるサラン第一教会を強制捜査した。この強制捜査は、尹氏の拘束が延長された後、1月下旬に裁判所に突入した親尹派活動家に対する警察の捜査に端を発している。
収賄を巡る金氏への捜査は、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)も巻き込んでいる。家庭連合は、尹氏の就任前に政治的利益と引き換えに金氏に賄賂を提供したとして告発されている。
韓国メディアによると、家庭連合の元職員が金氏にシャネルのハンドバッグや高級ジュエリーなど1万4000ドル以上相当の贈り物を送ったとされている。その代わりに、この職員は尹政権に対し、カンボジアの開発プロジェクトや韓国のニュースチャンネルの買収、尹氏の就任式への招待などでの便宜を求めていた。
家庭連合の広報担当者は今年に入って、疑惑を否定し、政府の調査に協力していると述べた。
米国家庭連合のデミアン・ダンクリー会長は26日、トランプ氏の発言を称賛し、大統領は「宗教の自由の最強の世界的擁護者」だと述べた。
ダンクリー氏は声明で、「韓鶴子総裁ら、韓国の主要なキリスト教運動の指導者と聖地が、前例のない不当な政府の圧力に直面している時に、トランプ大統領の明確な声は、韓国の宗教の自由の大義に希望と国際的な注目をもたらした」と述べた。
家庭連合はワシントン・タイムズなど、複数の企業、メディアを所有している。
ソウル汝矣島の純福音教会は先月、特別検察官の家宅捜索を受けた。教会の牧師が2023年の海兵隊員の事故死の隠蔽疑惑に関係した人物と関係があるのではないかとみられている。