新型コロナの子供への影響
By THE WASHINGTON TIMES – – Thursday, September 30, 2021
ファイザー社は今週、5歳から12歳の子供を対象とした新型コロナウイルスワクチンの後期治験の初期データを米食品医薬品局(FDA)に提出したが、その結果、ハロウィーン(10月31日)の頃には、私たちの子供は、このワクチン接種が受けられるだろうとの期待が湧いてきている。
間違いなく、バイデン政権は、子供へのワクチン接種を強く促し(あるいは命令しさえ)するであろう。しかし、ちゅうちょなく従う前に、目下、私たちが活用できる「科学」をじっくり見てみようではないか。
ファイザー社自身のデータによると、子供を対象に実施された治験は、ワクチンが新型コロナへの感染、入院の回避にどのような効果があるかを検証するためのものではなかった。重症化する子供は極めて少ないからだ。それどころか、治験は子供の免疫反応の測定を中心に行われた。
繰り返すが、この治験は、ワクチン接種によって、子供が新型コロナに感染したり、入院したりするのを防ぐことができることを示すためのものではない。
重ねて言う。新型コロナは、子供にとって脅威ではない。英公衆衛生庁の最近のデータによると、完全にワクチン接種を終えた40~49歳の人たちより、ワクチン未接種の子供の方が入院治療のリスクが低いという。新型コロナによる子供の年間死亡リスクは、溺死、自動車事故、がん、心血管疾患より低いとされている。5~14歳の子供に関しては、新型コロナの脅威は自殺よりも少ない。
たとえ症状が軽くても、子供が感染させる可能性があるという主張は多い。しかし、今では、すべての成人が入院や死亡を防ぐ非常に効果的なワクチンを利用することができる。私たちの社会が目指すべきは、子供の全体的被害を最小限に抑えることではないだろうか。ファイザー社のデータは、ワクチン接種の子供への副作用は、短期的にはそれほどひどくないと結論付けているが、長期的データは完全に欠落している。
パンデミック(世界的大流行)は、すでに子供に深刻な影響を及ぼしている。疾病対策センター(CDC)による最近の研究では、2~19歳の43万2302人の子供に関して、パンデミック期間中のBMI(肥満度を表す体格指数)の月間増加率は、パンデミック前と比較して2倍になった。これによると、3~11歳の年齢層に最も深刻な影響があるようだった。子供の体重は増えている――言うまでもなくこれは、新型コロナの主な併存疾患の一つだ。
さらに、2020年4月から10月にかけて、5~11歳と12~17歳の子供のメンタルヘルス関連の問題のための緊急治療室への訪問が、それぞれ24%と31%増加した。私たちの子供は精神的に病んでいるのである。
マッキンゼー社の研究によると、昨年の学級閉鎖も、幼稚園から高校までの学習に大きな影響を及ぼしており、生徒は平均して数学で5カ月、読解で4カ月遅れたという。マイノリティー(社会的少数者)や低収入の生徒の格差問題も拡大した。マッキンゼーの分析はまた、パンデミックが学校教育に与える影響によって、生徒の生涯収入は6万1000㌦も少なくなるかもしれないとしている。
私たちの社会的目標は、パンデミックによる子供への被害を最小限に抑えることであるはずだ。これまでのところ、うまくいっていない。「十分な注意を」というアプローチは十分に被害を出している。これから先、ワクチン接種をいかにすべきか議論することが、私たちに与えられる課題となろう。